在外公館派遣員制度のリアル

英語

こんにちは。たーきーです。

本日は在外公館派遣員制度についてご説明したいと思います。

詳細や面接のレビュー等は他のブログを参照していただくとして、私は本制度についてぶっちゃけベースで書きたいと思います。

本制度は原則2年間の契約で派遣されますが、契約期間は1年ずつです。

契約を更新せずに辞めてしまう人も少なくないようです。

これは2年間と想定して赴任した派遣員にとっても、フライト代や研修などに投資した政府にとっても痛手です。

筆者は次の仕事もスムーズに見つかり、貯金も貯まり、結果的に良かったと思っていますが、これは知っておきたかった。。。という事が多かったです。

本記事で紹介されている内容はあくまでもブログ作成者の個人の見解です。当Webサイトを利用する事によって生じたあらゆる不利益または損害に対して、一切責任を負いません。

はじめに

本制度は国際交流サービス協会から募集されています。

 外務省在外公館派遣員制度 (国際交流サービス協会)

簡単にご説明すると

「原則2年間、外国にある在外公館(大使館や領事館)の雑用をする」仕事です。

業務内容について詳しくは公式HPからご確認ください。

大使館など外交の最前線と華やかなイメージを持ちますが、職場環境は整備が行き届いていない古いオフィスに紙ベースの業務といったところが大半です。

業務内容は派遣先にもよりますが、庶務、雑用、VIPの送迎です。私自身や周りの方では、運転手のマネジメントや広報文化のための日本文化関連のイベントでの茶道や書道を披露する業務もあったようです。

私が応募した時の合格者は外国語大学出身(神田、東京外語など)が多く、女性比率は70%ほど(進路などを考えると)でした。これは後述しますが、納得の比率です。

国立大や早慶の出身者が多いのかと思いきや、そうでもなかったです。

それでは順に、多くの方が知らないと後悔する点を3つご説明します。

また、今回の説明は主に世界中へ派遣される可能性のある英語受験者を想定してお話にしております。

特殊言語受験の方は異なる条件なので、参考程度にお読みください。

また、同制度に合格するための英語学習法などは他の記事に載せているので、是非チェックしてみてください。

行き先は選べない

私は同制度に興味を持つ後輩からよく質問を受けました。

その際に受験前の彼らと話している時に経験者としての私が強調することは、「行き先が選べない」という点です。

募集中の公館リストからお気に入りの国を見つけて、そこでの生活を夢描いて受験される方は多いですが、各公館の募集ポスト数は基本1つです。

当時は90名ほどの合格者(90ポストの募集)がいましたが、毎回の受験者は3000人ほど聞いています。

合格倍率は30倍ほどかもしれませんが、一つのポジションに受かる可能性は圧倒的に低いです。

また、周りを見ていても、留学先はアメリカで希望はイギリスの子はアメリカの公館へ、留学先はイギリスで希望はアメリカだった子はイギリスへ、というパターンが多かったように感じました。

これには、赴任後にイメージと違って病まれたり、辞められたりするのを防ぐため、外したくないという採用側の考えが見えます

面接でも「アフリカの国々も派遣先としてありますが、あなたは本当にアフリカでもいきますか?」などと聞かれます。 

あくまでも私の個人的な意見ですが、求められている像は「どこにでも行く気があって、2年の契約を全うしてくれるタフなやつ」な気がしました。

あ、ただアフリカに行きたいと思っている少し変わったそこのあなた。安心してください。

アフリカの公館に関しては、おそらく希望者も少ないのか、希望通り通ったという方が多い印象でした。

前述の通りですが、途中で辞められたり、合格通知後に辞退されたくないので、アフリカの公館へは希望者を優先しているんだろうなとは想像します。

国によっては生活カツカツ

これはどこに基準を置くかですが、金銭的には、大企業の新卒採用で東京で一人暮らしする場合に比べると、それなりに良い生活を過ごせるところが多いと思います。

報酬は公館によって異なります。途上国や不健康地域とみなされた派遣先では報酬は高い傾向にあります。物価や家賃も考慮されていますが、赴任先での金銭面の差はカバーしきれていない印象でした。

私の場合、国内旅行に行く際や、日常の買い物では値段を気にすることなく、食事はほとんどオーダーか外食といった生活して(かなり散財しました)、帰国時には250万円程貯まっていました。

隣国の友人は、物価が高いので毎日お弁当を作って節約生活をしていましたが、私の2倍ほど蓄えて帰ってきた方もいました。

ただ、上述で「金銭的には」と言ったのは理由があります。世の中うまくできています。

物価が安い国はそれなりに治安が悪かったり、教育レベルが低かったり、インフラが整っていない傾向にあります。

それが何を意味するかというと、お金は貯まるものの、治安が悪いゆえに安全面にはいっそうの注意を払わないといけない、教育レベルの低い地域だと気の合う友達ができにくい、インフラが整っていないため食中毒で体調を壊したりなどと、しっかり対価を支払うことになります。

今この記事を読まれている大半の方は20代だと推察しますが、途上国で20代前半で高級職についている人なんて、まあ、いません。友達を作ろうとしても、教育レベルの違いから論理的な会話ができなかったり、相手はお金がないので旅行は一緒に行けなかったり、社会人と学生の生活リズムの違いから予定を合わせにくかったりと、苦戦することは多いです。

その点は欧米圏に行くと楽かもしれませんね。もちろん別の苦難があるのだと思いますが。

ちなみに、在外公館の報酬は、現地で勤務する職員が本省(外務省)に対して、「私達はこれくらいの仕事をしていて、こんな物価で、こんなリスクがあるから、これくらいの額にしてくれ!」といったアピールをして、認められた額が適用されているようなので、報酬額は実態に見合った額というよりかは、過去にその地に駐在していた職員の努力によるところも大きいようです。

契約後の生活の保証はないから覚悟してね

淑子ちゃん
淑子ちゃん

契約後はどういったキャリアプランになるのかな?

多くの方が気になる、契約後のキャリアではないでしょうか。

私の知る限りでは以下のような方々がいます。

A君
A君

派遣先からリモートで就活を行い、日本企業の新卒採用枠で内定をいただきました。

帰国2週間後にドタバタで内定先に入社しました。

Bさん
Bさん

帰国後は2ヶ月ほどニートをしてから、転職活動をして就職しました。

Cさん
Cさん

契約期間中に外務省の事務職の募集がありましたので、そちらに応募し入省しました。

D君
D君

大学3年生の終わりから休学して赴任したので、復学しました。

Eさん
Eさん

同制度での就業経験をアピールしつつも、あくまでも自力で外務省の専門職の内定を得たので、入省しました。

Fさん
Fさん

現地でパートナーに出会ったので、現地に留まることにしました。

日本で転職活動を行う場合は年齢にもよりますが、スキルが求められます。

本制度で身に付く、アピールできるスキルや経験というのは残念ながらあまりありません。

加えて、同制度は知名度が低いため、同制度での経験を説明するだけでは面接官にも響きません。

受験希望者に、帰国後の転職のコツをお伝えするのは気が早い気がしますが、以下は私が実際に使った方法です。

・民間企業の場合

在外公館ではお役所での働き方や行政職の方々の考え方を学べました。

貴社では官公庁などの政府機関を相手として営業職に就きたいです!

官公庁での就業経験2年として、官公庁向け営業ができるとアピール

・行政職の場合

在外公館では政府機関独特の業務プロセスを学べました。

御機関では即戦力として活躍できると思います!

外務省の支店のような大使館での勤務経験を活かして、行政の事務職のつらさは知ってますとアピール

2年間、海外で、政府系機関で、庶務関係で、働くということは、自分のキャリアにもそれなりの影響を及ぼします。

上記のように、

・政府系機関

・お役所相手にしたポジション

・海外駐在経験として海外を相手にするポジション

など、2年間の経験が活かせる仕事であれば転職しやすいでしょうし、応募動機も説明しやすいです。

逆にいうと、全く関わりのない分野を目指されている方は、上記の要素も含め、次の2年間の過ごし方として本制度が最善の選択かどうかはしっかりと検討される方が良いと思います。

冒頭に触れた合格者の男女比率についてですが、以下が考えられます。(男女差別ではなく、あくまでも世界の実態に則して書いているので多めに見てください。)

男性はキャリア志向の方が多く、期間付きの仕事はリスクが高いと判断し、応募段階から少ない

現地でパートナーを見つけて移住案が男性にはあまり現実的ではない

海外でモテない日本のおじさんたちは若い女の子に来て欲しい

実際に、派遣員と外交官で結婚というケースは少なくないみたいです。

ちなみに、契約満了後は3ヶ月?の失業保険が適用されます。(条件あり)

ただこれを頼りにしているとあっという間に食いっぱぐれるので、頼らないようにしましょうw

特殊言語受験ならアリかも

散々厳しいコメントをしましたが、特殊言語での受験もあります。

その言語が使われる特定の公館への派遣になるため、比較的行き先が絞りやすいです。

言語では、ロシア語、トルコ語、アラビア語などがありました。

各公館は派遣員を募集する周期(基本2年ごと)があるので、期によって特定言語の募集がないこともあるかもしれません。

また、特殊言語を学ばれていて、将来もその言語を使っていきたい方は、いずれにしても就職先も絞れてくるのではないでしょうか。また言語能力がより問われるということで、2年間現地で言語や文化を学べるのは将来活かせる強みになりそうですね。

まとめ

現在も公務員の方と働く機会が多いのですが、ガツガツ昇給を目指している人などは少なく、基本的には温厚で、大きな夢を持って頑張っている明るい若者を好いてくれる方は多いイメージです。

ただ、職場環境としてはそんな若者の夢を潰すような場所であることも否めません。笑

が、それなりの待遇+特定の分野でのキャリア形成をできる可能性はあるので、該当される方にはもってこいな制度であると私は考えます。

やってみてからしかわからないこともありますが、ぜひ将来自分がどうなりたいかも考えて、受験を検討されれば良いと思います。

また、派遣される方は厳しい時もあるかと思いますが、必ず将来の糧になりますので、死なない&捕まらない程度に、色々とチャレンジして、楽しんで、充実した2年間を過ごせることをお祈りしております^^

上記は個人的な意見や過去の情報を含みます。受験形式等は公式HPなどからご自身でご確認ください。

続編として、以下の記事も書いてみました。ぜひチェックしてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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