子育てに正解はない。その一方で、教育の選択肢がかつてないほどに多様化し、子どもにとって最善の選択肢がなにか悩む親は多い。そこで、FRaUwebでは、さまざまな家庭を取材し、その多種多様な教育の選択に至るまでのプロセスや、決断の理由を詳しく伺う連載をおこなっている。
検索エンジンで“イケメン双子”と入れると、必ず表示される有名な双子がいる。母・ayakoさんが発信していたSNSで幼稚園児の頃から注目され、子ども服や知育グッズのモデルを務めてきたふたりは現在、中学1年生。別々の難関私立中学に通っている。中学受験についてもインスタで投稿していたため、15万人近いフォロワーは、ふたりの受験勉強や合格報告もSNSを通してリアルタイムで見守っていた。
ひとりでも大変な中学受験を、ふたり同時に進め、しかも難関校合格で締め括ったayakoさんに、今回は、双子の子育てや、中学受験の大変さなどの話を伺った。
人前に立つのも運動も好きじゃなかった
お揃いのトップスを着て顔を寄せ合う双子の写真。クールな表情で写る“イケメン双子”のインスタアカウントは瞬く間にフォロワーを増やし、5年前には既にフォロワー10万人を越えていた(@ayaya315)。
スタートから約10年間支持され続けているアカウントは、双子の母・ayakoさんのもの。27歳で一卵性双生児を出産し、退職して、専業主婦となった。手先が器用で、双子の入園に向けて幼稚園グッズを手作りしたことをきっかけにインスタグラムにアカウントを作成。幼稚園に持たせるお弁当の記録をはじめた。同時に育児記録として幼稚園児だった息子さんたちの写真も載せはじめると、その容姿に注目が集まり、モデルなどの仕事依頼も届くようになった。
そこから現在に至るまで、インスタのDMに芸能界からのスカウトが届くことも多いという。見せてもらうと、日本の大手事務所だけでなく、勢いがある韓国芸能界からの誘いもある。ただし、そんなDMのほとんどは未開封のままだ。
「一応、本人たちに確認するようにはしていますが、ダンスも演技もできないと言うし、私から見ても、ふたりは人前に出たがる性格ではないから、その道はないかなと思うんです。ただ、私がインスタにふたりの話を載せることや、今回のこの取材に関しても、おもしろがってくれてはいるので、興味は少しあるみたいです」
幼少期からそのスタンスは変わらず、本人たちに確認し、やる気になった依頼だけを受けつつ、地元の公立小学校に進学。
「小学生になって、地元のサッカークラブにふたり一緒に入部しました。でも、積極性がないからボールをすぐに譲っちゃうんですよね(笑)。年中の頃からスイミングも習っていましたが、性格的にもスポーツに向くタイプじゃないなぁと、なんとなく私は気がつきました。誰かと競争となったら、すぐに身を退くタイプなんです。
でも、親としては何かひとつのことに夢中になったり、頑張っている姿を見たいじゃないですか。それで、小学校に入って、学力考査の結果がふたりとも悪くなかったので、ああ、この子たちは人前に立ったりスポーツより勉強系のほうが比較的向いているのかなぁと感じてました。
塾に通わせ始めたのは小学3年生の2月からですし、それまでは特に知育に励んだわけではないんです。両家共にプレゼントと言えば毎回図書カードをくれる祖父母で、本の読み聞かせをしていたくらい。特に私の母は教員なんですが、私自身も食事代を節約してでも本だけは買ってあげるといった育児方針で育てられたんです。それでも私はあまり本を読んでこなかったので少し後悔しているところがあります。
夫は数学に強いほうが何かと便利だからと、子どもたちが幼稚園の頃、一緒にお風呂に入ると足し算や引き算の暗算問題を出していたそうです。そのおかげなのか、ふたりは小学校にあがる頃には二桁の計算まで出来ていました。でも、やっていたことはそれぐらいなんですよね。中学受験についても話し合ったこともなくて……」