2023/04/03

桜の花言葉で知る、日本人の精神美と文化

暖かい春の日差しのもと、家族や友と語らい、食事をたのしみ、ゆっくりと時間をかけて満開の桜を愛でる「お花見」は、日本独特の文化といえます。

日本人の暮らしに深く根ざしている桜という花。
私たちはこの花のことをよく知っていますが、実は知らないことも、まだたくさんあるのです。

たとえば「桜の花言葉」やその意味を、あなたはご存じですか?

この記事では、桜の花言葉をキーワードに、日本人と桜の歴史や日本人の心と桜の花との結びつきについてまとめました。

桜はバラ科の広葉樹。
品種や色も多彩な春の花

桜(サクラ)はバラ科サクラ属(又はスモモ属)に分類される落葉広葉樹です。
自生種は、日本や中国、北アメリカなど北半球の温帯地域に広く分布し、春の訪れとともに薄桃色(桜色)の花を開きます。

日本には古くから、ヤマザクラ、ミヤマザクラ、エドヒガンなどの原種(基本野生種)が自生しており、その数は9〜11種類とされています。
また桜は変異しやすい植物であり、多くの変異種が存在します。
改良による園芸品種の数も多く、その数は200とも600ともいわれています。

2018年(平成30年)には、和歌山県の紀伊半島南部に自生する桜が、新種の野生種と判明し「クマノザクラ」と名づけられました。
これはオオシマザクラ以来103年ぶりの新種の発見でもあり話題となりました。

桜は海外も認める日本文化の象徴

桜は菊と並び日本の「国の花(国花)」とされていますが、実は法的に定められた国花は、日本にはありません。
しかし桜を日本を代表する花といって異論をとなえる人はあまりいないでしょう。
それほど桜は人気があり、私たちの暮らしに根付いています。

世界的にも桜は、日本文化を象徴する花として知られています。
英語圏では桜を「Cherry blossom」と呼ぶのが一般的ですが、日本名の「Sakura」で通じることも多いようです。

サクラという名前の由来については諸説ありますが、その一つに「咲く」の複数形「ら」、即ち「さくら」がそのまま呼び名になったというものがあります。
春の短い時期に一気に満開となる桜の特徴からすれば、無理のない説の一つと思えます。

ソメイヨシノに見る
桜の花言葉と日本人

日本人は桜が咲いているのを見るのがほんとうに好きですね。
奈良時代に「花見」といえば、中国渡来の花である梅の花を見ることでした。
その後平安時代に国風文化が花開くと、貴族を中心に日本の花である桜への関心が高まり、桜の花を愛でる「花宴(はなのえん)」が盛んに行われます。
鎌倉期以降、花見の文化は武士階級にまで広がりました。
豊臣秀吉が吉野や醍醐寺で盛大なお花見を催したことは有名です。
お花見が庶民の文化として定着するのは江戸時代になってからです。

お花見といえば、日本人に最もなじみ深いのがソメイヨシノ(染井吉野)です。
ソメイヨシノは早咲きの桜の一種で、江戸時代の末にエドヒガンとオオシマザクラの交配によって生まれました。
明治に入るころから、染井村(現在の東京都豊島区付近)の植木職人らが、「吉野桜」の名で栽培を開始しました。
その美しさとともに、挿し木や接ぎ木による繁殖が比較的簡単だったこともあり、またたくまに全国に普及。
「染井村」にちなみ「ソメイヨシノ」と名づけられました。
気象庁が発表する「桜前線」の基準となっているのがソメイヨシノの開花です。
現在、日本で見ることができる桜の約8割がソメイヨシノとされています。

ソメイヨシノにはいくつかの花言葉がありますが、代表的なのは「純潔」「優美な女性」の二つです。

限りなく白に近い薄めの赤色(桜色)を日本人は「純潔」の象徴ととらえます。
それはまた、美しい女性の象徴でもあります。
ソメイヨシノはまた、散り際の潔さでも日本人の琴線に触れる花といえましょう。
生命の胎動が始まる春という季節に、圧倒的な華やかさで咲き誇り、そして短い命を終えるソメイヨシノの姿に日本人は「美」を感じます。

もちろん、ソメイヨシノばかりが桜ではありません。
どのような品種が、どのような花言葉を託されているでしょうか?

桜の花言葉
~精神美・純潔・優美な女性~

桜全般に共通する花言葉は「精神美」「純潔」「優美な女性」です。

「精神美」は、日本人の心の純粋さ、美しさを指した言葉です。
また、己を厳しく律する心にも通じ、その散り際の潔さと相まって武士の品格を表わしたものともいわれています。
「純潔」「優美な女性」はソメイヨシノの花言葉にも託されているように、その美しい花の姿を、日本女性の純潔と美の象徴として称えたものです。

アメリカには「優れた教育」という花言葉が伝わっています。
これは、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが、幼少の頃に誤って桜の枝を切ってしまったことを正直に告白したという逸話が由来とされています。
この逸話自体が後世の創作だという説も有力ですが、子どもたちにとって大事な教訓として古くから語られてきました。

フランスには、「私を忘れないで」という花言葉があります。
散りゆく桜のはかなさに、恋人たちの別れの切なさを重ねた、フランスらしい詩的な言葉です。

品種によっても違う桜の花言葉

日本を代表する桜の品種であるソメイヨシノの花言葉、また、桜全般の花言葉についてご紹介しました。
桜は品種によってもさまざまな花言葉を持っています。
代表的な日本の桜について、その花言葉を見ておきましょう。

八重桜(ヤエザクラ)の花言葉

八重桜は花びらが幾重にも重なって咲く桜の総称です。
その花言葉には「理知」「しとやか」「善良な教育」「豊かな教養」などがあります。
ソメイヨシノよりやや早く、入学や卒業の時期と開花が重なることから、教育に関する言葉が花言葉に結びついたとされています。
八重桜としては、八重紅枝垂(ヤエベニシダレ)関山(カンザン/セキヤマ)、紅豊(ベニユタカ)などの品種が知られています。

枝垂桜(シダレザクラ)の花言葉

垂れ下がった枝に花が咲く桜の総称です。
「優美」「純潔」「淡泊」「円熟した美人」「ごまかし」などの花言葉があります。
「円熟のした美人」は枝の垂れ下がったさまを、頭(こうべ)を垂れた大人の女性の姿に見立てたもの。
「ごまかし」は枝の陰に何かを秘め隠しているように見えることからとされています。
八重枝垂(ヤエシダレ)、紅枝垂(ベニシダレ)などの品種があります。

山桜(ヤマザクラ)の花言葉

山間部に咲く桜を「山桜」と総称することもありますが、品種としての「ヤマザクラ」は古くから日本に自生する固有種として知られています。
「高尚」「淡泊」や「あなたに微笑む」といった花言葉を持っています。
ソメイヨシノが登場するまで、日本人に最も親しまれていたのが山桜(ヤマザクラ)でした。
和歌に詠まれる「吉野の桜」とは、ヤマザクラのことです。

寒緋桜(カンヒザクラ)の花言葉

沖縄で1月から花を開く最も早咲きの桜です。
石垣島にある「荒川のカンヒザクラ自生地」は国の天然記念物に指定されています。
花言葉としては「高尚」「心の美」「愛国心」などが知られています。
緋寒桜(ヒカンザクラ)という別名もありますが、名前の似ている彼岸桜(ヒガンザクラ)とは別の品種です。

河津桜(カワヅザクラ)の花言葉

本州で早咲き桜の代名詞となっているのが河津桜(カワヅザクラ)です。
花言葉は「思いを託します」です。
オオシマザクラとカンヒザクラの自然交配によって生まれたとされ、その原木は1955年(昭和30年)、静岡県の河津町で発見されました。
1月下旬から咲き始め約1か月間咲き続けます。
ソメイヨシノに比べて濃い花色が特徴です。

関連記事:サクラとは、日本の心の花。そして「お花見文化」を生んだ

桜や春の草花に
花言葉を添えて季節を届ける

桜の花は、春の訪れを感じることができる日本の象徴です。
3月から4月にかけて、その美しいピンク色の花が人々の心を温めます。

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まとめ

古来より、日本人が愛してやまない桜の花。
満開の美しさ、そして列島に華々しく春の訪れを告げるやいやな潔く散りゆくさまは、日本人の心に共鳴します。
「精神美」「純潔」「優美な女性」「心の美」「しとやか」など、桜の花言葉は、なるほどと思わせてくれるものばかり。
そしてこの国の歴史の長さや文化の深さを感じさせてくれます。

春、満開の桜を、あるいは風に舞い散る花びらを見たときには、なにか一つでも桜の花言葉を思い出してみてはいかがでしょう。

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