祝福式に潜入取材 日本人男女8組の結婚観を聞いてみた レポート記事②

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日刊SPA!のWebサイトに2月20日に行われた韓国での祝福式の様子が掲載されていました。

記者が現地に行きレポートしたものです。ご覧下さい。

             

合同結婚式で有名な旧統一教会、現在の家庭連合だ。

ド派手なセレモニーは報道されてきたものの、そこに参加している人たち一人ひとりの素顔はこれまで謎のままだった。

今回、2月20日に韓国で開催された国際合同結婚式に参加した日本人同士の新婚カップルにインタビューすることができたので、その独特な結婚観・家庭観を紹介したい。

 

「親の紹介ならどんな人でもいい? 出会いはみんな『紹介』だった」

~I・Tさん(男性)22歳、I・Mさん(女性)23歳~

I・Tさん(男性)22歳、I・Mさん(女性)23歳

――二人の出会いは?

男性:親の紹介です。子を持つ家庭連合の親同士が集まる集会で、「息子に合う相手を」と探していたようです。そこで彼女を見つけ、信頼している親が言うならということで会いました。

女性:結婚は18歳くらいから意識していました。両親から彼の写真とプロフィールをもらい、将来どうしたいかの項目を見てこの人だと思いました。

――二人は親が家庭連合の信仰を持つ二世ですよね?ずっと教会には通っていたのですか?

男性:教会に真面目に通い出したのは大学からです。小学校・中学校くらいまでは部活中心の生活で、日曜日に教会に行くことは少なかった。兄がいるのですが、何年間も関係が難しくて話をしなかった兄が、家庭連合の教会に通うようになって話すようになった。その変化に興味を持って、自分も通うようになりました。

――マスコミで合同結婚式が報じられると、異様だとか気持ち悪いという声が出ますが?

女性:昔から見ているのでこんなものだと思っています。

――統一教会時代からカルトだとか言われていたことに対しては?

男性:親をずっと見ていてケンカをしても愛し合っていて仲睦まじいので、間違っていると思ったことはありません。ネットには誤解やデマがたくさん書かれていますが、どんな人が書いたのかも分からない、本当かどうかも分からないのに信じる人がいるというのはもったいないことだと思います。

 

「24歳とか25歳で結婚は遅いのでは?」

~K・S(男性)24歳、O・Yさん(女性)25歳~

K・S(男性)24歳、O・Yさん(女性)25歳

――決め手は?

男性:出会いは親の紹介です。12月に(結婚相手として)決定する前提で初めて会いました。まじめな方だと感じたことが理由です。信仰感がズレると難しいと思うのでそれを確かめました。親を尊敬しているところが良かったです。自分もそうなので。

女性:私も親を尊敬していたので。親が紹介してくれるなら、どんな人でもいいと思っていました。お互いに親を尊敬しているので、その根本があれば乗り越えていけると思います。

――24歳と25歳で結婚、早くないですか?

男性:すぐに生活をスタートする訳ではありませんし、相手を決めておくことは大事だと思います。24とか25では遅いのでは? これくらいに出会わないと不安です。

女性:私も早いとは感じません。愛を育て愛にあふれる家庭を作りたいと思っています。子供を育てることを考えると、25歳では遅いくらいではないでしょうか。自分だけの人生を考えると結婚は遅くなってしまいがちです。でも、それは人によって違うので、年齢で遅い早いというのはないと思います。

――家庭連合の教会像に葛藤は?

男性:あります。他の人は許されているのに、自分たちにはダメなことが多くて苦しかった。昔、付き合いたい人もいました。でも付き合わなかった。親に申し訳ない気持ちがあったからです。そして今、こうして大切な相手と出会うことができました。

女性:私も好きな人がいました。会社でもいろんな人間関係がありましたが、いつも親に守られてきたことを感じます。

――どんな家庭に育った?

女性:学費で我慢するくらいに貧しい家庭でした。親も好きなように使っているわけではなくて。でも貧しくても愛がある家庭です。なので、お金があって仲良くない家庭より、お金はなくても仲がいい家庭がいいと思います。
~H・Mさん(男性)23歳、Y・Kさん(女性)23歳~

H・Mさん(男性)23歳、Y・Kさん(女性)23歳

――出会いは?

男性:両親からの紹介です。こんな子がいるよ、どう?と聞かれて見せられた写真で一目ぼれでした。

女性:何も考えずに会いに行きました。会ってみると面白い人で、もうちょっと話したいと思いました。

――印象の変化は?

男性:9月に知り合いましたが、愛知と富山で住んでいるところに距離があるので、月に1回くらいの頻度で会っています。この人じゃなかったのかな、と思うこともありましたが、今こうして二人でいます。

――いつから一緒に暮らす?

男性:1年後くらいかなと思ってましたが、まだ学生なので、就職してから。2年後くらいかな。子供は3~4人くらいほしいです。

女性:彼が学生なので、安定してしっかりしてくれないと。でもそんなに長く待てないので…。私も3人くらいかな、子供とか、先のプランがあるので…。

――信仰について、マインドコントロールと言われることは?

女性:これ、マインドコントロールなのかな? 生まれてから言われてきたことが高校・大学でウーンとなって教会から離れていた時期があります。親が信じている道を自分も信じていたものの、普通の人でも幸せな人がいて、どっちがいいのかと。でも結局、親に言われて受けた研修が良かった。私はこの道を行きたいと思ったんです。二人の親が好きで、私も親のようになりたいと思うことが大きいです。教会に関して思うことはあっても、親が信じていることを大事に考えて恩返ししたいと思っています。でも、無理にいるわけじゃない。私たちは本当に楽しいので、遊びに来て下さい。

男性:自分も教会に行ってない時期がありましたけど、大学に入る前にまた行き始めました。一人ひとりの意見で自分なりにいいなと思うことを大切にしているので、自分がしっかりして決めればいいことだと思います。教会には自然に自分から寄っていきました。周りを見ていても楽しそうで、周りとの関係もいいです。悪いイメージを持たれていることがありますが、幸せな家庭もたくさんありますよ。

 

~H・Tさん(男性)36歳、Y・Tさん(女性)30歳~

H・Tさん(男性)36歳、Y・Tさん(女性)30歳

――長らく信仰を?

男性:信仰は2006年からです。街頭で声をかけられて。自分の価値観と合っていました。両親にも伝道して、両親の方が先に祝福を受けています。父はマスコミの人で、たくさんのニュースを見ており、最初はかなり心配されましたが、少しずつ誤解も解けました。

女性:信仰は2008年から、両親には昨年伝えたら、心配されました。いろいろ報道されていたので。女性が韓国に嫁に行ったとか、事件なども含めて見聞きしていて、生活面と遠くに行かないかを心配されました。心配は続いていますが、信仰は認めてもらえた感じです。

――出会いと決心はどのように?

男性:教会のマッチングです。写真を見せられて、優しそうな人だと思いました。会って話して幸せを感じました。神が選んでくれた人だと、話してみてすぐに感じました。

女性:信仰が篤い人だと思いました。会う前に自分の信仰を確認しました。そこで、結婚というと世の中の目や親の目を気にしていたことに改めて気づき、自分がしっかりしていかないといけないと考えました。まさにそういうタイミングだったのだと思います。

 

「好きになる前に決断した」

~D・Aさん(男性)30歳、T・Mさん(女性)29歳~

D・Aさん(男性)30歳、T・Mさん(女性)29歳

――出会いと決心は?

女性:教会から何の情報ももらえずに、「あなた絶対に気に入るから会って」と言われて会いました。それで、行ってみたら、大学時代に中国・大連に留学していたのですが、その時の知人だったんです。以前はお互い信仰もなかったし、そんな関係でもなく、しかもそれ以来、何年も会ってなかったので、はじめよく分からなかったのです。

彼がその知人だと気づくと、ただビックリで、心の準備ができてなくて、「帰る、帰る」と大騒ぎしました。でも、あまりにキョーレツな再会だったので、分かりやすく(神からこの人が運命の相手だと)教えてもらえたので決めました。

男性:神の導きですから、誰でも良かった。

――信仰は誰かに話している?

女性:親友にしか言ってません。聞きたがらないし。もともと親が私を妊娠中に信仰を持ったので、自分の意志ではなく、家が入っていた感じです。ずっと、「親が変な趣味を持っているのと一緒」と思っていて、20歳になったら教会をやめるのが夢でした。でも、ちゃんと勉強してみると、変なことを言っていないことが分かり、受け入れられるようになったんです。

――二人は仲いいの?

女性:これからですよ。

 

〈中略〉

 

深く知らない相手を受け入れる人たちだった

カップルの近くで二人の会話を聞いていると、お互いが敬語で、まだ付き合い始めてもないような、よそよそしい、いや、ぎこちないやりとりをしている様子があちこちで見られた。

そんな二人が、お互いを生涯のパートナーと認め、結婚を決めているというのは、感覚的に理解が難しかったというのが偽らざる正直な感想だ。

よく知らない相手の紹介を受け、「尊敬する親が勧める人ならOK」、「運命の人」と信じて、「好きになる前に決めた」などという結婚観を理解できる人も、今の日本にそれほど多いとは思えない。

かといって、本人が望んでいないものという訳ではなく、そこに集う人たちも含めて間違いなく幸せな空気が流れており、言ってみれば、ほとんど知られていなかった異世界があった、という感覚が近い気がする。

ここで会った人たちが、その後、家庭を築き、一体どんな家族になっていくのか、本当にそれでうまくいくのか、のぞき見的な好奇心をかきたてられたというのが、率直な心境だ。

<取材・文/鶴野充茂>

              

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レポート①

 

 

 

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