【小学生向け】生理とは
まず、生理とはなんなのかを小学生向けに解説します。
すでに学校の保健の授業で習った人も、復習をかねてチェックしてみてくださいね。
生理が来る前、お腹にある「子宮」という臓器では、赤ちゃんができたときに備えた準備が始まっています。
具体的には、赤ちゃんのもとになる細胞を、受け止めるためのベッドができるのです。
このベッドを「子宮内膜」と言います。
しかし、赤ちゃんのもとになる細胞ができなかった場合、子宮内膜はいらなくなってしまいます。
いらなくなった子宮内膜は、はがれ落ちて、血液と一緒に3〜7日ほどかけて体の外に出て行くのです。
このように、子宮内膜と血液が出ていくことを「生理」と言います。
生理は、医学用語では「月経」とも言いますよ。
小学生、初めての生理はいつ?どんな感じ?
初めての生理のことを、「初潮」または「初経」と言います。
ここからは、初めての生理について詳しく紹介します。
初めての生理はいつ来るのか
初めての生理は、 10〜14歳頃に迎える人が多いと言われています。
つまり、小学校4年生から中学校2年生頃ですね。
生理は個人差がとても大きいもので、初めての生理が来る年齢にも開きがあるのです。
しかし、小学校2〜3年生など初潮がとても早い場合、逆に中学校3年生や高校生など初潮がとても遅い場合には、婦人科にかかることも検討しましょう。
生理のことを話すのに抵抗を感じるかもしれませんが、まずは家族や保健の先生などに相談してみてくださいね。
参考:
日本産婦人科医会「初めての生理(初経)はいつごろに始まりますか?」
自由が丘ちあきレディースクリニック「月経異常・月経痛」
初めての生理の前兆
初めての生理が来る前には、身長がぐっと伸びる、胸がふくらむ、脇毛が生えるなどの体の変化が起こることが多いです。
また、さらにはっきりとした前兆としては、
- おりものが出る
- お腹や頭が痛くなる
- だるい
などが見られることがあります。
おりものとは、子宮やその周辺の器官から出る分泌物です。
生理で出てくる子宮内膜や血液は赤い色ですが、おりものは白やクリーム色をしています。
生理の前にはおりものが増える傾向にあり、初潮の前にはショーツについていることがありますよ。
また、頭痛や腹痛、だるさなどは、生理前のホルモンの影響で起こると考えられています。
人間の体では多くの種類ホルモンが働いていて、生理の前には女性ホルモンの分泌量が変化し、体にさまざまな影響を与えるのです。
初めての生理は何日続く?
生理は3〜7日ほど続く人が多いです。
その間は、自分の意思とは関係なくある程度の量の血液が出るでしょう。
しかし初めての生理の場合、少しの血液や、血液が混ざったおりものがショーツにつくだけの人もいますよ。
2回目の生理はいつ?
生理は一定の周期で繰り返され、25〜38日ほどで次の生理が来る人が多いです。
ただし、小学生で生理が始まったばかりの場合は体が安定せず、それより早く・遅く次の生理が来ることもありますよ。
生理周期が一定になるには、半年から2〜3年かかると言われています。
生理中の小学生の過ごし方
ここからは、生理が来たらそのように過ごせば良いのかを紹介します。
ゆっくり休む
生理中には、さまざまな不調が訪れることがあります。
なかでも生理が始まったばかりの小学生の場合、不安な気持ちになることもあるでしょう。
そのため生理中は無理をせず、辛いと感じたらゆっくりと休んでください。
しっかりとご飯を食べる
生理中に食事制限をすると、さらなる体調不良の原因になることがあります。
そのため、栄養バランスの良い食事をしっかりと食べましょう。
特に、生理中に不足しがちな鉄分をとれる肉やほうれん草、体を温められるごぼうやにんじんなどは積極的に食べると良いですよ。
食欲がない場合は飲み物や味噌汁などで水分不足を防ぎ、少しでも食べられそうな物を探してみてくださいね。
体を冷やさない
生理中に体を冷やすと、お腹の痛みが強くなることがあります。
冬はもちろん、夏もクーラーで体が冷えるので、生理中は脚やお腹を出すファッションは避けるのがおすすめです。
さっと体を覆えるカーディガンやスカーフなどを持ち歩くのも良いでしょう。
体を清潔に保つ
生理中は、ナプキンについた血液に雑菌が繁殖することがあります。
雑菌は、嫌な匂いや病気の原因になるのです。
そのため、ナプキンはこまめに取り替えましょう。
またお風呂に入り、デリケートゾーンをきれいに洗うことも大切です。
生理中のデリケートゾーンを触るのに抵抗がある人もいるかもしれませんが、しっかりと石鹸を泡立て、手で優しく洗えば大丈夫ですよ。
いつものボディソープでも良いですが、専用ソープの購入を考えても良いでしょう。
小学生の生理に向けて準備しておきたいもの
小学生の初めての生理はタイミングに個人差があり、自分でもいつ来るか分かりにくいものです。
「突然来た」と驚くことも多いので、あらかじめ生理用品を準備しておくと安心でしょう。
小学生の生理に向けて準備しておきたいものとしては、以下のものが挙げられます。
- 生理用ナプキン
- サニタリーショーツ
- 生理用品を入れるポーチ
生理用品にはさまざまな種類がありますが、まずはこれらの定番アイテムを準備しましょう。
それぞれ、詳しく紹介します。
生理用ナプキン
生理用ナプキンとは、ショーツにつけることで血液を吸収し、下着や服に漏れないようにするアイテムです。
見た目は縦長のコットンのようで、片面に粘着素材がついており、シールのようにショーツにくっつけられますよ。
また左右に小さな羽がついていて、ショーツの股の部分に折り返してつけることでよりずれにくくできるものもあるのです。
生理用ナプキンはサイズや厚みもさまざまです。
大きく厚いほどたくさんの血液を吸収できるようになっていますよ。
とはいえ、出血量によっては、1枚だけでは足らないこともあります。
また、動くうちにずれてしまったり、汚れたナプキンをずっとつけているとムレやかゆみ、嫌な匂いの原因になったりすることもあるのです。
そのためお出かけのときはナプキンを複数持って行き、2〜3時間に一度ほどの頻度で交換しましょう。
サニタリーショーツ
サニタリーショーツとは、普通のショーツと違い血液を吸収しやすい素材、ナプキンを付けやすい構造のショーツです。
もちろんいつものショーツでも大丈夫ですが、生理に備えて用意しておくと良いでしょう。
生理用品を入れるポーチ
先ほど紹介した通り、生理用ナプキンは1日に複数枚使用します。
また汚れたときの取り替え用にショーツを、痛みが辛いときに備えて薬を持ち歩くという人もいます。
しかし、トイレに行くたびにこれらをバラバラに手に持つのは大変です。
そのため、生理用品をまとめて入れておけるポーチを用意しましょう。
小学生の生理、家族はどう接する?
最後に、生理を迎えた小学生への家族の接し方を紹介します。
あらかじめ話しておく
小学校3〜4年生など生理が来るかもしれない時期になったら、家族のなかで生理について話しておくと良いでしょう。
そうすることで生理について理解しやすくなりますよ。
また、生理用品の用意や心身の変化についてなど相談したいことがたくさんできます。
トイレや下着を汚してしまったと、言いにくいと感じる話も出てくるでしょう。
しかし事前に話しておくことで、生理に関する話もしやすくなります。
「大丈夫」と伝える
生理を迎えたばかりの小学生は、不安や戸惑い、恥ずかしさなどさまざまな気持ちを抱えているでしょう。
そのため、家族は「大丈夫」と伝えて安心させてあげることが大切です。
生理用品の使い方を教える
生理用品は、実際に手にとって見なければ使い方が分からないこともあるでしょう。
そのため、生理用品を使ったことのある家族から、直接使い方を教えてあげるのもおすすめです。
ナプキンのほか、タンポンや月経カップなど生理用品にはさまざまな種類があるので、一緒に勉強してみましょう。
お祝いは控えめに
生理が来ると、成長したとお祝いしたくなることもあるでしょう。
確かに順調に生理が来るのは良いことですが、とてもプライベートな出来事であり、家族であっても、人に知られたくないと思う人も少なくありません。
特に、お父さんやお兄さんなど男性の家族には知られたくないという声もあるのです。
そのため、大きな声で話したり、お赤飯を炊いたりしてお祝いするのはおすすめしません。
生理が来たことを打ち明けられたら、静かにお祝いしてあげてくださいね。
小学生の生理、正しい知識で準備を整えよう!
今回は、小学生と家族に向けて、生理の基本情報やさまざまな注意点について紹介しました。
生理は個人差が大きく、心身の不調も感じることが多いので、小学生は不安に思うこともあるでしょう。
この記事を参考に、自分自身で、そして家族で、生理についてじっくり考えてみてくださいね。