2023.07.15

運転免許証番号12桁で持ち主の何がわかる? 「11桁目の数」の意外な役割

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16歳以上の、実に7割以上が保有している運転免許証。たとえペーパードライバーだとしても日常の本人確認書類として非常に利便性が高い。
 
そんな運転免許証には当然、重要な個人情報が詰まっている。氏名や住所はもちろんのこと、中には一読して意味を把握できない数列なども併記されている。それらが自分にとってどのような意味を持つ数字なのか、気になっている人もいるだろう。
 
本記事では運転免許証の数字に関する細かい雑学をいくつか紹介したい。

「12桁」にひそむ謎

運転免許証に記載されている、不可解な数列には二種類ある。一つは交付年月日の右に書かれている5桁の数列、もう一つは下部に書かれている12桁の数列である。

前者の数列は各都道府県の公安委員会の内部照会用の番号である。それ以上の意味合いを持たない、比較的単純な数列であると言えるだろう。しかし後者の、12桁の数列については様々な意味が混在している。

冒頭の2桁は、最初に免許の交付を受けた都道府県の地域コードだ(最小値は北海道本部の10、最大値は沖縄県の97)。次の2桁には免許を取得した年の西暦の下2桁が続いている。
 
問題は次だ。残念ながら私たちには5桁目から10桁目までの数字の意味を理解することができない。ここに書かれている数字は公安委員会による独自の管理番号であり、数字の規則も都道府県ごとに異なっているという。
 
余談になるが、5、6桁目の数字で学科試験の点数がわかるという都市伝説は、真実ではない。以前に弊メディアでも触れているのでそちらの記事を参照してほしい。(参考:運転免許証で学科試験の点数がバレる? 意外と知らない免許証の見方

「モジュラス11 ウェイト2~7」?

さて、11桁目の数字はチェックディジット(検算数字)である。ここまでの10桁の数字が正確かどうかを確認するための数字であり、同様の仕組みはクレジットカードやバーコードなど、様々な数列で利用されている。

チェックディジットにはいくつかの計算方法が存在するが、運転免許証には「モジュラス11 ウェイト2~7」というものが用いられている。以下の手順を踏めば自分でチェックディジットを算出し、運転免許証と照らし合わせることが可能だ。

1.冒頭10桁の数列の末尾から、それぞれの数字に2、3、4(これらをウェイトと呼ぶ)……を掛けていく。7を超えた場合、ウェイトを再び2に戻して順々に掛ける(運転免許証の場合、1桁目の数字に5を掛けるのが正しい)。

2. 1.で算出された数値を合計して11で割り、その余りを求める。

3.余った数字を11から引くと、チェックディジットが算出される(余りが1か0の場合、チェックディジットはどちらも0となる)。
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文=松尾優人 編集=石井節子

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