まだまだある魔方陣のバリエーション
なんとなく魔方陣の作り方・考え方が見えたところで、基本形の魔方陣をアレンジしてみましょう。たとえば縦横1つずつ増やした場合、つまり4×4マスの魔方陣はあるのでしょうか。
前章の方法を活用して特徴を考えていくと、
(1)全部で16マス。1から16までの和は136
(2)1列あたりの数は136÷4=34
と、1列あたりの数が34になります。
ここからうまく成り立つように式を並べて……と簡単に見つけられるわけではないですが、実際に4×4の魔方陣は作ることができます。たとえば図のようなものです。
この魔方陣の場合、回転対称などで一致するものを同一と数えても、なんと880通りの配置があるのです。3×3のときは1種類だけでしたが、縦横1つずつ増えるだけでこれだけ配置のパターンが増えます。5×5マスの場合だとさらにもっと増えるため全種類を把握することは困難ですが、どんどんマスの数を多くすることが可能なのです。
積の魔方陣
ここではマスの数を増やしていくのではなく、同じマス目でもちょっとしたアレンジをしたいくつかの面白い魔方陣を紹介しましょう。
まずは3×3のマスでつくる、積の魔方陣です。
これは、縦・横・斜め、それぞれの列の数の積をとると、どの列も等しくなる、いわば積の魔方陣です。どの列の数の積も32768となるのです。
この魔方陣の作り方は非常にシンプルで、上記の数を指数表記することでその作り方が見えてくるはずです。
そう、前章で紹介した通常の魔方陣の数を利用して、2のN乗を並べただけなのです。
2のN乗 × 2のM乗 × 2のL乗 = 2の(N+M+L)乗
であるので、この答えになるのは自明です。和の魔方陣が作れてしまえば積の魔方陣も自動的につくることができるのです。また、今回は2のN乗で作りましたが、3のN乗や4のN乗などで魔方陣を作ることもできます。