NHK・保里小百合アナが語る爆笑問題・太田光の魅力…Eテレ「世界にいいね!つぶやき英語」でMC

スポーツ報知
無意識に出るというあごに手を添えるポーズを披露した保里小百合アナウンサー(カメラ・矢口 亨)

 NHK・保里小百合アナウンサー(30)は4月にスタートしたNHK Eテレ「世界にいいね!つぶやき英語」(木曜・後10時50分)で、お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光(55)とMCを務めている。番組開始早々、コロナ禍で太田がリモート出演となり約2か月、保里アナがスタジオから一人で進行する形式となったが、徐々に2人のやりとりが浸透。保里アナが番組の見どころ、太田への思いを語った。(高柳 義人)

 番組MCに決まった時のことをはっきりと覚えている。計8年間、米国で暮らした経験のある保里アナは「英語が一応、得意なので、英語情報番組で英語を活用できるので、うれしいなと思いました。でも(MCが)太田さんと聞いて、エッとなって…。太田さんと英語? 田中(裕二)さんは一緒じゃないんだ? (頭の中が)ハテナ! ハテナ!で…。ワクワクしましたけど、どうなるんだろうって思いました」

 「世界にいいね!つぶやき英語」は世界的なニュースや話題について、SNSでつぶやかれている英語の投稿を、専門家と一緒に読み解き、世界の動きや英語表現を学ぶ番組だ。だが、初回の収録を終えた3月末以降、コロナ禍で太田ら他の出演者はリモート出演に。スタジオでは保里アナが一人で収録を行うことになった。「太田さんとのやりとりに慣れないうちに…。孤独で本当に大変でした」。これまでは報道番組の担当ばかりでお笑い芸人との“からみ”は皆無だった保里アナは「太田光」の研究に取り組んだという。

 「太田さんが出演しているテレビ、ラジオをひたすら見て、相方の田中さんとのやりとりとかを見て、私は田中さんにはなれないけれど、どうすればいいか考えました」。最初は太田のボケに対応できず、笑っているだけだったが、徐々に変わっていった。6月以降、通常の収録に戻り、遠慮しないでいこうと決めた。

 「生意気に『また、また太田さん』と言うと、より笑ってくれて、キャッチボールができていくようになりました。試行錯誤の中で実感があって、(リモートが終了して)スタジオに戻った後は、おかげさまで物おじせずに太田さんに向かっていけました」。つぶらな目をキラキラさせて成果を口にした。

 収録前に楽屋にあいさつする際、太田から必ずかけられる言葉がある。「太ったんじゃない?」。「毎回言われます。『太りすぎじゃない?』って。1回だけ『痩せた?』って聞かれたけれど…。でも私、体重計に乗ってストレスたまるのが嫌なので、家に体重計がないんですよ」。拳銃で撃ってくるしぐさにも慣れた。ケラケラと笑いながら、太田操縦法を明かしてくれた。

 そんな中で、保里アナが驚くのは太田のコメントだ。「物知りですし、物事の見方が深い。『そういう考えがあったんだ』って予想できないです」。番組では「ブラック・ライブズ・マター」や、急死した木村花さん、香港の運動家・周庭さんなど幅広いテーマを扱う。「太田さんは型破りに見えて真面目な方。学生時代に友達がいなくて孤独に向き合ってきたからこそ、人の痛みが分からないとできないコメントをされるんです。つらい経験をしたからこそ、寄り添える言葉です。人の弱さやつらい気持ちを気づいてくれる」。太田のコメントに感動する毎日だ。

 番組開始当初は金曜の午後9時半開始だったが、10月から木曜の午後10時50分に“引っ越し”した。「おやすみ前のひとときに楽しんでもらえたらうれしいですね。語学番組というより英語情報番組というふうに位置づけていて。世界の人たちが今起こっている出来事に対して、素朴なつぶやきを見て、生きた英語表現を学べる。それ以上に、(世界の)つぶやきに対する太田さんのつぶやきを楽しみにしてほしいです」。熱く番組について語ると、ちゃめっ気たっぷりに続けた。「太田さんとご一緒する立場としては私はポンコツなんですよ。でも、(2人の)かみ合っていない、ちぐはぐなやりとりを寛容に楽しんで見ていただきたいですね」

 ◆保里 小百合(ほり・さゆり)

 ▼生まれ・経歴 1990年5月25日生まれ。30歳。大学卒業後の2013年にNHKに入局。初任地は高松放送局、16年から福岡放送局、17年に東京アナウンス室。

 ▼担当番組 現在は「世界にいいね!つぶやき英語」のほか、総合「あさイチ」(月~金曜・前8時15分)のリポーター、BS1「パラ×ドキッ!」(日曜・後5時)を担当。過去には「NHKニュースおはよう日本」のキャスターなどを務めた。

 ▼座右の銘 「反省しても後悔はしない」「自分では根暗だと思っていて、くよくよしちゃう性格で考え出すときりがないので、ずぶとく割り切って…」初任地の高松放送局の上司に言われた「仕事の失敗は仕事でしか取り返せない」も大事な言葉。「出来の悪い新人で不器用でしたが、失敗ばかりの私に言ってくれた言葉です」

 ▼帰国子女 父親の仕事の都合で米ニューヨーク州で生まれ、5年間生活。その後帰国したが、10歳から3年間、カリフォルニア州で生活。「10歳で現地校に通った時は、(英語を)ほとんどしゃべれなく号泣の日々でした。がむしゃらに英語を習得しました。しんどかったけれど、いろいろな人種の人がいて多様性がある環境でたくましくやっていく経験を通じて文化の違いを感じました」

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