Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE インタビュー

2023.11.07

【俳優・田中 圭さんインタビュー】「実は子ども時代は、文武両道のちょっとイヤないい子でした(笑)」

 

映画監督・小津安二郎生誕120年記念の『連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~』に出演する田中 圭さん。ドラマのお話のほか、ご自身の子ども時代のエピソードなどをお聞きしました。

今年は3クール連続でドラマが続き、スポーツ番組のメインキャスターにバラエティにと躍進が止まらない田中 圭さん。この秋いちばんの話題作、映画監督・小津安二郎生誕120年記念の『連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~』でも、第1話の人情ドラマ「出来ごころ」リメイク版の主人公を演じます。いつも心に響く演技で魅せてくれる田中さんの、撮影の舞台裏や子ども時代のエピソード、時間ができたときの過ごし方とは?

壁にもたれてカメラを見る田中圭さん

最後に思いがけないほど心があったかくなる作品です

−−−−今作は小津監督の初期の作品群をリメイクするオムニバス形式のドラマの第1話で、原作は90年前のサイレント映画だそうですね。

僕も原作を視聴したのですが、ストーリー自体がものすごく昔っぽい話なんです。リメイク版の時代設定も昔なのか現代なのかわからないように撮影しているので、携帯電話も出てきません。それでもできあがった作品をごく自然に見ることができるのは、人の心に流れる普遍的な感情のようなものが、しっかり描かれた作品になっているからじゃないかと思っています。

−−−−昭和初期の物語を令和の時代の今リメイクすることに、どのような意味合いを感じていますか?

最近のドラマはエンターテインメント性が高かったり、何かタネや仕掛けがあったり、逆に社会性が強くて考えさせられるようなものだったりして、少し複雑な作品が増えています。それとは対照的に今回の「出来ごころ」は、もう本当にすごくシンプルな作品。まず、そうしたドラマが今は当たり前に減っているんだなということを感じました。

リメイク版も原作と変わらず、主人公の喜八は妻と別れて子どもとふたり暮らしをしています。彼らの日常は決してドラマティックなものではありません。ところが親子ふたりのささやかな日々のあれこれを見ているうちに、最後は思いがけず心があったかくなる。それはきっと小津監督が伝えたかったことでもあると思いますし、僕自身もこの作品に触れさせていただけて俳優冥利に尽きるなと思っています。

床に座った田中圭さん

−−−−喜八は“ダメ親父”という設定ですが、役づくりで何か苦労されたことはありましたか?

喜八のズボラな感じや、だらしないキャラクターをわかりやすく表現するには無精ヒゲがぴったりなのですが、僕はヒゲがあまり生えないタイプで。今回も最初は「ヒゲつけようか?」という流れになったのですが、メイクさんやスタッフの方が「つけヒゲだと見てる人にわかるよね」と。なので 喜八の立ち姿の姿勢だったり、話すトーンだったり、醸し出す雰囲気で表現しながらあとはもう気にせずやりました。

−−−−9歳の息子・富夫を演じた森優理斗くんとの相性はどうでしたか。

優理斗くん演じる〝富ぼう〟との関係づくりは、実はいちばん気をつけた部分でもありました。たとえば、カメラが回っていないところでも彼との距離感が縮まるように意識をしたり。城定監督はワンカットを長回しで撮ることが多い監督なので、セリフとセリフの間を役者が自分で埋めなければならない瞬間があるんです。なので、富ぼうともそこを自然に埋められるような関係性をつくれたらなと思っていました。フタを開けたら、優理斗くん自身がとにかくお芝居も抜群だしいい子で、僕になついてくれてかわいらしいしで、なんの問題もなくできたなと思っています。

−−−−原作の映画はラストシーンにすごく驚かされましたし、リメイク版のほうもやはりラストが圧巻でした。城定監督から何かサジェスチョンのようなものはあったのでしょうか。

城定監督とのタッグは2回めで、今回すごく楽しみな現場でもありました。城定監督は芝居に対してあまり言わない方で不安になる時もあるのですが、城定監督の撮るものは絶対にかっこいいという絶対的な信頼感があったので、意識しすぎず、自由に演じることができました。

今回のラストシーンの撮影で言えば、こんな裏話がありました。台本を読むとまさにそれは“ザ・ラストシーン”で。“城定監督は細かくカット割りしないタイプの方だけど、さすがにここは7、8カットぐらいはいくだろうな”と心がまえをしていました。いざ当日の朝も“重要なシーンだから、今日は時間がかかりそうだぞ”とこちらは気合いが入るわけです。ところが監督はそのザ・ラストシーンを、「ここ、1カットでいきます」とさらっと言うんです(笑)。演じる側としては「ここ1カットで撮るの!? ウソでしょ??」という心境でした(笑)。放送では2分半くらいの長丁場のシーンになっているのですが、あまりにも監督らしくて素直に“すごいな”と驚きました。

壁にもたれる田中圭さん

暇な時間に食べたくて買った沖縄の島らっきょうの顛末は…

−−−−この作品の田中さんの役どころは小学生男児の父でもあります。田中さんがそのくらいの年齢のとき、どんなお子さんだったんでしょう?

僕が小学生のときはすごくいい子でした(笑)。どういう意味でのいい子かというと、勉強もちゃんとして、スポーツもする。文武両道を頑張っていました。

−−−−すごいですね!

その生活が当たり前だと思っていたので、一生懸命いい子でいようとした記憶はないですね。

−−−−何か当時の印象的なエピソードを教えてください。

小学生のときの僕はちょっとイヤな奴だったと思います。小学5、6 年生あたりの文集で「友達なんかいらない」というタイトルで作文を書いていました。いったいどんな内容だったのか、大人になってから読み返してみたら「なんで人はうわべの友達を大事にするんだろう」みたいなことを書いていて。自分でも“イヤな奴だな〜”って思いました(苦笑)。でも言っていることは今の僕でも納得できることで、“なるほどね。意外とすごいな小学生のときの自分”と思うような感じでした。

カメラを見据える田中圭さん

−−−−その作文、ぜひ続きを読んでみたい気がします。では、現在の田中さんのプライベートについても教えてください。最近時間ができたときはどのような過ごし方をしていますか?

ジムで運動をしたり、食べることも好きだからぱっと何かを食べに行ったり、あとは映画とかドラマを見ることはよくしていますね。

撮影と撮影の間にぽかっと時間ができたときには“この時間をどうやったら埋められるんだろう”って考えるんです。僕、時間の使い方がものすごい下手であまり有意義に使えていないから、日々それに頭を悩ませています。

−−−−うれしい悩みのはず、ですが…?

本当はそうかもしれませんが、基本的に仕事中に時間があくときはひとりなんです。友達とか家族と一緒なら悩むこともないですが。 “みんなは暇なときに何をして過ごしているのだろう?”という素朴な疑問と密かに闘っていたりします(笑)。

−−−−ちなみにいちばん最近暇ができたときは何をされましたか。

島らっきょうを買いに行きました。

−−−−島、らっきょう、ですか?

バスケのワールドカップ関係の仕事で沖縄に行ったとき、現地で島らっきょうを買ったんです。そのままサクッと食べようと思って島らっきょうを買いに行ったのに、それが酢漬けでちょっと酸っぱくて。ちょっと違うのを買ってしまったみたいでした。なので、鰹節を買ってかけて食べようと思ったのですが、買うのを忘れてしまって。今そこで止まっています。

笑顔の田中圭さん

−−−−もう1歩で美味しく食べられるところを食べられないまま止まってしまったんですね。残念です。では、最後にドラマ「出来ごころ」の楽しみ方をお願いします。

この作品は“あ、なんかこの親子もっと見たいな…”と思うようなところで終わっているんです。人によっては少し物足りなさとも思えるような余白を感じるかもしれません。でもそれは、小津監督や城定監督が僕らに宿題、じゃないですが、プレゼントしてくれたものなのかなとも思います。みなさんもぜひ、最後の余韻まで楽しんでみてください。

頬杖をつく田中圭さん

Story

主人公は酒や博打に夢中になってしまう“ダメ親父”の喜八(田中 圭)。妻と別れた喜八は工場に勤務して相棒の次郎(渡邊圭祐)の助けを借りながら、息子の富夫(森優理斗)とふたり暮らしを送る日々。ある日ひょんなことから出会った女性・春江(白石 聖)にひとめぼれをしてしまう。喜八はなんとか春江と恋仲になろうと奮闘するものの、実は春江は次郎に思いを寄せていて…。 主人公・喜八を演じる田中 圭さんと城定秀夫監督の、映画『女子高生に殺されたい』以来のタッグにも注目が集まるハートウォームな作品。

2023年11月12日(日)午後10:00スタート(全6話)
放送:毎週日曜 午後10:00[第一話無料放送]【WOWOWプライム】【WOWOW4K】
配信:各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信[無料トライアル実施中]【WOWOWオンデマンド】
番組特設サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/ozu/

田中圭さんのサイン入りチェキを1名さまにプレゼント!

サイン入りチェキ

【応募の方法】
●DomaniのX(旧Twitter)アカウント(@Domani_magazine)をフォローしてください。
※当選確認の際に必要となります。
●本記事告知ポストに今回の企画の感想を添えて、リプライ&リポスト(引用リポストでのコメントも可)してください。その際、必ず「#Domani」「#田中圭 #出来ごころ」のハッシュタグをつけてください。
●応募の締切:2023年11月17日(金)23:59まで
※厳正な抽選にて当選者を決定します。
※当選のご連絡は、11月下旬を予定しております。この連絡をもって当選者の発表と代えさせていただきます。当選についてはXのDMでご連絡いたしますので、DomaniのアカウントからDMが受け取れる状態にしておいてください。DM送付後、3日以上ご連絡いただけない場合は、自動的に当選キャンセルになりますので、あらかじめご了承ください。
※当落のお問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
※いただいた個人情報はプレゼントの抽選、当選者へのご連絡以外には使用しません。
※プレゼントは日本国内の発送のみとなります。

俳優

田中 圭

たなか・けい/1984年7月10日生まれ。東京都出身。2003年にドラマ『WATER BOYS』で俳優デビュー。2018年に主演した『おっさんずラブ』が社会的な人気を博し、同年第97回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で主演男優賞を受賞する。2023年は「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の日テレ系メインキャスターに就任。ドラマ『リバーサルオーケストラ』、『unknown』、『ブラックポストマン』と3クール連続で出演ドラマが話題に。11月12日(日)には主演ドラマ『連続ドラマW OZU〜小津安二郎が描いた物語〜』第1話「出来ごころ」(WOWOW)が放送・配信される。

シャツ¥39,600・ブルゾン¥143,000・スラックス¥49,500・ベルト¥9,900(Paul Smith Limited 〈Paul Smith〉)  その他スタイリスト私物

※全て税込価格です

問い合わせ先
Paul Smith Limited  TEL 03-3478-5600

撮影/杉江拓哉(tron) ヘア&メイク/花村枝美(MARVEE)スタイリスト/柴田圭(tsujimanagement) 取材・文/谷畑まゆみ

あわせて読みたい

Domaniオンラインサロンへのご入会はこちら


Read Moreおすすめの関連記事







スマートフォンプレビュー

【登録無料】
Domaniメルマガ会員募集中

管理職世代の通勤コーデ、明日は何を着る?子供の受験や習い事、
どうする?人気モデル、ハイセンスなDomani読者モデル、教育のプロたちから
発信されるタイムリーなテーマをピックアップしてお届けします。
プレゼント企画やイベント参加のスペシャルなお知らせも!