衝撃のラストに騒然…平成期の少女マンガ「かみちゃまかりん」が今でも新鮮すぎる!

第18回「かみちゃまかりん」

子どもの頃、どんな少女マンガを読んでいましたか? クラスの中では、なかよし・りぼん・ちゃお・花とゆめなど派閥が分かれていたり、応募者全員サービスのグッズが欲しくて切手を送ったり、夏の増刊号の怖い話特集がトラウマになったり…。

そんな「懐かしい〜〜!」と思わず身悶えしてしまうような記憶が再び!

現代ビジネス少女マンガ部では、平成期にマンガ誌「なかよし」に連載されていた懐かしの作品を毎週火曜日にリレー形式で紹介します。

無料試し読みもありますので、ぜひ当時のときめきを思い出してみてください。

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ふとしたことから「神さま」に

第18回で取り上げるのは、「なかよし2002年12月号」よりスタートした「かみちゃまかりん」。「デ・ジ・キャラット」で知られるコゲどんぼ(現在は改名してこげどんぼ*)さんの、なかよし初登場となる作品です。当初は前後編でしたが、大好評となり連載化されました。

「かみちゃまかりん」(講談社)

この号の表紙は「娘物語。」。「ぴちぴちピッチ」「東京ミュウミュウ」「新☆だぁ! だぁ! だぁ!」「ほっぺにチューボー!」「十二宮でつかまえて」「結婚しようよ」「うるきゅー」など、絶好調の人気作がずらりとラインナップに並んでいます。

資料/講談社資料室

「かみちゃまかりん」は、なかよし2002年12月号から2008年5月号まで連載。2007年にはアニメ化も果たしました。

あらすじを見てみましょう。

<花鈴は勉強も運動も苦手なフツーの女の子。大好きなペットのしーちゃんが死んでしまって悲しんでいるときに、不思議な男の子・和音くんと出会います。ある時、両親の形見の指輪がかがやき、花鈴に「神さま」みたいな力が…!>

 

「アイ アム ゴッド!!」

花園花鈴は中学1年生。幼いころに両親を亡くしており、伯母の元で育てられました。勉強も運動もあまり得意とは言えずいつも伯母に怒られる毎日…。ペットのしーちゃんを心の支えにしていましたが、そのしーちゃんも亡くなってしまいます。悲しみにくれる花鈴のもとに現れたのは、美少年の九条和音とその従兄妹を名乗る九条姫香。ふたりに出会ったことで花鈴の運命は大きく変わり始めます。

彼らが探していたのは「神さま」。なんと花鈴は母親の形見である指輪の力によって「神さま」になることができたのです(=神化)。神化するときのセリフは「アイ アム ゴッド!!」。同じく神化する和音と共に、指輪や神さまの力を狙う敵との戦いに身を投じることになります。

神化したふたりの美麗なビジュアルは神々しいのひとこと。けれども、口を開けば「男尊女卑男」「女のくせに乱暴者」とケンカが絶えません。互いのことを特別に思っていながらも、なかなか素直になれないふたりに読者はやきもきさせられました。

(c)コゲどんぼ/講談社

本作のキーパーソンとなる和音は、神化した際の能力は圧倒的に高いものの、長くはもたず神化後には倒れてしまうことも。それでも花鈴を守るために神化する健気な姿、また、虫が大きらいなどのギャップも支持されていました。物語終盤で明かされる彼の「秘密」には、多くの人が驚愕したのではないでしょうか。

くすりと笑えるドタバタコメディでありながら、あっと息を呑むシリアスなストーリー展開に心奪われる――発表から20年近くを経た今だからこそ読み返したい名作です。

(c)コゲどんぼ/講談社
次回は12月14日に更新です。お楽しみに!

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