今日の名言 横山やすし「負けてたまるかいな」
読めば心が熱くなる「当たり前や。
負けてたまるかいな」
横山やすし(よこやまやすし/漫才師) 1944年~1996年
1月21日は横山の祥月命日である。
時計を鍋に放り込んだ
横山ほど破天荒に生き、まわりを振り回した芸人も珍しい。
飲み会で、ディレクターが時計を見て「そろそろ」と帰ろうとした途端、「こんな安もんの時計してるから、帰りたなるんや!」と煮立った鍋に時計を投げ入れた伝説もある。
こんな調子だから、テレビの出演依頼はみるみる減っていく。
当時マネージャーだった大谷由里子も怒鳴られどおしだったが、このままでは横山がダメになると、クビになるのも覚悟で直言した。
「横山さんの仕事が減って悔しいですよ。一緒に頑張りましょうよ」
逆上するかと思いきや、「当たり前や」と素直に返してくれた。
「横山さんのわがままは寂しさの裏返しなんです。
孤独を知っていたからこそ、本気でぶつかってきた人には彼なりの優しさで接してくれたのでしょう」
本気でぶつかり合った仲だからこそ、理解し合えることもある。
〈前書きより〉
本書は、『週刊現代』に掲載された多くの方々のインタビューや特集記事から、印象的な言葉を選りすぐった、日めくりの名言集です。
名言といっても、古典的な格言集に出てくるような大仰な言葉ばかりではありません。なかには「ボケ、ヘタクソ」「黙って食え」など、いったいどこが名言なんだと戸惑われるような言葉もふくまれています。
しかし、それらの言葉は誰かが発したものです。それも芸能や芸術、スポーツ、政治や経済の世界で誰もが目を見張るような活躍をした人たちの言葉です。
それらの言葉の向こう側には、人生があります。
そして、努力や成功、喜びや悲しみ、悔しさ、愛情、無常感といった人生を構成する大切なものが渦巻いている。
どんな言葉も、それ自体ではたいした意味は持ちません。言葉を発した人の経験と生き様があって初めて輝くのです。
この本をめくれば、たくさんの人々の生き様のエッセンスを「つまみ食い」することができます。
一日にひとり、ひとこと――365日、つまみ食いを続けたあかつきには、きっとあなたの人生が美しく素敵な色合いに変わっていることでしょう。