生息地・生息環境
クアッカワラビーはオーストラリア西部の一部地域、ロットネスト島とボールド島に分布します。本種は年間降水量が1,000mm以上でアゴニスの植生が密集する湿地に生息し、淡水が近くにある場所に生息します。
分布形式 | 規模 | 状態 | 場所 |
自然分布 | 国 | 現存 | オーストラリア連邦 |
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特徴
クアッカワラビーは体長40㎝から90㎝ほど、体重は雄は2.7kgから4.2kgほど、雌は1.6kgから3.5kgほどになる夜行性の有袋類です。小さなコロニーを形成し、1匹から20匹の家族単位で生活します。ロットネスト島では150匹ほどまでの大きさの群れを形成します。クアッカワラビーは家族単位で生活をしますが、社会性があるわけではありません。雄は体の体長、体重と相関して群れの中での社会的な支配力が決定されます。雌同士はお互いを無視します。
クアッカワラビーは気候の暑い日には、湿地の植生の中に移動して熱から逃げます。乾季には水場を求めて生活圏を拡大します。
クアッカワラビーの天敵はアカキツネ、ネコ、ディンゴなどがいます。
食べもの、栄養
クアッカワラビーの食性は草食性で、多肉植物、低木、広葉草本、草、スゲなどの植物を食べます。他に種子、ベリー類、他の果実も食べます。彼らは食べ物を得るために木を1.5mほどまで登ることもあります。
生殖・繁殖・増殖
クアッカワラビーは、雄は生後389日で性成熟に達し、雌は生後252日で性成熟に達します。本種は多夫多妻制を取ります。
クアッカワラビーが繁殖期のピークを迎えるのは、気候が涼しくなる1月から3月です。繁殖相手の決定権は通常は雌にあります。雌は雄に興味がない場合は、雄の近くから走り去っていきます。雌は雄を繁殖相手とみなす場合には、走り去らずに雄のところを往復して雄のそばに寄り、雄を毛繕いして、相手にも繁殖の意思を伝えます。雄雌のペアができると、2つの繁殖季節の期間を一緒に過ごします。通常、雄には1匹から5匹の繁殖相手の雌がいて、雌には1匹から3匹の繁殖相手の雄がいます。
クアッカワラビーの雄は、交尾後、より社会的階層の低い雄を攻撃して繁殖相手の雌を守ります。雄が雌を守るために他の雄を攻撃する行動は、交尾後にのみ認められます。交尾に成功すると、雌はおよそ27日の妊娠期間を経て1匹の子どもを産みます。クアッカワラビーの子どもは育児嚢の中で育てられます。子どもは育児嚢から出て独立するまでに、産まれてから6ヶ月間ほどかかります。子どもは生後8ヶ月ほどで完全に離乳します。