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【華麗なる転身】政治家からYouTuber! 元衆議院議員・元横浜市長の中田宏さんインタビュー(前編)

2016/5/29

小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

議員バッジを外した政治家は、その後どのような活動をしているのでしょうか。メディアへの出演、執筆活動、講演…などが思い浮かびます。その他、言論活動を控え、民間企業に再就職するケースもあります。
28歳で衆議院議員に初当選し、横浜市長も歴任された中田宏さん(公式HP:http://nakada.net)は、2014年に政界から身を引きました。その後、YouTubeで「中田宏チャンネル」を開設。毎日配信される動画は、短時間で世の中の出来事が理解できるよう、様々な工夫がなされています。
議員職を退いてからも、精力的に活動を続ける中田さんは、正式にYouTuberに転身したのか、それとも次の選挙に向けた浪人期間なのか…。様々な質問を中田宏さんに直接、伺いました。(全3編)

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-まず、現在の活動を教えてください。
「日本の構造研究所」というシンクタンクを立ち上げ、代表をしています。活動は、日本の社会に関する論文執筆、YouTube「中田宏チャンネル」で、時事問題についての見方や考え方を発信しています。その他にはテレビなどメディア活動をしています。
シンクタンクを設立したのは、横浜市長として2期7年半、衆議院議員を計11年、合わせて18年の政治活動をやってきた経験を活かすためです。
自分自身が行政の中に入り、実際に見て経験して分かってきたことがあります。(様々な議論の中で)社会の構造や問題の本質が分からないままの議論が横行していると感じていて、その問題が「なぜそうなるの?」という根本の部分を「誰かが伝えないといけない」と思いました。それを「日本の構造研究所」という名前に表しています。

-どのようなきっかけで、動画配信を始めようと思ったのでしょうか?
私は、腹の底から日本を良い社会にしていきたいと思っています。次の世代に「より良い状態で日本社会をバトンタッチしていく」ことが大切だと思っています。そのために「政治」という分野に入りました。
食べていかなければならないという現実はあるにしても、食べるために活動しているわけではない。「どうやったら良くなるか?」と考え、実現するための活動を展開することが私のライフワークなんです。

-YouTubeのチャンネルでは、社会問題を含めた時事ネタを取り上げ、毎日配信されています。
– 「こんな見方があります」「こんな考え方もあります」と伝え、視聴者に考えるきっかけを作りたいと思っています。
例えば、池上彰さんが、ニュースを分かりやすく解説してくれる番組はとても人気があります。私も同じことを心がけています。
ただ、テレビであれば、大方の場合、解説した上で「皆さんはどう思いますか?」という投げかけで終わりますよね。テレビはそこが限界だとするなら「私はこう見る」という「意見」も発信して、議論喚起をしたい。これは実際に行政をやって、社会問題に対応してきた経験を皆さんに還元したいと思うからです。事件が起きたら、警察の対応が悪いと言っても現実の改善にはならないと思うからです。

-YouTubeチャンネルで配信されている動画は、ほとんどが約3~5分という短い時間です。
以前は、時間のこだわりを持たずに言いたいことを全部言っていたので、7~8分、長いときは10分以上撮影して、編集しないまま「週刊中田宏」として配信していました。一つの事象を語ろうとすると10分では語れないので、仕方ないとも思っていました。
だけど、私のファンの方なら、週に一度10分程度の番組でも観てくれるかもしれませんが、普通はそこまで時間を割いて観てくれません。ですから、見る人にとって苦にならないように、3分ほどの長さに収めるようにしています。パッと見て中身が分かるサムネイルも作っています。

-毎日、リアルタイムに近い状態で配信されていますが、どのように運用・更新しているのでしょうか?
出張に行くこともありますから、現地の方や知人に手伝ってもらったり、自撮りをしたりすることもあれば、出発前に2〜3日分撮っていくこともあります。原則として、できる限り最新の事案に対応できるように、その日に撮って出すようにしたいと思っています。中田宏チャンネルは、歴史や文化教養番組ではないので、リアルタイムで「知っておくべき情報」「考えるべき情報」を配信しており、撮影回数が多いから大変です。

-1回の収録時間は、どのくらいかかるのでしょうか?
ネタ会議や実際の撮影で1本あたり30分~1時間弱です。そこからさらに、編集の時間がかかります。

-情報を短く、的確に伝えることは、とても難しいことだと思います。
動画では言葉を一度聞くだけでは頭に入ってきませんから、饒舌にならないように注意して、重要なポイントはテロップを出しています。この作業は編集スタッフが頑張ってくれており、感謝しています。

-現役の議員だった頃より、今の方が人気あるのでは? という声もありますが、実感は?
実感はないですが、そうだったら嬉しいですね。
嬉しいとは私が個人として「私的」にではなく、「公的」にです。議員という政治職の立場があると、世の中の人は「あの人は与党議員だから」「野党議員だから」と、立場で、意見に対してバイアスが入ってしまうからです。
今は政治職に着いていないから、どちらの肩を持つ訳でもなく聴いてもらえます。ですから安倍政権の良い部分・ダメな部分も、忌憚(きたん)なく言いますし、野党に対しても同じです。
ただ、私が考えることと、世の中の人が考えることは違うかもしれないので、(自分の考えを)押し付けるつもりはないです。<中編に続く>

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小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

20歳頃から出入りしていた編集部から声をかけられたことをきっかけに雑誌編集者となり、Web編集者に転じる。その後、ひょんなことから取材活動を始める。現在、政治を勉強しながら執筆活動など。猫2匹と同居中。

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