ヌートリアとは?食性や危険性など外来種の特徴を解説

ヌートリアとは?食性や危険性など外来種の特徴を解説

田んぼや水辺の周辺で、大きいネズミのような、カピバラのような生き物を見かけたことはないでしょうか。 それは、もしかしたらヌートリアかもしれません。

ヌートリアは可愛らしく見えるかもしれませんが、実は危険な外来種です。 食性や危険性から、日本にやってきた経緯まで、ヌートリアの特徴をご紹介します。

ヌートリアとは?食性や危険性など特徴を解説

ヌートリア(Nutria)は、ネズミ目ヌートリア科ヌートリア属の小型哺乳類です。 南アメリカが原産で、パラグアイやウルグアイ、ボリビア、アルゼンチン、チリなどに分布します。 日本ではかつて沼狸(ぬまたぬき)、海狸鼠(かいりねずみ)、洋溝鼠(ようどぶねずみ)などと呼ばれ、現在は西日本で見られます。

生活は、水辺で雌雄のペア、または雌を中心とした群れを作って生息。 食性は、ホテイアオイなどの水生植物の葉、地下茎、淡水産の巻貝などを好みます。 ヌートリアは夜行性で、明け方や夕方、活発になって徘徊し、日中は巣穴で休息しています。

繁殖期は季節を問いませんが、出産は春と秋が多く、平均5匹の子を産み、寿命は10年程度です。

ヌートリアの危険性とは?外来種の脅威

ヌートリアは危険な外来種

ヌートリアは見た目が可愛らしく、温厚に見える動物ですが、日本の生態系とっては危険な外来種です。 ヌートリアはどのような被害をもたらす外来種なのでしょうか。

ヌートリアの食性は植物ですが、ニンジンやサツマイモ、キャベツなど畑の農作物も食します。 その被害は、平成20年度は全国で1億2,000万円を超えるほどでした。 他にも、ヌートリアは水辺に深く入り込んだ巣穴を作るため、地盤を弱くしてしまいます。 最悪の場合、落盤することもあり、堤防などが決壊してしまうこともあるので、放置することは大変危険です。 貝や小魚も食べるヌートリアですが、繁殖力も高いため、在来種を絶滅に追いやってしまう恐れがあります。

また、ヌートリアは温厚ではありますが、追いつめられると興奮し、噛み付く場合もあります。 顎の力は強く、人間の指を噛みきる程度には十分であるため、不用意に近付いて刺激してしまうことは避けなければなりません。

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ヌートリアはいつから日本に?

ヌートリアは外来種であり、もともとは日本には存在しなかった動物です。 何が原因でいつからヌートリアは日本にやってきたのでしょうか。

ヌートリアが日本にやってきたのは、第二次世界大戦終戦の頃、大日本帝国陸軍向けの毛皮採取を目的として導入されました。 しかし、戦争が終了すると需要が激減し、多くの個体が野外に放逐されます。

さらに、1950年代の毛皮ブームによってヌートリアの飼育が流行りましたが、毛皮価格の暴落に伴い、多数が野に放たれ、野生化しました。 その後、西日本各地に分布が拡大し、深刻な被害を発生させています。

2005年6月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」により、ヌートリアは特定外来生物され、50を超える地方自治体が防除計画を策定していますが、個体数の減少には至っていません。

ヌートリアを見かけたら?対策の注意点とは

もし、ヌートリアを見かけたら、どうすればいいのでしょうか。 ヌートリアは鳥獣保護管理法の対象であり、自治体の許可なく捕獲することは禁止されています。 自力の駆除は危険でもあるため、ヌートリアを発見した場合は、まず自治体に相談しましょう。

他にも、害獣駆除業者は狩猟免許を持っているため、ヌートリアの駆除を対応している場合があります。 業者によっては自治体よりも早めに対応してくれる場合もあるので、状況によって検討してみてください。 ヌートリアが家の敷地内に侵入して困っている場合は、周りにある雑草を食べようとしているかもしれません。 雑草を抜いて、様子を見たいところですが、庭で農作物を育てていることもあるでしょう。

そんなときは、防獣ネットを設置してヌートリアの侵入を防いでください。 このように、ヌートリアは意外にも恐ろしい外来種です。 ヌートリアを家の敷地内で見かけたからと言って、自身で駆除しようと近付いてはいけません。 まずは自治体に連絡し、どうするべきか相談しましょう。

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