上野動物園より先に日本にパンダを“輸入”した内藤ルネ 「カワイイの生みの親」が描いたルネパンダに再び脚光

スポーツ報知
日本初のパンダキャラクター「ルネパンダ」

 中国から初めてパンダが来日したのが1972年10月。ランランとカンカンが日本中に大ブームを巻き起こしたが、これより先に日本にパンダを〝持ち込んだ″日本人がいた。今や世界に誇る日本のポップカルチャー「カワイイ」の生みの親と言われる内藤ルネ。「Roots of Kawaii」と称されるマルチクリエーターだ。

 1932年に愛知県岡崎市に生まれ、50〜60年代にかけて人気を誇ったファッション誌「ジュニアそれいゆ」の表紙と挿絵を担当し大ブレイク。ヴィヴィッドな色彩のキッチュな少女画で当時の古い美少女観をひっくり返した。

 その内藤が1971年に発表したのが「ルネパンダ」だ。英国滞在中にロンドン動物園で見たパンダにカワイイのアンテナが反応。大胆に2頭身にデフォルメし、日本で初のパンダキャラクターを生み出した。黒い毛に埋もれた目に白目を描き、実際は白い尻尾を黒く描いたルネのパンダは大ヒット、その後のパンダグッズに大きな影響を与えた。

 名前からイメージするのとは違い、実は男性。ゲイ雑誌「薔薇族」の表紙も描くなど、多様性を尊ぶ現代文化の先駆けとしても知られる。シャオシャオとレイレイの誕生で再び日本でパンダが脚光を浴びる中、2007年に亡くなった内藤ルネが今、再び注目を集めている。

 ※「Roots of Kawaii 内藤ルネ 生誕90周年POP UP SHOP」を各地開催。阪神梅田本店は22日まで。

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