加藤鮎子(かとう・あゆこ)/1979年生まれ。故加藤紘一元自民党幹事長の三女。コンサル会社勤務などを経て2014年に初当選。前環境政務官 (c)朝日新聞社
加藤鮎子(かとう・あゆこ)/1979年生まれ。故加藤紘一元自民党幹事長の三女。コンサル会社勤務などを経て2014年に初当選。前環境政務官 (c)朝日新聞社

 今回の総裁選の意義や新政権に期待することは何か。AERA 2021年10月4日号は、故加藤紘一元自民党幹事長の三女で、岸田文雄氏の推薦人となった加藤鮎子氏に聞いた。

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──安倍・菅両政権をどう評価していますか?

 経済を元気にした成果はありました。金融緩和で株価は上昇、政労使会議を設置して賃上げもなされました。安倍首相は精力的に外交を行って日本のプレゼンスを高めた。菅義偉首相は脱炭素を掲げ、エネルギー基本計画に「再生可能エネルギーに最優先の原則で」と書き込みました。

──経済政策は、格差の拡大につながったという批判も。

 トリクルダウン(富が富裕層から低所得層に滴り落ちるとする理論)が起きれば良い形だったと思うのですが、その半ばでコロナ禍になってしまった。

──こうしてほしかったということは?

 私の地元は山形ですが、地方は建設、メーカー、サービス業、すべて人手不足で手いっぱいなのに受注額が上がっていない。価格の交渉力を地方がもっていないんですね。このミスマッチを解決してほしかった。

──新政権に期待することと、それを実現するのは誰ですか?

 中間層に経済成長の果実を届け、分厚くすることです。それから少子化対策。子どもがいると社会が活気づきますよね。私は2歳の次男がいますが、母を含めて周囲は子どものこととなるとはつらつと元気になります。世話も大変なんですが。

 岸田さんの推薦人になりました。岸田さんは「傾聴力」を掲げています。現場に出かけてニーズを受け止めながら政策を進める。政治家に対しても、目立たなくても良い仕事をしているベテラン、優秀な若手の力を引き出し、良いチームを作るリーダーシップがある。それが今の先が見えない時代に必要です。

──今回の総裁選の意義は何でしょうか。

 コロナ禍で国民は不安なままで、国のやるべきことで見通しのたたない面もあります。だからこそオープンで透明性のある総裁選が必要です。政治への安心感と信頼を取り戻せれば。民主主義というのは納得のプロセスだと思いますが、今回の総裁選でそれを実現したい。

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