ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「カメルーンってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

カメルーンってどんな国?

 カメルーンは、アフリカ大陸中部に位置し、ギニア湾に面した国です。ナイジェリア、チャド、中央アフリカ、コンゴ共和国、ガボン、赤道ギニアと国境を接します。

 海岸近くに標高4095mの活火山カメルーン山がそびえています。その南西斜面は、海から湿った風が吹き上がり、年降水量1万680mmという記録を持つ世界有数の多雨地の一つになっています。毎年、この山を登るレースが開かれています。

 また、北部にある、マグマが噴出してできた高くそびえるルムスィキと呼ばれる奇岩群が有名です。

 北部はステップが、南部は熱帯雨林がそれぞれ広がっています。木材はカメルーンの主要輸出品の一つで、日本は家具や和太鼓の枠組みに使われるブビンガという木材を輸入しています。

 また、奈良の国宝・興福寺中金堂では、その再建に当たり(2018年に落慶法要を開催)、この国のケヤキを66本、柱として使用しました。一方で、木材伐採の規制が緩く、違法な伐採が広く行われているといわれています。

 輸出品では、原油が輸出の約4割を占めているほか、カカオ豆や綿花が輸出されています。

 サッカーが盛んで、アフリカネイションズカップで5回優勝しています。2002年の日韓共催ワールドカップでキャンプ地となった当時の大分県中津江村(現在は日田市)との交流が続いています。

「カメルーンってどんな国?」2分で学ぶ国際社会アフリカ中部

カメルーン共和国

面積:47.5万km2 首都:ヤウンデ

人口:2654.6万 通貨:CFAフラン

言語:フランス語(公用語)、英語(公用語)、ファン語などの民族語

宗教:カトリック38.3%、プロテスタント25.5%、イスラーム24.4% 
隣接:ナイジェリア、チャド、中央アフリカ、コンゴ共和国、ガボン、赤道ギニア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)