企業倒産、2年連続増=「ゼロゼロ」返済本格化―今年度上期 2023年10月10日

 東京商工リサーチが10日発表した2023年度上半期(4~9月)の企業倒産件数(負債1000万円以上)は、前年同期比37.7%増の4324件と2年連続で前年を上回った。実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化したほか物価高も響き、コロナ禍前の19年度上半期(4256件)を超えて15年度(4388件)以来の高水準だった。産業別に見ると、32年ぶりに全10業種で増加した。
 負債総額は8.4%減の1兆5959億円。倒産件数はこれまで新型コロナ対策のゼロゼロ融資で抑制されてきたが、「コロナ禍からの業績回復の遅れにコスト高などが重なって増加傾向だ」(商工リサーチ)という。物価高が要因の倒産は2.7倍の334件。価格転嫁が進まず、息切れする例が目立った。 

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