上島竜兵さん、聞いてないよ　突然の悲報…最近は「キス芸」「熱々おでん」がやりにくいと嘆いていた

　「やー！」「聞いてないよォ」などのギャグで人気のお笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵（うえしま・りゅうへい、本名・龍平）さんが１１日未明、東京都内の自宅で倒れているのを発見され、その後、死亡が確認された。６１歳だった。警視庁は自殺とみて経緯を調べている。所属事務所の「太田プロダクション」は「あまりにも突然のことで驚きに堪えません」とコメント。新型コロナウイルスの影響を考慮し、葬儀は密葬で行う予定という。

　バラエティー番組の人気者の突然の悲報に、日本中に衝撃が走った。

　捜査関係者によると、１１日午前０時頃、東京都中野区の自宅マンションで上島さんがぐったりしているのを家族が見つけ、１１９番通報。搬送先の病院で死亡が確認された。

　遺体は警視庁中野警察署に搬送され、妻でタレントの広川ひかる（５１）と所属事務所関係者や監察医も同署に入った。死亡診断書の手続きなどが済んだ後、広川と上島さんの遺体を乗せたとみられる車が警察署を出た。事務所関係者は「いまだに信じられない…」と肩を落とした。亡くなる前にも事務所関係者と話してはいたが「（おかしなところがあったのかどうかは）分からない」という。

　所属事務所はこの日夕方、「あまりにも突然のことで驚きに堪えません。今まで上島竜兵を応援してくださった皆さまには心から感謝いたします」とコメントを発表。新型コロナ禍ということもあり、葬儀は密葬で行う。

　上島さんは最近まで元気な姿を見せていた。先月上旬にはバラエティー特番の収録に参加。同２５日には都内で行われた新商品発表会に登場し、新型コロナ禍により、ケンカしながらキスに持ち込む「キス芸」や「熱々おでん」がやりにくくなったことを嘆き「俺としては商売あがったりだよ！」と笑わせた。一方で、後輩芸人の飲み仲間との「竜兵会」が開催できていないことについて「リモート飲み会もしてみたけど、だんだん後輩も面倒くさがってきちゃって…」と愚痴。「初めて結婚してよかった、嫁がいてよかったなって思いました」と寂しさを口にしていた。

　上島さんは俳優を目指し兵庫県から上京。劇団青年座などを経て、肥後克広（５９）、寺門ジモン（５９）らと「ダチョウ倶楽部」を結成。バラエティー番組を中心に活躍し「聞いてないよォ」「やー！」「どうぞどうぞ」などのギャグや、熱湯風呂での体を張ったリアクション芸でバラエティーでも欠かせない存在に。自身が憧れた西田敏行（７４）らの物まねでも人気を集め、日本テレビ系ドラマ「怪物くん」にオオカミ男役で出演するなど俳優としても活躍した。

　またタレントの志村けんさんとは２０年来の師弟関係で知られたが、志村さんが２０年３月に新型コロナによる肺炎のため死去（享年７０）。お笑い関係者は「志村さんが亡くなってから、明らかに上島さんの元気がなくなったのは知られていた」と明かした。

　■コミカルからシリアスな役まで好演

　上島さんは、俳優としても活躍。嵐の大野智主演の日テレ系ドラマ「怪物くん」でオオカミ男をコミカルに演じて話題を集める一方、シリアスな演技も見せていた。

　昨年１０月から２クール放送の日テレ系「真犯人フラグ」（全１９話）では１０話から登場。事件に絡むさまざまな人物と接点を持つ強羅誠役として、笑みを浮かべながらも目が笑っていない冷酷な表情で怪演。ＳＮＳ上で視聴者から真犯人候補として名前が挙げられるなど、物語のスパイスとなった。

　フジテレビ系で放送中の「やんごとなき一族」（木曜・後１０時）ではダチョウの３人で出演していた。同局によると１２日放送回は出演しておらず、今後については「制作の詳細についてはお答えしておりません」とした。

　◆上島　竜兵（うえしま・りゅうへい）１９６１年１月２０日、兵庫県丹波市出身。上京後、劇団で俳優を志すも断念。８５年に４人で「ダチョウ倶楽部」を結成し、後に３人組に。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ！」「スーパーＪＯＣＫＥＹ」の熱湯風呂などで披露するリアクション芸で人気者に。「聞いてないよォ」は９３年の新語・流行語大賞大衆部門銀賞に選ばれた。９４年にタレントの広川ひかると結婚。

　◆相談窓口　厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口は以下の通り。

　▼いのちの電話

　（０５７０）７８３５５６（午前１０時～午後１０時）

　（０１２０）７８３５５６（午後４時～午後９時、毎月１０日は午前８時～翌日午前８時）

　▼こころの健康相談統一ダイヤル

　（０５７０）０６４５５６（対応の曜日・時間は都道府県により異なる）

　▼よりそいホットライン

　（０１２０）２７９３３８（２４時間対応）

　岩手、宮城、福島各県からは（０１２０）２７９２２６（２４時間対応）