アイスホッケー女子、涙の6位「このメンバーでもう1回試合がしたかった」4年後は最高のスマイルを見せる

スポーツ報知
3点目を失いがっくりとする日本選手(ロイター)

◆北京冬季五輪 ▽アイスホッケー女子準々決勝(12日・国家体育館)

 史上初の準々決勝に進んだ世界ランク6位の女子日本代表「スマイルジャパン」は、18年平昌五輪銅メダルの同3位フィンランドに1―7で完敗し、今大会を6位で終えた。第1ピリオド(P)は、次世代エース・志賀紅音(20)=トヨタシグナス=の会心のゴールで1―2と食らいついたが、第2、3Pと失点を重ねた。下位のB組で予選を初めて首位で突破し過去最高の3勝を挙げたが、世界の壁は厚かった。

 大沢主将の涙に、4年間の全てが詰まっていた。「このメンバーでもう1回試合がしたかった」。心の底からそう思えるほど、最高のチームだった。最年長39歳・久保や、五輪3大会目の米山ら主力は、北京五輪を最後に第一線から退く。新たなステージに連れてきてくれた偉大な先輩の思いを受け、スマイルジャパンはこの敗戦から、新たに生まれ変わる。

 史上初の準々決勝。体格、決定力、スピードと全ての格が違った。世界ランク3位のフィンランドに第1ピリオド(P)、開始約2分で先制されると、その後も、ロングシュートを決められ、0―2。残り5分を切り、志賀紅がゴールネットを揺らし食らいつくが、反撃もここまで。第2Pは2失点、第3Pは3点を奪われ完敗。飯塚祐司監督(47)は「全てが足りなかった」と、明らかな差を痛感した。

 世界には身長175センチ以上の大型選手が多数いる。小さな日本が対抗すべく、4年をかけ壮絶なフィジカル強化に時間をかけた。フィンランド代表の平昌五輪時の体力測定データを入手。垂直跳び、5段跳びなどの数値を比較しながら、肉体を世界基準に鍛え上げた。懸垂は、日本の方が平均値を上回り、多くの選手が30回をこなせるまでになった。試合ではフィンランド相手に、25本ものシュートを放った。志賀紅が「チャンスは作れた」と言うように確かに、通用したプレーもあった。この努力がなければ、8強に来ることはなかった。

 日本は1998年長野五輪で、最下位の6位。14年ソチ五輪は8か国中7位、18年平昌五輪では初勝利を挙げ、着実に1歩ずつ階段を上ってきた。そして4度目の五輪ではベテランと、20代の若手が融合し、1次Lの壁を初めて打ち破った。久保は「もっともっと強く。メダルを取れるチームになってほしい」と、その先を後輩に託した。この悔しい敗戦を4年後、歓喜のメダルに変える。(小林 玲花)

スポーツ

×