いすゞ・ビークロス (1997年~) 名車?迷車?特集 -ちょっと懐かしい迷車たち9話

生産:1997 ~1999年

第9話 いすゞ・ビークロス (1997年~)

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これまた「市販ショーカー」的なモデル。1993年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカーのヴィークロス(ビークロスではなく)が好評を博したため、97年に市販化された。ただしヴィークロスのベースがジェミニの4WDだったのに対して、市販モデルは本格派クロカン4WDであるビッグホーンのセパレートフレームを持つシャシーを流用。ボディーサイズもエンジンも大きくなっていた。

コンセプトカーの未来的なエクステリアデザインは、後に日産に移籍し現在は同社で役員を務める中村史郎氏のもと、現在はGMに在籍するサイモン・コックス氏が手がけた。市販モデルの開発にあたっては、かつて117クーペや初代ピアッツァの量産化で培った高度な生産技術が生かされたとみえ、オリジナルデザインを損なうことなく仕上がっている。

当初のコンセプトは「悪路も走破可能な全天候型スポーツカー」だったが、量産モデルはSUVとスペシャルティーカーのクロスオーバー的な、例えるなら今日のレンジローバー イヴォークのようなモデルの先駆けだった。プレミアム感を大切にしていたため、いすゞの作とはいえディーゼルエンジンの設定はなくガソリンの3.2リッターV6のみ。ボディーカラーは初期こそ5色だったが、後には25色も用意された。受注生産に近い形で造られ、約2年間の国内販売台数は2000台弱にとどまるが、今も熱烈な愛好家が少なからず存在する。