『オリエント急行殺人事件』のポワロの口髭が従来より巨大な理由

"ミステリーの女王"として知られるアガサ・クリスティーの名作小説を、ケネス・ブラナー監督・主演でよみがえらせた映画『オリエント急行殺人事件』。12月8日(金)全国ロードショーとなる同作はすでに予告編や場面写真がお披露目されているが、ケネス演じる名探偵エルキュール・ポワロのトレードマークである口髭が、過去のポワロ作品に比べて一回り以上大きいことが気になった人もいるのではないだろうか。その特別大きな髭について、ケネスが説明している。

ポワロの口髭と言えば、『名探偵ポワロ』シリーズに主演したデヴィッド・スーシェも、1974年の映画『オリエント急行殺人事件』で同役を演じたアルバート・フィニーも、唇よりも少し幅が長い程度のサイズだった。しかし、ケネス版ポワロの口髭は顔から余裕ではみ出るほどの大きさでボリュームもかなりあり、さらには下唇の下にも髭が生えている。

英雑誌EMPIREのインタビューに応じたケネスは、口髭が大きな理由は原作者クリスティーの意図に従った結果だと話している。「原作小説の中でクリスティーがポワロの髭について言及している箇所を15箇所くらいあげることができるけど、その中では『巨大』『見事』『威厳に満ちた』といった風に描写されている」とケネス。さらに、アルバート版ポワロの髭を見たクリスティー本人とその夫が失望していたという話も持ち出し、クリスティーが描いていた髭はそれまでのものよりもっと大きいものだと強調した。

ケネスは続けて、ベルギー人の名探偵の髭が大きいことには心理的効果も期待できると主張。「ポワロはあの大きな髭を一種の隠れ蓑にしているんだ。髭を見た相手がそれで彼のことをバカにしたり見下したりして彼の探偵としての能力も軽んじれば、ポワロにとっては仕事がやりやすくなるのさ」と、舞台出身者らしい細やかな心理分析を披露している。

ケネスのほか、ジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ジュディ・デンチ、ウィレム・デフォーといった豪華キャストが集う『オリエント急行殺人事件』は12月8日(金)全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

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『オリエント急行殺人事件』
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『名探偵ポワロ』
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