犬張子の由来
犬張子 |
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犬張子 は、初宮参りに使う、子犬の形をした張子人形です。
初宮参り は、子供が誕生して約1ヶ月目に神社へ参拝する行事です。
子供が約1ヶ月育ったことを祝い(昔は生後1ヶ月まで育たない子供が多かった)、氏神様(生まれた土地の神様)に参拝することで、一人前の氏子(神様の加護を受ける人間)として認めてもらい、健やかな成長を願う意味があります。
正しくは男子は生後31日目、女子は生後30日目に行いますが、実際には、赤ちゃんの発育や体調に応じて、生後約1ヶ月〜3ヶ月程度で日柄や天気の良い日を選んで行います。
氏神様の加護を受ける行事なので、できるだけ地元の神社に参拝します。
地元の複数の神社を巡る場合は、時計回り(左回り)に巡り、できるだけ同じ道を引き返さないようにします。
ぶら下げた様子 |
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初宮参り に 犬張り子 を用いるのは 名古屋 の 熱田神宮 が発祥といわれます。
犬の子は病気をせずにスクスク育つことから、「犬の子のように丈夫に元気に育つように」 との願いを込めて、犬張り子を用います。
犬張り子と一緒に、「扇子」 「お金」 「でんでん太鼓」 を麻で結び、子供を抱いた背中の羽織ヒモにぶら下げます。
それぞれに意味があります。
- 扇子(末広)・・・・・・末広がりに人生が開けるように
- お金・・・・・・お金に不自由しないように
- デンデン太鼓・・・・・・元気に育つように、裏表の無い子どもに育つように
ぶら下げた様子(横) |
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使用後の犬張り子は、3歳の宮参り(七五三)の時に神社に奉納します。
3歳に育つまで、犬張り子が子供の身代わりとなって災厄をかぶるので、3歳を過ぎたら、必ず神社に奉納して下さい。
もし、古い犬張子で残っているものがあれば、この機会に、一緒に奉納すると良いでしょう。
お金は、ポチ袋 に入れてぶら下げる地方と、五円玉1 2枚 を麻に直接通してぶらさ下げる地方があります。(中部地方は五円玉を直接ぶら下げます)。
五円玉 を 12枚 使うのは、「1年12ヶ月、お金に困らないように」との意味です。
参拝後のお金は、縁起がよいので、子供の貯金の元銭にします。
使用後の扇子は、普通のお札やお守りと同じように、年末に神社で焼いてもらいます(七五三まで待たなくても構いません)。
七五三まで保管して、犬張子と一緒に奉納しても構いません。
使用後の麻は、扇子と同じく、神社で焼いてもらいます。
うまく結び目を解ければ、そのまま保管して、火の用心・家の改築・新築などの お札 を柱にしばる のに使っても結構です。
デンデン太鼓 は、3歳で奉納せず、玩具として長く使います。子供をあやすのに重宝します。
不要になった時点で、年末に神社で焼いてもらいます。