長く使えるカラダのために体操をしようとしても、自分のどこの筋力が弱く、どこを鍛えるべきかわからない人も多いのでは。自分の身体機能のレベルをセルフチェックでき、鍛え方がわかる──。しかも専門家によるチェックと同等の結果を得られる方法を考案したスポーツ庁長官の室伏広治さん。今の自分の状態を知ることは、健康を維持して豊かに暮らす第一歩。室伏さんに「一生使えるカラダ」づくりのためのエクササイズを教わりました。
『室伏広治さんのカラダづくり教室』 特集の内容
- 第1回室伏広治の一生使えるカラダ 背中とお腹を鍛える壁エクササイズ←今回
- 第2回室伏広治の老けないカラダづくり 下半身と体幹のシンプル筋活体操
自分自身の体をジムにすることが大切です
元ハンマー投げの金メダリストで体育学博士でもあり、現在はスポーツ庁長官として活躍する室伏広治さん。アスリートに限らず、一般の私たちが年齢を重ねても健康で豊かに暮らすための施策づくりにも余念がない。
その室伏さんが、誰でも簡単に自分の身体機能を診断し、改善もできるツールとして考案したのが、「KOJI AWARENESS セルフチェック+改善エクササイズ」。室伏さんが現役時代に培った知見をもとに開発した、道具を使わずに、誰でも筋骨格系の運動機能の評価と改善を行えるプログラムだ。
「自分の身体機能レベルを知ることは、運動時も、日常生活におけるケガや転倒を防いで生活の質を向上させるためにも欠かせない。セルフチェックは全11部位あり、筋力をチェックする項目ではそれぞれ4段階のレベルで運動機能を評価する。腕立て伏せのように手で体を支えられるか、椅子から片脚で立てるかなど特別な道具を使わないシンプルな動きばかりだが、このセルフチェックは自ら研究を行い、道具を使用した専門家による運動機能評価テストと同等の結果が得られることを確認している」(室伏さん)
4段階あるレベルのうち、どこを目指すべきか。40~50代の女性なら、「運動習慣がなくても、下から2番目のレベル2はクリアしてほしい」と室伏さん。レベル2ができないと、日常生活に支障が出るだけではなく、「適切に鍛えられなかったり、運動中の痛みと関連することもわかっている」という。
セルフチェックはすべて「改善運動」とセットになっている。一緒に行うことで身体機能のレベルアップもはかれる。今回紹介するのは、全11項目のうち、筋力に関わる3つ。上体(今回紹介)、下半身、体幹部(いずれも次回紹介)を網羅して、全身をトータルに鍛えよう。
『KOJI AWARENESS』で一生使えるカラダをキープ
まずは筋力レベルをチェックして、上体・下半身・体幹部の筋活を始めよう!
【CHECK】筋力レベルをチェック:1~3カ月に1回
4段階に分かれたセルフチェックを行って、今の自分の筋力レベルを確認する。改善運動を続けるとレベルアップするから定期的にチェックするといい。
【EXERCISE】改善運動を続ける:2日に1回
改善運動は、上体と体幹部は1種目で、下半身は2種目。回数は3~5回×2~3セット。道具は使わず、覚えやすくて短時間で済むから続けやすい。