大和田獏「死んでもキレイだな」一周忌を迎えた妻・岡江久美子さんへの思いを語る

スポーツ報知
2020年4月24日、自宅で岡江久美子さんの遺骨を葬儀関係者から受け取った夫の大和田獏

 新型コロナウイルスによる肺炎で死去した女優・岡江久美子さん(享年63)の一周忌となる23日、「スマイル!岡江フェスティバル~音楽とともに~」が配信された。夫で俳優・大和田獏(70)が、時折涙ぐみながら岡江さんの最期の様子を語った。

 昨年4月1日、舞台の仕事で地方に出かけていた大和田は、3~4日頃に岡江さんから電話で「熱が出た」と告げられたという。大和田が5日に帰京した頃には、岡江さんは保健所やかかり付けの医者の指示を受けて自主隔離をしていたが「様子を聞いても『大丈夫、大丈夫』としか言わなかった。抱え込んじゃうからね」と振り返った。

 その後、岡江さんの病状は悪化。大和田は岡江さんを車に乗せて相談していた医師のクリニックまで一緒に向かったが、「かなり肺が弱っている」と診断された。救急外来を受けられる病院を3~4件目で見つかったが、そこでも「かなり肺が弱っている。ICUに入っていただく」と説明されたという。

 ICUに入るまでの30分間だけLINEのやり取りができたというが、岡江さんは人工呼吸になり、治療のため1~2週間意識をなくす状況になることに「不安だ」と吐露。さらに娘で女優・大和田美帆(37)への言葉として「心配しないでね、とだけ伝えて」とメッセージを残し、「それが最後のLINEのやり取りでした」と大和田は落胆した。

 自宅で自主隔離生活を送っていた大和田は電話を握りしめて、病院からの電話を待っていたという。「1~2週間がたった頃にお医者さんから『かなり厳しい。最悪なことを考えてください』と。それからは覚えていないです。つらい毎日でしたが、一番つらいのは彼女だった」。

 1年前のこの日、午前5時半に病院から電話で岡江さんが亡くなったことを告げられた。病院へは1人のみ行くことができたため、大和田が急行。マスクを二重にし、完全防備の格好をした。ICUは大きな部屋だった。「その片隅に…ああ…」と言葉を詰まらせ「袋に入れられて、顔のところだけ透明になっていて見ることができました。何を考えたか覚えていませんが、顔を見たときにキレイだな。お前は死んでもキレイだな」。続けて「ああ、ダメだ」と目を潤ませた。

 通夜・葬式はできなかった。それでも、周囲の支えを受けて少しずつ前を向いている。

 「最初のうちは何をしていいか分からなかったけど、娘や孫の存在が大きかった。僕が元気で頑張らないと、と思った。あとは、妻のたくさんの友達が支えてくれました。優しい思いやりがあって、この1年過ごすことができました。(岡江さんは)大きな財産を残してくれた」。言葉の節々に力を込めて感謝を語った。

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