2023.12.14
# 教養

18歳の時「15年後に天下取る」と彼女に…くりぃむしちゅー・上田晋也が駆け抜けた「赤面の日々」【インタビュー】

マネー現代編集部 プロフィール

芸歴32年、レギュラー番組は冠番組を含めて11本――。お笑い界の第一線で活躍し続ける、くりぃむしちゅーの上田晋也。最新著書『赤面 一生懸命だからこそ恥ずかしかった20代のこと』は、下積み時代の20代を振り返ったエッセイ集だ。かつては「破滅型の芸人に憧れていた」という上田だが、今や大物芸能人から若手タレントまで、誰との絡みも難なくこなす名MCとして、お茶の間で見ない日はない。バランス感覚抜群のベテラン芸人に至るまでには、どんな「恥ずかしいこと」を経験してきたのか?「20代で思い描いた青写真通りにいかなかった」芸人生活で見出した笑いの哲学、仕事のこだわり、心がけているモットー、そして相方有田哲平に「気付かされること」とは?

(取材・文/渥美志保)

写真・濱崎慎治

「大御所」と言われると…

――20代の頃の恥ずかしいエピソードが詰まったエッセイですが、どんな風に振り返りながら書きましたか?

上田:ほんとに恥ずかしいことばっかりですよ。やっぱり見えてないんで。まあ見えてないから、大志を抱いたり、大きな野望を抱いたりもできるんでしょうから、20代はそれでいいんですけどね。

ただ自分で思い返すと恥ずかしいですよ。無鉄砲だったり、女性に対しての振る舞いだったりとか、仕事での立ち回りとか。まあ真剣すぎたから周りが見えなくなっちゃって、っていうこともあるのかもしれないけど。まあ僕らは恥ずかしい方がネタになるから、そういう意味ではちょっと嬉しかったりもしますけど。

――53歳になった今、「恥ずかしいこと」とは?

上田:今は「親として恥ずかしい」っていうこともありますね。大したことじゃないのに、娘相手にちょっと声を荒らげちゃったり。もっと冷静に対処できた、娘の意見もちゃんと聞けばよかった、とかね。

あと、20代そこそこの若い人が話してること、ぜんぜんわかってないのに、いかにも「わかってますよ」的に振る舞ったりしてる自分を、後々思い出すと恥ずかしくなりますね。そういう根本的なところは、全然変わってませんね。

――でもこの年齢になると、自分は変わらなくても、周りが自分を見る目が変わってくるのでは? 上田さん、もはや大御所ですし。

上田:全然違うわ! 大御所なんて言われませんし、そんな気を使われることもないです。富士山で言えば、頂上の方にたけしさんとかさんまさんとかタモリさんとかがいらっしゃるとして、僕なんかは四国あたりにいて山の麓すら見えない、そんなもんです。

(番組の)本数やってる、冠持ってるなんてのは、大して評価の基準にならないっていうんですかね。芸人に限らず、評価っていうのは自分でするものじゃなく、周りがするものですから。仮に自分が「俺は結構一流芸人」と思ったところで、周りが認めていなければ、やっぱり二流、三流ってことで。一流芸人になれるように頑張ろうとは思ってますけどもね。

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