石川遼、172日ぶり復帰戦「緊張」男子ツアー国内開幕で35位発進「かなり硬いスタートになった」

スポーツ報知
ホールアウトしグータッチを交わす石川遼(カメラ・馬場 秀則)

◆日本男子プロゴルフツアー ▽東建ホームメイトカップ 第1日(31日、三重・東建多度CC名古屋C=7062ヤード、パー71)

 国内男子ツアーが開幕し、ツアー通算17勝の石川遼(30)=カシオ=が、172日ぶりにツアー復帰を果たした。再出発の初日は2バーディー、1ボギーの70で1アンダーで首位と5打差の35位。2008年のプロ転向後では最長ブランクの試合出場となったが、2年前から取り組むスイング改造は「次のフェーズに来られている」と収穫もあった。杉山知靖(28)=中央日本土地建物グループ=と上井邦裕(39)=三好CC=が6アンダーで首位。

 石川の顔つきには余裕がなかった。出だしの10番パー4。第1打を右ラフに曲げ、木の後ろからの第2打でグリーンを捉え、何とかパーで切り抜けた。「久しぶりの試合で緊張は当然、ありました。かなり硬いスタートになった」と、ホッと息をついた。

 昨年11月の新型コロナ感染対策の自主隔離義務違反で出場停止処分を受けて以来、172日ぶりの復帰戦は、腰痛で休養した16年2~7月の153日を上回る最長ブランクとなった。それでも、15番パー4では、第2打を56度ウェッジで開幕前に掲げた「ピンを狙うショット」を披露し、“お先に”のバーディー。「狙い通り」と、ようやく笑顔をのぞかせた。

 20年3月から取り組むスイング改造では、22年初戦でいきなり収穫があった。1番パー4の150ヤードからの第2打で今大会から投入した43度ウェッジを握った。直接ピンを狙い、「しっかり打った」という球は12メートルも奥へ。試合勘が戻っておらず、ショットの距離感は「まだ把握できていない」ものの、「再現性のあるスイングの中であれだけ飛んだのは収穫でもある」と、うなずいた。その上で、スイングの移行は細かい筋肉の効率的な使い方を極める「次のフェーズ(段階)に入って来られている」とした。

 昨年はオフに「好きなだけ食っていた」といい、予選落ち。だが、今年は初戦までの約3か月間でスクワットなどのトレーニングを重点的にこなし、体をつくってきた。昨年比で2キロ絞り、体重は76キロ~77キロで、「今年の方がいいトレーニングができていて体の状態もいい感じ」と前向きだ。

 1日の第2ラウンドは風が強まる午後スタートだ。「我慢のゴルフになる」。復帰戦から必死なプレーで上位争いに食い込む。(宮下 京香)

 ◆石川遼に聞く

 ―約半年ぶりの復帰戦。ティーショットが少しぶれていた。

 「力みとかもあったと思う。なかなか修正するのに時間がかかった」

 ―ショットの距離感は戻ってきたか。

 「全てのクラブであんまり分かっていない状態。(今日の距離を)メモして明日以降に生かしたい」

 ―スイング改造について「次のフェーズ」はいつ完成するのか。

 「(ここまで)2年かかっているので、2年はかかると思う。(終わりは)言えないけど、あとはコースマネジメントでスコアを削っていく作業に入る」

 ―第2日も昨季ツアー賞金王のチャン・キム(米国)、ツアー通算21勝の池田勇太と注目組で回る。

 「一緒に回った2人のショットの安定感がすごいと思った。何とか食らいついていかなきゃ」

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