貴景勝の母・純子さん「私の子供が大関になるとは夢にも思っていなかった」

スポーツ報知
大関昇進を祝い乾杯する貴景勝(後列右は母・純子さん、同左は父・一哉さん=カメラ・宮崎 亮太)

 平成最後の新大関が誕生した。日本相撲協会は27日、大阪市内で夏場所(5月12日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・貴景勝(22)=千賀ノ浦=の大関昇進を満場一致で決定した。

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 大阪市内のホテルで行われた昇進伝達式では、両親が一人息子の晴れ姿を万感の思いで見守った。幼少期から厳しく指導してきた父・一哉さん(57)は「感無量。(貴景勝が)子供の時から夢見た瞬間でした。一日千秋の思い」と四字熟語を使って喜んだ。

 春場所3日目に初黒星を喫した際には「気力がないなら辞めたら」と電話で突き放しもした。だが昇進を決定づけた千秋楽は4階席から遠巻きに祈るように見ていたという。口上で述べた武士道精神については「義を重んじ感謝を忘れない。本人らしいかな」と、うなずいた。伝達式後には「大関」と呼び止めて笑い合った。

 あでやかな着物姿の母・純子さん(52)は伝達式直前、緊張感漂う貴景勝に鏡を手渡してひと呼吸させた。「(埼玉栄高進学で兵庫・芦屋市の)家を離れる15歳の時は反抗期でけんかが多かった。いつの間に、こんなにしっかりしたのかな。立派に育ってくれたなと思った。私の子供が大関になるとは夢にも思っていなかった。夢の中の映像のよう」と、ほほ笑んだ。(小沼 春彦)

 ◆高校時代恩師「次を目指して」

 貴景勝の埼玉栄高相撲部時代の恩師、山田道紀監督(53)は、伝達式の口上で教え子が「感謝の気持ちと思いやりを忘れず相撲道に精進してまいります」と相撲部の教えに触れたことについて「高校の時のことを言ってくれるとは思わなかった。鳥肌が立った」と喜んだ。春場所終盤には貴景勝から「感謝の気持ちを持っていきます」とのメッセージがLINEで送られてきた。「守りに入ってはいけない。次を目指してほしい」とエールを送った。

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