現役引退の市川華菜、100メートルのラストレースは12秒42「ゴールして安心している」

スポーツ報知
全日本実業団対抗選手権100メートル予選でゴールする市川華菜

◆陸上 全日本実業団対抗選手権 第2日(25日、大阪・ヤンマースタジアム長居)

 女子100メートル予選で、今季限りでの現役引退を表明した市川華菜(ミズノ)は12秒42(追い風1・4メートル)の1組5着で上位8人による決勝に進めなかった。「陸上人生最後の100メートルだった。速いスピードで終えたい気持ちはあったけど、心と体が一致していなくて、走りきれないかもしれないと思っていた。ゴールして安心している」と息をついた。

 市川は、2013年に中京大を卒業してミズノに加入。2012年ロンドン五輪(400メートルリレー)、2015年北京世界陸上(1600メートルリレー)など主要国際大会で活躍した。長いキャリアで、数え切れないくらい向き合ってきた100メートル。「景色が変わったのは、大学1年の時の織田記念。今まで生きてきて、あっという間に100メートルが終わった感じがあった。100メートルは難しい種目で、100メートルの練習をしても速くならない。200メートルや400メートルが走れて、やっと形になった。一番苦労した種目だったなと思う」と明かした。

 今年初めに、今季限りへの引退へと気持ちが徐々に固まった。今夏の東京五輪出場は逃し、今月16日に所属を通じて引退を発表した。セカンドキャリアでは「私自身も、こんなに陸上することができて、五輪に出られるとも描いていなかった。誰か一人でも、可能性に気づいてくれたらと思う。そういう可能性を生み出す力になりたい」と次世代の活躍を支えるつもりでいる。

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