グロティウス。世界で最もIQが高いといわれています。その頭脳から繰り出される数々の出来事は後世に語り継がれる程です。一体何を成し遂げたのでしょうか。
現在にも伝わる彼が言い残した名言にも注目です。「国際法の父」と呼ばれたその天才なる頭脳を見ていきます。
1.生涯
グロティウスは、オランダのライデン市の名門グロート家に生まれます。幼少期は、「フーゴー」と呼ばれます。8歳の時には既にラテン語の詩を書き、11歳で大学に入学しました。ギリシア語も学び、数学や法律の論文も書き上げ、わずか14歳で大学を卒業しました。
この頃に名前も「グロティウス」と名乗りました。15歳の時、パリを訪れ、アンリ4世はその才能に驚いたといいます。16歳の時には弁護士として自立し、次第に世間に名前を知られるようになりました。
三十年戦争の時、その惨状を見たグロティウスは人類の平和を維持する方法を模索し、自然法に基づく正義の法によって軍人を統制する必要があると思い、国際法の必要性を説きました。いわゆる「戦争と平和の法」です。これには大きな反響があり、グスタフ・アドルフも読んだといいます。
「戦争と平和の法」は、野蛮人も恥とするような戦争に対する抑制が欠如が見られるとして、残虐行為に対する緩和を説いたものとされています。
グロティウスが提唱した「克服しえない無知」を媒介する戦争における「緩和」の理論は、近代の「戦争法」の内容を予見していたのです。
こうして国際法を築いたグロティウスの最期はあっという間でした。フランスからスウェーデンへの旅の途中、海難事故に逢ってしまい、ドイツに到着します。脆弱したグロティウスは回復することなくそのまま衰弱していき、62年の人生を終えます。
2.名言
多くのことを理解したが、何も完成しなかった
突然亡くなったために多くの言葉を残していません。ただ、そこには万能なるグロティウスらしい「ひと言」が残されていました。
類まれな才能を活かし、複雑に絡み合った未知なる事柄を結びつけていきたかったという思いなのでしょうか。突然死がなければ、歳を重ねるごとに深まる知識で、我々をあっと言わせることを生み出したのかもしれません。