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TOPコラムオフィス移転の流れとは?必要な手続きやよくあるミスを解説

<TOPICS>はじめての移転業務でも大丈夫!基本から応用までわかりやすく説明

オフィス移転の流れとは?必要な手続きやよくあるミスを解説


「オフィス移転」と一口にいっても、業者選定から各種手続きまで必要な作業が多く、何から手をつけていいかわからなくなってしまいがちです。特にオフィス移転の経験がないとミスやロスが起こりやすく、必要な作業をすっ飛ばしていたなんてことも…。今回は、オフィス移転の基本からスムーズに作業を進めるためのコツまで、わかりやすく解説していきます。

オフィス移転の流れ

オフィス移転は、「1.移転先決定まで」「2.引越し完了まで」「3.移転完了まで」の大きな3つの流れにわけることができます。ここでは、3つの段階を整理しながら必要な手続きや動きを説明していきます。

1.移転先決定までの流れ

①オフィス移転の目的を明確にして社員に共有する

オフィスの移転にあたってまず最初に取り組むべきことは、「何のために移転をするのか」という目的を明確にすることです。ただ何となく古くなったから、上司から指示を受けたから、というだけだと、移転先の選定を行う際に指標がなく、余計な時間がかかってしまいます。また、方向性を固めずに進行した場合、従業員の協力が得られないばかりか、何にお金をかけるのかの優先順位も決めることができません。オフィス移転の目的は、下記の手順に沿って丁寧に行っていくのがおすすめです。

【オフィス移転の目的・決定フロー】

❶現オフィスの課題を洗い出す
(例)アクセスが悪い、会議室の数が足りない、休憩スペースが少ないなど

❷現オフィスの反省を踏まえ、新オフィスに求めるものを書き出す
(例)アクセスの良さ、会議室の確保、リラックススペースの拡充など

❸新オフィスにおいて何を重要視するか目的を決定する
(例)会話が捗るオフィス、社員のモチベーションが高まるオフィス、知的生産性がアップするオフィスなど

上記のフローは部門横断的に幅広い年代・職種から人員を集めて、ワークショップやブレストを行いながら話し合うことをおすすめします。


②オフィス移転の業者を選定する

新オフィスの方向性が決まったら今度はオフィス移転の業者を選定していきましょう。オフィス移転は検討開始から移転完了まで、一般的には半年から1年ほど時間がかかるため、早めの動き出しが肝心です。移転業者を複数検討するためにまずは「オフィス要件」を整理していきましょう。

【確認すべきオフィスの要件】

要件が整理できたら次に業者を選定していきましょう。

【オフィス移転業者・選定フロー】

❶すでに付き合いのある業者やネットを駆使し業者の候補を3~5社ほどリストアップする

❷リストアップした中から依頼範囲や体制、事例、コンセプトなどを見比べて数社に絞る

❸候補の業者にコンタクトをとり、見積依頼やコンペを行い1社に決定する

特にコンペの際は費用だけではなく、きちんと自社の改善点を反映させたコンセプトやデザインなのか、アフターフォローがしっかりしているかを軸に選定することをおすすめします。

③移転業者と新オフィスを選定する

移転業者が決定したら彼らと一緒に新オフィスを選定していきましょう。

【新オフィス・選定フロー】

❶移転先の条件を洗い出す
(例)オフィスの賃料、立地、面積、各種設備など

❷移転先の物件探しを行う
このとき下記の条件を意識して決定するとスムーズに選定しやすくなります。

・取引先や社員の自宅からのアクセス
・最寄り駅からのアクセス
・周囲の環境(飲食店、商業施設、銀行、役所など)
・賃料・保証金などのコスト
・電話回線の数や空調などの設備充実度

❸いくつかの物件に絞り比較を行い決定する

2.新オフィスレイアウト決定までの流れ

新オフィスレイアウト決定までに必要な流れは以下のリストの通りです。順を追って説明していきます。

①現オフィスの解約通知を行う

解約通知というのはその名の通り、現オフィスを退去する連絡を建物のオーナーに通知することです。この時、普通借家契約なのか定期借家契約なのかで手順が変わるので注意しましょう。

【普通借家契約の場合】
→1年前から半年前までの間に解約通知を行う。半年以内の解約は別途解約料が発生するケースもあるため、現オフィスの契約条件をよく確認しましょう。

【定期借家契約の場合】
→基本的にオーナーと入居時に決定した期間の満了をもって契約が終了しますが、途中解約の場合は別途オーナーから合意をもらう必要があるため注意しましょう。

②現オフィスの原状回復工事を計画する

原状回復工事とは、現オフィスを借りる前の状態に戻すことを意味します。壁や天井、床などさまざまな範囲がありますが、どこまでの原状回復が必要かは契約内容によって異なるため、オーナーに確認しましょう。実際に工事を行うのは移転完了後となり、決められた解約日までに工事を完了させる、という流れになります。

③新オフィスのレイアウトを決定する

次に実際のオフィスレイアウトを考えていきます。この時、オフィス移転業者の提案をさらにブラッシュアップしていき、各部屋の配置を決定していきましょう。ここでは、ゾーニング計画、というオフィスのスペースを大まかに区分けし位置関係を決めていく作業を行うのですが、動線などを含め初心者が一から勉強するには難しいため、プロの目線をいれることをおすすめします!特にLAN設備や書類の収納計画も忘れないように意識しましょう。


④レイアウトに応じて必要になる家具・機器を発注する

レイアウトが決定したら必要となる家具やOA機器を発注していきます。OA機器とは、オフィスオートメーション(Office Automation)機器の略で、一般的にはパソコンや電話、複合機やシュレッダーなどを指します。家具に関しては現オフィスで使っているものを持っていくことも可能です。コストを抑えられる反面、新オフィスのコンセプトに沿っていないと台無しになってしまうため、コスト・コンセプト合致度の両面から、移転後にも使うものと使わないものの仕分けを行いましょう。OA機器に関してはレンタルやリースなどが一般的です。リースに当たっては審査が必要となるため、こちらの業者の選定もあわせて行っていきましょう。

3.移転完了までの流れ

移転完了までに必要な流れは以下のリストの通りです。順を追って説明していきます。

①引越し業者の手配を行う

新オフィスへの引越しのために引越し業者の手配を行いましょう。コストを抑えるために、ここでも相見積もりを行うことがおすすめですが、ここで忘れがちなのが不用品回収業者です。引越しにあたり廃棄物や不用品が多く出るため、忘れないように確認しておきましょう。


②社内外にオフィス移転の連絡を行う

この時にはオフィスの移転時期も明確に決まっているため、社内外にオフィス移転の旨を連絡します。取引先はもちろん、金融機関や加入団体、サービスや機器を利用している会社への連絡を忘れがちなので注意しましょう。特に取引先への連絡のために社員が使用できるようなメールや案内状のテンプレートがあると、スムーズに連絡をすることができます。

③引越し前に必要な各種届出を提出する

自宅での引越しと同じく、会社の引越しの際には各種手続きが必要になります。引越し直前に終わらせようとすると焦ってしまうため、必要な手続きと書類を把握しておきましょう。

【引越し前に必要な手続きの種類】
・ライフライン関係(電気・ガス・水道・ネット回線・電話回線)
・消防署関係(防火対象物使用開始届出書・防火対象物工事等計画届出書)
・郵便局関係(住所変更・転送届)

④施主として移転先の検査を行う

オフィスに入居する前に、工事の仕上がりを確認しましょう。図面通りに工事がきちんと行われているか、設置された家具や機器に汚れや破損がないかも入念にチェックしましょう。後になってから直すというのは難しいので、ここでしっかり不具合をつぶして後々大きな損害がでないように気を付けましょう。

⑤社内に周知し引越し・移転を行う

引越しには社員の協力が必要不可欠なため、期間や作業内容を事前に連絡しておきましょう。社員を役割ごとに分担し、動かすもの、廃棄するものなどリスト化しマニュアルを作成するのがおすすめです。

【引越しマニュアルの記載例】
・引越しまでのスケジュール
・役割分担するリスト(業者依頼との区別もしっかり行う)
・移転物品リスト
・廃棄物リスト
・段ボールの梱包方法/在庫置き場


⑥引越し後に必要な各種届出を提出する

届出が多く大変ですが、引越しした後にも各種届が必要です。忘れずに提出しましょう!

【引越し後に必要な手続きの種類】
・法務局関連(移転登記)
・税務署関連(異動届出書/給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書)
・年金事務所関連(健康保険・厚生年金保険適用事務所名称/所在地変更(訂正)届)
・公共職業安定所関連(雇用保険事業主事業所各種変更届)
・警察署関連(車庫証明)

⑦現オフィスの原状回復工事を完了させて引き渡す

オフィスの移転が完了したら、元のオフィスの原状回復工事を行います。解約日前に完了させられるよう、しっかりとスケジュール管理を行うのが大切です。この時、撤去やクリーニングし忘れがあるとトラブルになってしまうので、指定通りに原状回復されているか必ず確認しましょう。

オフィス移転でよくあるミスと対策

次に、オフィス移転時に失敗しがちなよくあるミスとその対策方法についてご紹介します。

よくある失敗①「新オフィスのレイアウトに夢中で引越し作業を忘れていた…」

対策:新オフィスと現オフィスは表裏一体!どちらかのみにならないように気を付けよう!

新オフィスへの夢が膨らむばかりに起こりがちなミス。引越しは社員の協力が必要不可欠な作業のため、忘れないように意識しましょう…!

よくある失敗②「仮移転先を忘れていて、事務所の営業が止まってしまった…」

対策:仮移転先をつくって営業を継続できるようなスケジューリングが必要!

仮移転先の手配を忘れており事務所の営業が止まってしまった…なんてことも。仮移転先をしっかり手配して事務所の営業が止まることのないようにスケジュール管理を行うのが重要です。

よくある失敗③「せっかく選んだ家具がエレベーターに入らない…」

対策:自分たちで家具を選定する時に起こりがちなミス!プロの手を借りてみよう!

安く済ませるために自分たちで家具を選定した際に起こりがちなミス…。設置できなければ意味がなくなってしまうので自分たちでの計測や搬入の動線確保が難しい場合、プロの手を借りるのも手です。

TOPPANの空間演出ブランドexpaceでは、こうした失敗を起こさないためにプロ目線で移転の計画をご提案いたします!お気軽にご相談ください!

オフィスの移転事例紹介

次に実際のオフィス移転事例について紹介していきます。

株式会社エー・アール・シー オフィス移転

オフィスの移転事例です。「人と人のつながりを持てる温かいオフィス」をコンセプトに、シームレスにオフィス内を見渡すことのできる空間を目指しました。

温かみのある素材をベースに、コーポレートカラーのオレンジと植栽のグリーンを差し色にすることで、働きやすさや居心地のよさを追求。スケルトン天井にすることで、開放感のある広々とした空間を演出しました。

床をシームレスにつないだデザインを採用し、カフェエリアと執務エリアの境界線を曖昧にすることで、カフェエリアもフリーアドレス席として利用できるよう工夫しています。

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さいごに

今回は、オフィス移転の基本から失敗しないためのコツをご紹介しました。
TOPPANではオフィスの改修・リニューアルはもちろんのこと、オフィスレイアウトに関するご相談も承っております。検討中の方はぜひ、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください!

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