ソニー・ホンダの逆襲#14Photo by Hirobumi Senbongi

ソニーに限らず、エレクトロニクスを手掛ける企業の未来は、既存事業の延長線上にはない。ソニー・ミュージックエンタテインメント社長などを歴任し、プレイステーション誕生の立役者ともなった丸山茂雄氏は、「社員が優秀なだけでは新しいものを生み出せない」と断言する。特集『ソニー・ホンダの逆襲』(全18回)の#14では、丸山氏に長年の経験に裏打ちされた新規事業創出の極意を語ってもらった。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

エンタメ部門成長の立役者が語る
新規事業育成の極意とは

――丸山さんはゲームや音楽事業に携わりながら、長年にわたりソニーの浮沈を見てきました。

 ソニーは平井一夫氏が社長になって以降、不調だったエレクトロニクス事業を縮小して、エンターテインメントや金融事業を伸ばす方向にかじを切りました。元々「周縁」だった新規事業をうまく育てられたのだと思います。

 平井氏は、こんなに重大な決断を顔色一つ変えずに実行しました。平井氏を若い頃から知っていますが、肝が据わっていて稀有な人柄だと思います。

――丸山さん自身、これまで新しい領域を次々と開拓してきました。新規事業開発の秘訣はありますか。

次ページでは、エピックソニーを設立したりプレイステーション立ち上げに携わったりしてきた丸山氏が、新規事業開発の極意を明かす。今のソニーグループの中で新規事業を興す才に長けた人物を2人挙げている点にも注目だ。「新しいものを生み出せる2人」とは、いったい誰だろうか。