ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ドミニカ共和国ってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ドミニカ共和国ってどんな国?

 ドミニカ共和国はカリブ海に浮かぶ島国で、エスパニョーラ島の東側3分の2を領域としています。

 私たちがこの国名を聞くのは何といっても野球でしょう。野球はアメリカから持ち込まれたものですが国技といっていい状況にあります。

 国内にはプロリーグはありませんが、アメリカ合衆国のメジャーリーグに多くの選手を送り出しています。また、広島東洋カープが選手の発掘と育成のためのアカデミーを設立しています。

 エスパニョーラ島は南北アメリカでヨーロッパ人が最初に定住植民した土地の一つで、スペインの植民地となりました。

 1821年スペインから独立しましたが、ハイチに併合されたり、アメリカの軍政下におかれたりと困難な歴史がありました。現在は比較的安定した国となっています。

 このことは森林管理にも影響しており、ハイチとの国境線は衛星画像でもはっきりとわかります。

 日本との関係では第二次世界大戦後、国策による移民が行われたことで知られています。

 2000年、この移民事業に対して移民訴訟が提訴されました。裁判は国の責任は認めるものの時効により国家賠償は棄却されましたが、日本政府が一時金を支払うことで終結しました。

「ドミニカ共和国ってどんな国?」2分で学ぶ国際社会カリブ海の国々

ドミニカ共和国

面積:4.9万km2 首都:サントドミンゴ
人口:1059.7万 通貨:ドミニカ・ペソ
言語:スペイン語(公用語)、ハイチ語(フランス語系クレオール語・公用語)
宗教:カトリック44.3%、福音派13%
隣接:ハイチ

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)