“選択”が快適ドライブの鍵!東名高速道路と中央自動車道を結ぶ4つの高速道路

東名高速道路(以下 東名)と中央自動車道(以下 中央道)は、ともに長い間日本の交通を支えてきた主要路線です。

どちらも首都圏と中京圏の間を結び、東名の起点“東京IC”と中央道の起点“高井戸IC“は東京の環八通りで約7キロの距離で、東名の終点と中央道の終点である”小牧JCT“で両方の高速道路が接続するなど、経由するルートは違うけれど関係性の深い高速道路であることはたしかです。

そんな東名と中央道は、途中地点どうしを接続する高速道路がいくつか存在します。正直、東名や中央道に比べると交通量は少なく、あまり重要性を感じないかもしれませんが、実はこれらの高速道路を上手に利用することが、快適なドライブ実現には重要です。

今回は、東名と中央道を結ぶ高速道路を上手に利用するポイントやメリットを路線別で紹介していきます。ぜひ、ご利用の際のご参考にしていただければと思います。

東名と中央道を結ぶ高速道路の概要

東名と中央道を結ぶ高速道路は、2000年以降、特に2010年代から急激に発展してきました。以前は、途中地点で結ばれている高速道路は皆無でしたが、現在では4つの路線が東名と中央道の間を結んでいます。

山梨県出身、東京都八王子市在住の私が名古屋方面に行くとした場合、以前は中央道一択でしたが、今は中央道から東名まで結ばれている幾つかの高速道路を利用することにより、東名を利用するという選択肢が増えました。

東名と中央道を結ぶ高速道路は、東名ユーザー、中央道ユーザーそれぞれに利用価値の高いものになりますので、ポイントを押さえて上手に利用していただければと思います!

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)

まずは、都心から40~60キロの範囲を環状線で結ぶ、首都圏中央連絡自動車道(以下 圏央道)です。圏央道は、起点から走行して初めての東名と中央道を結ぶ高速道路となります。

東名・中央道は、圏央道より都心部で国土交通省が発表している区間別渋滞ランキングにおいて毎年上位にランクインする交通量の多い地域です。さらに東名や中央道の起点と接続している首都高3号線や4号線の渋滞も起こりやすいので、少しでもスムーズに走行するためには渋滞対策が必須です。

東名・中央道の渋滞情報をあらかじめ調べると、「圏央道」を利用したルートが候補にあがってきます。たとえば、目的地が東京駅で、現在静岡県の足柄SAにいる場合、走行していた東名の上り線は、渋滞があまりにも激しく、一方の中央道は東名ほど渋滞がひどくないという状況であれば、東名から圏央道を経由し、中央道から東京駅を目指した方がスムーズに走れるということです。

また、東名・中央道ともに毎年リニューアル工事を実施する期間があり、期間中の都心部は大渋滞が発生しやすいため、圏央道を利用したルート迂回が効果的です。

さらに、たとえば神奈川県横浜市から東京都八王子市へ向かう際、通常は一般道の国道16号線を利用しますが、実は東名~圏央道~中央道を利用した方がスムーズに走れることが多いです。また首都圏の東名沿道~中央道沿道を移動する際にも圏央道を利用すると場合によっては便利なんです。

圏央道は、東名・中央道以外にも関越自動車道・東北自動車道・常磐自動車道など、首都圏起点の各高速道路にも接続しています。そのため、北側の各地域への移動へは東名や中央道を使うよりも便利な路線です。圏央道を上手に利用できるかどうかで、自身の行動範囲が大幅に変わるので、まずは圏央道のルート確認からはじめてみるのがおすすめです。

中央道 富士吉田線・東富士五湖道路

東名と中央道を結ぶ高速道路のなかでも歴史があり、昔から開通していたのが「中央道 富士吉田線」とその先の「東富士五湖道路」です。これまでは、東名の“御殿場IC”から11キロほど離れた“須走IC”までしか高速道路がつながっておらず、利用しづらさは否めませんでしたが、2022年4月に自動車専用道路となる須走道路と御殿場バイパスが開通したことにより御殿場ICの付近まで接続され、利用しやすくなりました。

中央道 富士吉田線・東富士五湖道路より、都心部側で渋滞が激しいことで有名な区間では、東名であれば「都夫良野トンネル」付近、中央道なら「小仏トンネル」付近で慢性的な渋滞が主に土日祝日に発生します。

両トンネル付近は山間部で、台風被害等による通行止めもたびたび発生する地域であり、中央道支線・東富士五湖道路はその際の迂回ルートとしても活用できます。

実際、2019年10月には台風19号の影響により、小仏トンネルが約2週間にわたり通行止めとなりました。私自身、通行止め期間中に八王子~山梨へ移動した際には、東名から中央道 富士吉田線・東富士五湖道路を利用し、中央道に入るルートを選びました。

また、上記の地域は富士山や伊豆半島をはじめとした日本有数の観光スポットが多く存在します。中央道 富士吉田線・東富士五湖道路を上手に利用することで、スムーズに回ることができるため、より多くの観光地を訪れることができるのです。

中部横断自動車道南側部分(中部横断道)

東名と中央道には、静岡県と山梨県を結ぶ高速道路が2ヶ所あり、そのもう1つが昨年8月に全線開通した、中部横断自動車道南側部分(以下 中部横断道南側)です。中部横断道南側は静岡県の“新清水JCT”~“山梨県の双葉JCT”を結ぶ高速道路です。

首都圏から100キロ以上離れた高速道路で、首都圏の方の迂回ルートとしては利用機会が少ないように思われますが、それでも突然の大渋滞や通行止めの際には選択肢として持っておきたい高速道路です。

実際、中部横断道南側の開通により静岡県から山梨県、さらにその先の長野県や新潟県、富山県、石川県などの北陸地方までアクセスが容易になり、中部地方の太平洋側と日本海側をダイレクトに結ぶ、新たなルートにもなっています。

中部横断道南側の起点は、新東名高速道路(以下 新東名)と接続していることも大ききなポイントで、さらにその先の連絡線により東名とも接続しているため、中部地方の方々だけでなく首都圏や中京圏の方にとっても、行動範囲が広がる高速道路です。

東海環状自動車道(東海環状道)

  • 写真AC

中京圏において、首都圏の圏央道のような役割をもつ東海環状自動車道(以下 東海環状道)も、東名と中央道に接続している高速道路です。

東海環状道の開通により、中京圏から首都圏へ向かう際の東名・新東名・中央道を利用する選択幅が大きく広がりました。中京圏でも、首都圏ほどではないものの時期や時間帯によっては渋滞が発生するため、その際の迂回ルートとして活用できる高速道路です。

さらに、東海環状道の起点となる“豊田東JCT“の付近は、伊勢湾岸自動車道(以下 伊勢湾岸道)の起点にもなっており、中京圏より西側の関西圏や三重県などからの利用ネットワークがあるのもポイントです。

また、東名方面から中央道沿道の岐阜県中津川市や恵那市などの東濃地方へのアクセスにも便利な高速道路で、首都圏から中京圏郊外の都市への移動にも利用できるなど、実に幅広く利用ポイントのある高速道路になっています。

東名と中央道の関係性は深いことを理解しよう

一昔前は東名から中央道、あるいは中央道から東名を利用するということはなかなか難しく、それが途中地点であればあるほど、接続する高速道路もなくお互いの距離が長くなるため、考えられませんでした。

しかし、ここ数年の急激な高速道路ネットワークの発達により、東名・中央道のお互いを利用するメリットがかなり増えてきたのです。単純に東名・中央道それぞれの沿道だけでなく、その先の各地域へのアクセスが格段によくなり、行動範囲が広がったことも大きなメリットだといえます。

もちろん、これまでの東名・中央道ユーザーにもメリットは多く、中央道ユーザーの私も東名に接続する高速道路をうまく利用しながら各地域へ赴き、急なトラブルによる大渋滞や通行止めの際には、即座に予定していたルートを変更し、迂回ルートとして利用しています。

渋滞が続くとドライバーだけでなく搭乗者の疲労感もおのずとたまってしまいます。せっかくのお出かけで目的地に着いたのに疲れてしまっている…を軽減するためにもぜひ、東名と中央道を接続する高速道路を上手に利用して、高速道路を使った快適なドライブや旅行を楽しまれてはいかがでしょうか。

のっぴードライブログ

(テキスト/写真:のっぴー、編集:GAZOO編集部)