ムアンバ -レシピ|アンゴラ料理
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アンゴラ風のシチュー
今年のFIFAワールドカップにめでたく初出場を果たしたアンゴラといえば、内戦のイメージが長らくつきまとっていたアフリカ南西部の国ですが、この世界の桧舞台で、ネガティブなイメージを一気に払拭してほしいところ。
さて、ここでは、そのアンゴラでよく食べられている料理"ムアンバ"(もしくは、"モアンバ")の作り方をご紹介します。未知の料理という方が多いと思いますが、比較的簡単に作れる上、意外なおいしさにびっくりするはずですよ。
【材料】 (4-5人前)
若鶏肉または魚1.5kg、油1/2カップ(なたね油など野菜系の油が望ましい)、たまねぎ中2個(みじん切り)、にんにく2かけ(適当な大きさに切る)、月桂樹の葉1枚、パームオイル(やし油)1/2カップ(もっと少なくてもよい)、赤とうがらし2-3個(適当な大きさに切る))、オクラ450g(両端を切って、半分に切る)、塩適量、コショウ適量、レモンジュース大さじ3
【作り方】 ※今回は具に白身魚のタラを使用
1.魚を食べやすい大きさに切り、油とたまねぎ、にんにく、月桂樹の葉とともに大きめのなべに入れ、中火で熱する。
2.1の材料をよく混ぜて、必要に応じて水を加えながら、魚に火が通るまで中火で熱する。
3.2の魚がやわらかく煮えたら、パームオイルと赤とうがらし、オクラを加え、さらに塩とコショウ、レモンジュースを加えて弱火で15分ほど煮て、深皿に盛り付けて出来上がり。
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アンゴラでは、"フンジ"(Funge)と呼ばれる、キャッサバの粉をお湯で溶いてこねた、粘り気のあるおだんごのような主食と一緒に、手でちぎったフンジを、ムアンバにつけながらいただきます(上写真の右)。だから、フィンガーボールも必須(笑)。
フンジに似たものを、ガーナあたりでは"フーフー"と呼んでいます。キャッサバのほか、とうもろこしやプランテーン(バナナのようなカタチの野菜)の粉のものもあります。
パームオイルは、赤っぽい色をした、アンゴラをはじめとする西?南西アフリカ特有のオイル。あちらでは調味料のようによく使われますが、日本人には重くてけっこうクセを感じるオイルです(暑い気候の中で働く人々には、体力増強にちょうどよいのでしょうが...)。
でも、このオイルが、現地の料理らしさを出す"調理のおとしどころ"ともいえるので、できれば少しでも入れてみてください。今回は油分を抑えたかったので、アーモンドオイル(何でもよいと思います)ではじめに魚をマリネして、パームオイルのほかに、トマトペーストでオイルの足りない分量を入れ替えてみました。こうすると、パームオイルの赤い色を補える上、かなりライトに仕上げることができます。
アフリカ原産の野菜であるオクラも、マストアイテム。ほかに、かぼちゃをダイス状にカットして加えることもあるようです。
パームオイルやフンジ(フーフー)の素は、アフリカ食材を扱う、東京・アメ横の「カワチヤ」さんなどで購入することができますよ。
左写真は、プランテーンを粉にしたフーフーの素。左側の国旗の国名をすべて答えられますか?(笑)。アメリカでパッケージされたものなので、品質は安心できそうです。
アンゴラは、ポルトガルに500年も統治されていた国。ですので、今でもポルトガルの影響が大きく、国内にはオリーブの木が栽培されていたり、お料理にもオリーブオイルや月桂樹の葉など、ヨーロッパ的な食材が使われることがあるのだそうです。このムアンバにも、オリーブオイルを混ぜて使ってもよいんですって。私たちにも食べやすくなりそうですね。
アンゴラの国については、「アンゴラへの扉」もご参考に。
余談ですが、先日、アンゴラの隣の国、コンゴ民主共和国(旧ザイール)出身のムクナ・チャカトゥンバさんから、同じムアンバの作り方を教えてもらいました。材料はほぼ同じなのですが、コンゴ・バージョンは、ピーナッツソースが入った、けっこうしっかりしたシチュー。付け合せの主食は"フンジ"ではなく、"ウガリ"と呼んでいました(ケニアなど東アフリカでこう呼ぶようです)。コンゴって、アフリカの東西をまたいだ中央部分にあるのでしたっけね。アフリカは広いなぁ!
e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。
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アンゴラ料理についてよくわかりました。