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史上最高のSF映画ベスト150


音楽や映画など若者カルチャーを主に扱うアメリカの隔週雑誌「ローリング・ストーン」は、恒例企画として「史上最も偉大なシンガー200人」や「歴代最高の曲500曲」など、独自のランキングを発表しています。2024年1月1日には、ローリング・ストーンは「史上最高のサイエンス・フィクション(SF)映画ベスト150」として、科学技術や未来、管理社会などをテーマにした映画150本をランキング形式で紹介しています。

The 150 Best Sci-Fi Movies of All Time
https://www.rollingstone.com/tv-movies/tv-movie-lists/best-sci-fi-movies-1234893930/tank-girl-1995-2-1234928496/

ローリング・ストーンはSF映画について、「もしSFが存在しなかったら、あるいは科学が研究としてのみ進化してエンタメに波及しなかったら、映画はどんなに退屈なものになったでしょう。宇宙の彼方や私たち自身の社会の将来ありえる姿を舞台にした思索的で想像力豊かな物語は、さまざまな映画を見たい私たちの希望を満たし、そしてこれらの映画はさまざまな科学的・社会的問題についてビジョンや深い質問を投げかけ、考える機会を与えてくれます」と語っています。


ローリング・ストーンによると、初めは「SF映画ベスト100」を作成しようとしたものの、議論が紛糾するにつれて100本にとどめることはできなかったため、50本を追加したベスト150となったとのこと。なお、このランキングでは一部の例外を除いて「スーパーヒーローもの」はSF映画とは考えられていません。

ローリング・ストーンのランキングは以下の通り。


◆1位:2001年宇宙の旅(1968年)
ローリング・ストーンが挙げる歴代のSF映画ナンバーワンは、スタンリー・キューブリックとアーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」。キューブリックの映像はSF映画のベンチマークとも言えるアイデアを、50年たった今でも見る人に与えてくれます。ローリング・ストーンは「キューブリックが、SF映画としての新しい慣習や視聴者に空想科学について考えさせる説得力など、これらすべてを大衆芸術の形式で実現し、刺激的な素材に飢えている観客の琴線に触れ、数十年経った今でもそれが最先端で共感を呼ぶものであることは、神としか言いようがありません」と熱弁しています。


◆2位:ストーカー(1979年)
1979年当時のソビエト連邦で映画監督を務めたアンドレイ・タルコフスキーが、「惑星ソラリス」に続いて制作したSF映画。命や意思を持ったような惑星とコンタクトする「惑星ソラリス」とは異なり、SF的な空想描写や演出はほとんどない「ストーカー」ですが、「SFというジャンルがめまぐるしく楽しい方向へ進化していく時代で、タルコフスキーは重く時代遅れなアイデアのSFを追及し、深い探究力により色濃い影響を後の作品に残しています」とローリング・ストーンは述べています。

◆3位:未知との遭遇(1977年)
ローリング・ストーンが歴代のSF映画ベスト150の3位に挙げたのは、スティーブン・スピルバーグがSF作品として初めて手掛けた「未知との遭遇」です。人類と宇宙人とのファースト・コンタクトを描くこの作品では、コミュニケーションに用いられる音楽が重要な意味を持っています。当時の映画撮影賞で1位を獲得したほか、音楽賞を含む8つのアカデミー賞を受賞しました。


◆4位:ブレードランナー(1982年)

◆5位:エイリアン(1979年)

◆6位:アンダー・ザ・スキン 種の捕食(2013年)

◆7位:トゥモロー・ワールド(2006年)

◆8位:メトロポリス(1927年)

◆9位:スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年)

◆10位:マトリックス(1999年)

◆11位:スターシップ・トゥルーパーズ(1997年)

◆12位:地球の静止する日(1951年)

◆13位:地球に落ちてきた男(1976年)

◆14位:メッセージ(2016年)

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◆15位:オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年)

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◆16位:ターミネーター2(1991年)

◆17位:エターナル・サンシャイン(2004年)

◆18位:SF/ボディ・スナッチャー(1978年)

◆19位:猿の惑星(1968年)

◆20位:惑星ソラリス(1972年)

◆21位:遊星からの物体X(1982年)

◆22位:スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年)

◆23位:スノーピアサー(2013年)

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◆24位:マイノリティ・リポート(2002年)

◆25位:クォーターマス・アンド・ザ・ピット(1967年)

◆26位:ザ・フライ(1986年)

◆27位:アルファヴィル(1965年)

◆28位:未来世紀ブラジル(1985年)

◆29位:エクス・マキナ(2014年)

◆30位:マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年)

◆31位:ラ・ジュテ(1962年)

◆32位:AKIRA(1988)

◆33位:ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年)

◆34位:エイリアン2(1986年)

◆35位:her/世界でひとつの彼女(2013年)

◆36位:禁断の惑星(1956年)

◆37位:ゴジラ(1954年)
言わずとしれた「ゴジラ」シリーズの第一作。「オリジナルの怪獣映画がいかに素晴らしいかを証明する映画です」と、ローリング・ストーンは高評価を贈っています。


◆38位:インセプション(2010年)

◆39位:ウォーリー(2008年)

◆40位:ターミネーター(1984年)

◆41位:ビデオドローム(1983年)

◆42位:バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)

◆43位:ゼイリブ(1988年)

◆44位:ゼロ・グラビティ(2013年)

◆45位:月世界旅行(1902年)
「月世界旅行(Le Voyage dans la Lune)」は1902年のフランス映画で、ローリング・ストーンは「この映画ほど影響力があり、先駆的な映画はないかもしれません」と語っています。「月世界旅行」は無声映画であり、著作権も切れていることから、音楽をリメイクしたバージョンをBilli Brass QuintetというYouTubeチャンネルが公開しています。

Le Voyage dans la Lune (1902) - Georges Méliès - (HQ) - Music by David Short - Billi Brass Quintet - YouTube


◆46位:ブラザー・フロム・アナザー・プラネット(1984年)

◆47位:LOOPER/ルーパー(2012年)

◆48位:マッドマックス2(1981年)

◆49位:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022)

◆50位:オデッセイ(2015年)

◆51位:スタートレックII カーンの逆襲(1982年)

◆52位:時計じかけのオレンジ(1971年)

◆53位:DUNE/デューン 砂の惑星(2021年)

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◆54位:宇宙戦争(2005年)

◆55位:Seconds(1966年)

◆56位:プライマー(2004年)

◆57位:月に囚われた男(2009年)

◆58位:ロボコップ(1987年)

◆59位:スキャナー・ダークリー(2006年)

◆60位:E.T.(1982年)

◆61位:12モンキーズ(1995年)

◆62位:コンタクト(1997年)

◆63位:アバター(2009年)

◆64位:インターステラー(2014年)

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◆65位:アナイアレイション-全滅領域-(2018年)

◆66位:リキッド・スカイ(1982年)

◆67位:ファンタスティック・プラネット(1973年)

◆68位:アンドロメダ…(1971年)

◆69位:華氏451(1966年)
「華氏四百五十一度――この温度で書物の紙は引火し、そして燃える」という書きだしで始まるレイ・ブラッドベリのSF小説「華氏451度」は、あらゆる文学が禁止された時代に、禁止されている書物を発見して焼くことを仕事とする昇火士(ファイアマン)の男性を主人公としています。この本をフランスのフランソワ・トリュフォー監督が映画化した「華氏451」は、主人公と共に戦う革命家の女性とのラブストーリーを追加し、ブラッドベリのビジョンを描き出しています。


◆70位:ニューヨーク1997(1981年)

◆71位:2300年未来への旅(1976年)

◆72位:GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995年)
士郎正宗によるマンガ「攻殻機動隊」を押井守監督が映画化した1作目。2017年にはハリウッドで「ゴースト・イン・ザ・シェル」としてリメイクされました。


◆73位:トータル・リコール(1990年)

◆74位:A.I.(2001年)

◆75位:グエムル-漢江の怪物-(2006年)

◆76位:ドニー・ダーコ(2001年)

◆77位:ハイ・ライフ(2018年)

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◆78位:NOPE/ノープ(2022年)

◆79位:ギャラクシー・クエスト(1999年)

◆80位:鉄男(1989)
塚本晋也監督による日本のサイバーパンク映画の決定版で、肉体を侵食する金属との戦いを描く作品。ローリング・ストーンは「特撮スタイルの映像と科学技術で人間の能力を向上させようというトランスヒューマニズム運動への恐怖を融合させた、純粋なエネルギーが爆発した作品」と評しています。

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◆81位:人類SOS! トリフィドの日(1963年)

◆82位:ストレンジ・デイズ(1995年)

◆83位:THX1138(1971年)

◆84位:パプリカ(2006年)
筒井康隆の小説「パプリカ」をもとにして今敏が手掛けたアニメ映画。患者の「夢」に入り込むようにして精神病を治療する夢探偵の「パプリカ」が、夢に入り込むテクノロジーを巡って追走劇を繰り広げるうちに、悪夢が現実に侵食するようにして世界がゆがんでいく様を目の当たりにします。小説の終盤で混乱するほどねじれていく展開が、奇抜な想像力とイメージで目を見張るような映像になっており、ローリング・ストーンは「この映画は、想像力が危険なほど暴走する、心への幻想的な旅です」と表現しました。


◆85位:サンシャイン2057(2007年)

◆86位:スタートレック IV: 故郷への航海(1986年)

◆87位:ブレードランナー 2049(2017年)

◆88位:スキャナーズ(1981年)

◆89位:世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す(1956年)

◆90位:クローバーフィールド(2008年)

◆91位:ダーク・スター(1974年)

◆92位:縮みゆく人間(1957年)

◆93位:スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017)

◆94位:アイアン・ジャイアント(1999年)
イングランドの児童文学を原作としたアニメーション映画。心優しい謎のロボットに出会った少年はロボットと仲良くなるが、次第にロボットの正体が明らかになっていくにつれて、少年とロボットは陰謀や戦争に巻き込まれていきます。


◆95位:サイレント・ランニング(1972年)

◆96位:アナザー・プラネット(2011年)

◆97位:ソイレント・グリーン(1973年)

◆98位:ローラーボール(1975年)
暗い雰囲気のディストピアSFが特に盛んだった1970年代半ばに作られた中でも、特に危うい雰囲気の作品。「ローラーボール」というホッケーに似た未来的なゲームをテーマにしつつ、当時から考えた2018年頃のアメリカの仕組みに焦点を当てています。


◆99位:プレデター(1987年)

◆100位:スターマン(1984年)

◆101位:ウエストワールド(1973年)

◆102位:宇宙水爆戦(1955)

◆103位:サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(1974年)

◆104位:月世界征服(1950年)
ロシアと宇宙開発競争を繰り広げていた時期のアメリカが、月に到達するためのチームを結成して宇宙探索をするストーリー。簡単なストーリーとコミカルなキャラクターによる少年向けのアドベンチャーという雰囲気ですが、この映画は、『本格的なSF』をスクリーンに持ち込むという、ハリウッドの初期の試みであり、宇宙ものに典型的だったエイリアンとの闘争などのスリルではなく、宇宙開発のための技術的問題や現実的課題に重点を置いています。


◆105位:アフター・ヤン(2021年)

◆106位:ジュラシック・パーク(1993年)

◆107位:地球爆破作戦(1970年)

◆108位:惑星アドベンチャー スペース・モンスター襲来!(1953年)

◆109位:バーバレラ(1968年)

◆110位:イグジステンズ(1999年)

◆111位:セレニティ(2005年)

◆112位:ガタカ(1997年)

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◆113位:デス・レース2000年(1975年)

◆114位:放射能X(1954年)

◆115位:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年)

◆116位:ヴァスト・オブ・ナイト(2019年)

◆117位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年)
マーベルのヒーロー映画には、科学的なスーパースーツやガンマ線の実験で生まれた怪物まで、SF的なガジェットが多数登場します。それでもローリング・ストーンは「MARVELのヒーロー映画を今回はSF映画とはカウントしない」と宣言しましたが、「マーベル・シネマティック・ユニバースの作品の中で、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、唯一の真っ直ぐなSF作品です」としてランクインさせています。


◆118位:原子怪獣現わる(1953年)
ゴジラが生まれるよりも前に、レイ・ブラッドベリの短編小説「霧笛」を原作に制作された特撮怪獣映画。映画史上初めて「核実験の影響を受けた怪獣」を登場させた作品とされています。巨大怪獣のイメージはゴジラを含む他の作品に大きな影響を与えており、1999年公開のローランド・エメリッヒ監督作品「GODZILLA」は、「当初は『原子怪獣現わる』のリメイクをしようとしていたものの、それではお金が出ないということで、ゴジラの名前を借りた」とプロデューサーが明かしています。

◆119位:タイム・マシン 80万年後の世界へ(1954年)
H・G・ウェルズの小説「タイム・マシン」を原作とした映画で、西暦80万2701年に時間旅行した科学者が、恐ろしいほどの階級社会を作り上げた新人類を目撃するという作品。ピンク色の肌やヒモ状の髪の毛などを持つイーロイという人種や、イーロイをエサとする怪物モーロックなどで、アカデミー特殊効果賞を受賞しています。


◆120位:ダークシティ(1998年)

◆121位:パイ(1998年)

◆122位:バンデットQ(1981年)

◆123位:フェイズIV 戦慄!昆虫パニック(1974年)

◆124位:アタック・ザ・ブロック(2011年)

◆125位:来るべき世界(1936年)

◆126位:ディーモン 悪魔の受精卵(1976年)

◆127位:ワールド・オン・ア・ワイヤー(1979年)

◆128位:タイム・アフター・タイム(1979年)

◆129位:わたしを離さないで(2010年)

◆130位:フィフス・エレメント(1997年)

◆131位:アド・アストラ(2019年)

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◆132位:2046(2004年)

◆133位:第9地区(2009年)

◆134位:BORN IN FLAMES(1983年)

◆135位:レポマン(1984)

◆136位:トロン(1982年)

◆137位:未来惑星ザルドス(1974年)

◆138位:ビルとテッドの大冒険(1989年)

◆139位:インデペンデンス・デイ(1996年)

◆140位:デューン/砂の惑星(1984年)

◆141位:26世紀青年(2006年)
原題は「Idiocracy」で、「Idiot(バカ)」「cracy(体制・政治)」を組み合わせた造語です。あらすじは「栄養がありそうというだけでスポーツドリンクを農作物にあげたり、お尻をアップにしただけの画面が続く映画が大人気だったりと、あまりにもアホしかいない世界で、コールドスリープにより500年後の未来で目覚めた軍人が唯一のインテリとして社会の復活を試みる」というもの。SFの未来世界といえばテクノロジーが発達した高度な世界が描かれることが多いものの、本作では知識レベルが衰退した世界を描きます。


◆142位:バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー(1984年)

◆143位:メン・イン・ブラック(1997年)

◆144位:銀河ヒッチハイク・ガイド(2005年)

◆145位:スター・ファイター(1984年)

◆146位:バトルランナー(1987年)

◆147位:スピーシーズ 種の起源(1995年)

◆148位:デモリッションマン(1993年)

◆149位:地球最後の男オメガマン(1971年)
国家間の細菌戦争でほとんどの人類が死に絶えた世界で、ほぼ唯一健康な状態で生き残ったネビルを主人公とした映画。ローリング・ストーンは「あまりにも予言的なパンデミックの悪夢であり、ロックダウン中に見ずにはいられなかった映画でした」とコメントしています。


◆150位:タンク・ガール(1995年)

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