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今週の日経平均株価は、米国市場の動向に影響されて
方向感が定まらない相場となり、最終的にほぼ横ばいの展開に
今週(5月7〜10日)の日経平均株価は小幅に下落し、最終的に先週末比で6.96円(0.02%)安い3万8229.11円で終えました。
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日本が連休中の5月3日に発表された米・雇用統計の結果を受け、米国では利下げ先送りへの懸念が後退して株式市場が上昇。その流れから、連休明けの7日の日経平均株価は600円近く上昇し、3万8800円を回復しました。米国の連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計などの重要イベントを波乱なく通過したことによるリスク許容度の高まりを背景に、海外投資家による買い戻しの動きが強まったようです。
しかし5月8日は、前日7日に米国市場でハイテク株が下落したことが嫌気されたほか、週末に5月限のオプションSQ(特別清算指数算出)を控えていたことから先物主導で売られる流れとなり、7日の上昇分を打ち消しました。また、主要企業の決算がピークを迎え、決算内容を手掛かりとした個別銘柄の物色が中心となりました。
週末の5月10日は、利下げ期待が強まった米国市場の上昇に加え、SQに絡んだ商いが差し引きで買い越しだったこともあり、日経平均株価は反発して始まり、一時3万8700円を回復。しかし、その後は3万8100円近くまで下落するなど、方向感のつかみづらい相場でした。
来週の日経平均株価は、引き続き米国市場に影響される展開が継続!
決算ピークの通過で、業績を手掛かりとした株価見直しの動きも
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万7800 ~ 3万8800円
来週(5月13〜17日)の日経平均株価は、今週に引き続き米国市場の影響を受けやすい需給状況になりそうです。
来週は、米・連邦準備理事会(FRB)がインフレを判断するうえで重要視する4月の米・卸売物価指数(PPI)の発表を5月14日、米・消費者物価指数(CPI)の発表を15日に控えており、これらの結果を見極めたいところです。今週の米国市場は、FRBによる利下げ期待が強まるなか、米・長期金利の低下も見られましが、CPIの結果によって状況が一変する可能性もあるため注意が必要です。
日経平均株価は方向感のつかみづらい状況が続いていますが、3万8000円辺りで底堅さが見られるため、その水準まで下げる局面では押し目買いが意識されやすいでしょう。
なお、決算発表ラッシュは、来週前半で一巡します。今週は決算を受けての荒い値動きが目立ちましたが、発表直後は商いが集中するため、ややイレギュラーな価格形成もあったと考えられます。そのため、決算後に急落した銘柄は、株価見直しの動きが意識されてくるでしょう。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
GreenEnergy & Companyが+111.10%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキング1位のGreenEnergy & Company(1436)は5月7日、株主優待制度を拡充し、配当と株主優待の各利回りの合計を最大12%超にすることを発表。これが好感され、ストップ高を交えての上昇となりました。
値上がり率2位はアルプス物流(9055)。米・投資ファンドKKR傘下のロジスティードは5月9日、アルプス物流を買収することを発表。TOB(株式公開買い付け)を通じて非公開化すると伝えられ、これが材料視されました。
値上がり率3位の売れるネット広告社(9235)は、2月の高値6800円をピークに下落が続き、4月半ばには1386円まで下げていました。しかし、連休の谷間である5月2日からリバウンドを見せており、値幅取り狙いの資金が集中したようです。
一方、今週の値下がり率ランキングのトップはサイバー・バズ(7069)でした。5月8日に2024年9月期の連結純損益予想を、従来の2.8億円の黒字から19.4億円の赤字(前期は2.1億円の黒字)に下方修正したことが嫌気されました。
値下がり率2位のVeritas In Silico(130A)は、5月7日に発表した2024年1-3月期の決算で、営業損益が6500万円の赤字となったことが嫌気されました。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +111.10 | GreenEnergy & Company(東G・1436) |
2 | +52.11 | アルプス物流(東P・9055) |
3 | +47.71 | 売れるネット広告社(東G・9235) |
4 | +40.74 | フォーサイド(東S・2330) |
5 | +39.68 | ブロードバンドタワー(東S・3776) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −37.92 | サイバー・バズ(東G・7069) |
2 | −36.63 | Veritas In Silico(東G・130A) |
3 | −27.92 | データセクション(東G・3905) |
4 | −27.63 | ドリコム(東G・3793) |
5 | −23.41 | マミヤ・オーピー(東S・7991) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 844,435,400 | NTT(東P・9432) |
2 | 765,501,400 | 音通(東S・7647) |
3 | 296,382,500 | 三菱重工業(東P・7011) |
4 | 290,415,300 | ランド(東S・8918) |
5 | 223,404,400 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(東P・8306) |
【来週の主要イベント】
米国のPPIとCPI、製造業景気指数、さらに米・ウォルマートや
ソフトバンクグループ、サンリオなどの決算発表に注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<5月13日(月)>
◆決算:ソフトバンクグループ(9984)、スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)
◆印4月消費者物価指数(CPI)
<5月14日(火)>
◆決算:INPEX(1605)、サンリオ(8136)、ニトリホールディングス(9843)
◆4月国内企業物価指数
◆独4月消費者物価指数(CPI)改定値
◆英4月失業率
◆独5月ZEW景況感調査(期待指数)
◆欧5月ZEW景況感調査
◆米4月卸売物価指数(PPI)
<5月15日(水)>
◆決算:シャープ(6753)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
◆欧1-3月期四半期域内総生産(GDP)改定値
◆欧3月鉱工業生産
◆南ア3月小売売上高
◆米4月消費者物価指数(CPI)
◆米4月小売売上高
◆米5月ニューヨーク連銀製造業景気指数
◆米5月NAHB住宅市場指数
<5月16日(木)>
◆1-3月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値
◆3月鉱工業生産確報値
◆3月設備稼働率
◆米4月住宅着工件数
◆米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
◆米4月鉱工業生産
◆決算:アプライド マテリアルズ(AMAT)、ウォルマート(WMT)
<5月17日(金)>
◆中4月小売売上高
◆欧4月消費者物価指数(HICP)改定値
◆米4月景気先行指標総合指数
【来週の注目銘柄】
「神戸製鋼所」「日産自動車」「住友不動産」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
神戸製鋼所(2024年4月1日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
鉄鋼 | 東P・5406 | 1982.5円 | 6.5倍 | 0.74倍 |
日本製鉄(5401)とのスプレッド狙いの動きに注目 5月9日に発表された2024年3月期業績は、売上高が前期比2.9%増の2兆5431億4200万円、営業利益が同116.1%増の1866億2800万円でした。鉄鋼アルミ板での販売数量の減少や在庫評価影響の悪化などがあったものの、鉄鋼メタルスプレッドの改善や、機械・エンジニアリングでの売上高の増加などが見られました。営業減益だった日本製鉄(5401)と明暗が分かれる内容であり、「神戸製鋼の買い、日本製鉄の売り」といった形でのトレードが意識されやすいでしょう。なお、2025年3月期の業績は、売上高が前期比4.6%増の2兆6600億円、営業利益が同11.6%減の1650億円を計画しており、市場予想(1440億円程度)を上回っています。 |
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日産自動車(2024年4月1日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
輸送用機器 | 東P・7201 | 551.9円 | 5.2倍 | 0.33倍 |
4月半ばに下方修正したものの、予想を上回る着地に 5月9日に発表した2024年3月期の業績は、売上高が前期比19.7%増の12兆6857億1600万円、営業利益が同50.8%増の5687億1800万円。グローバル小売台数は、前年比4.1%増の344万2000台でした。4月半ばに下方修正しましたが、予想を上回る着地となりました。株価は、決算内容が好感されて上昇する場面も見られましたが、その後は戻り売りに押される形となっており、押し目狙いが意識されそうです。なお、2025年3月期の業績は、売上高が前期比7.2%増の13兆6000億円、営業利益が同5.5%増の6000億円を計画しており、市場予想(5660億円程度)を上回っています。 |
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住友不動産(2024年4月1日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
不動産業 | 東P・8830 | 5502円 | 13.7倍 | 1.27倍 |
中国人富裕層の日本への移住増加が追い風に 5月9日に発表した2024年3月期の業績は、売上高が前期比3%増の9676億9200万円、営業利益が同5.6%増の2546億6600万円でした。営業利益は2期連続で過去最高を更新。市況の回復・改善傾向が鮮明となってきた東京のオフィスビルを中心とした不動産賃貸事業と、分譲マンションの引き渡し戸数の増加が業績を牽引しています。なお、中国では政治体制や景気減速への不満から移住を決める富裕層が増えていますが、中国から数時間の距離にある日本の都市は裕福な中国人にとって有力な移住先と見られており、不動産銘柄の手掛かり材料になりそうです。株価は、4月の高値にあと一歩届かずに買いが一巡し、利益確定の売りに押されたので、押し目を狙いたいところです。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
⇒「航空機」関連銘柄を解説! 米・ボーイングが苦境に立つ中、シェア拡大を狙うブラジルの航空機大手エンブラエルと取引のある「川崎重工業」「東レ」などに注目
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