プロで生き延びる術になった50年の“習慣” 野球人生切り開いた担任教師の一言

近鉄時代の森脇浩司氏(左は西本幸雄監督)【写真:本人提供】
近鉄時代の森脇浩司氏(左は西本幸雄監督)【写真:本人提供】

森脇浩司氏が毎日書く日記「改めていいものだと…」

 現役時代は近鉄、広島、南海・ダイエーの3球団。指導者としてはダイエー・ソフトバンク、巨人、オリックス、中日、ロッテの5球団。まさに経験豊富な野球評論家の森脇浩司氏は兵庫・社高1年の時から、日記を1日も欠かさず書いている。「もうやがて50年が過ぎようとしているわけですけど、新たにチャレンジするものにつながったりとか、改めていいものだと思っています」。この習慣が野球にも大きく役立ったという。

 それは社高校への入学式の日に担任教師に勧められたのが、きっかけだった。「陸上部の先生だったんですが、今日から日記をつけてみたらと言われたんです。社ではスポーツクラブに入っている人の多くが寮生活。寮の食事にはその当時から1日何カロリーとかが書いてあった。先生は『日記の書き方は自由だけど、例えば今日は何カロリー摂取したとか書き込んだりしてみたらどうだろう。決して強制ではないけど』って」。

 これを聞いて森脇氏は「僕はとりあえずやってみようと思いました」という。「何カロリー摂取と書く中で、体調はどうだったとか、自分はこういう考えでトレーニングしたとか、監督や先輩からこんなアドバイスをもらった。それに対して自分はどう感じたか……」。1年続いたので、2年目もやろう。2年間やったから3年間は続けてみよう。そんな感じでスタートし、プロに入ってからも継続した。気がつけば、習慣になり、なくてはならないものにまでなった。

「ずっと野球をやっていますから、野球日記に近いような感じにはなりますよね。プロに入ったら、これはもっと大事なことだと思いましたよ。高校の時以上に、先輩、コーチ、監督からアドバイスがあるし、毎日が勝負ですからね。シーズンに入れば相手ピッチャーの特徴など、いろんなことを書き残しました」。現役の時もそうだし、指導者になってからもそう。たかが日記ではなく、それは積み重なって自身の大きな財産になったという。

「書くことは無駄ではないと思います」

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