第二種電気工事士とは?業務内容や資格の取得方法を解説
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第二種電気工事士とは?業務内容や資格の取得方法を解説

2021年10月6日

電気工事士とは、電気設備を行うために必要な国家資格です。この資格は第一種と第二種に分かれており、取得した種類によって工事可能な範囲が異なります。
第二種電気工事士は、いわば「入門資格」です。そのため第一種電気工事士を目指す方も、まずは「第二種」から取得したほうがよいでしょう。
そこで今回は、第二種電気工事士の資格取得方法や担える業務内容について詳しく解説します。

 

第二種電気工事士とは

第二種電気工事士とは、一般財団法人電気技術者試験センターが開催する筆記試験と技能試験の合格者を指します。資格は2つの級に分かれており、今回紹介する第二種電気工事士は「第二種」の試験合格者です。
「電気工事士」として現場入りするためには必須条件となる国家資格で、この資格がないと基本的な電気工事の作業に携われません。軽微な作業であれば無資格でも行えますが、工事現場で活躍しにくいため、ほとんどの職人はまず「第二種」を取得しています。

第二種電気工事士の試験は、学歴や実務経験が必要なく、誰でも何歳からでも取得できます。
また、合格率は例年60%前後と言われており、他の建設系国家資格と比べると合格しやすい試験と言えます。そのためテキストや過去問を使って対策を行えば、未経験者でも合格が狙えるでしょう。
電気関係の仕事へ転職を考えている方にはオススメの資格です。

 

第一種電気工事士と第二種電気工事士の違い

電気工事士には第二種の他に「第一種」があります。第一種電気工事士を有すると、第二種よりも幅広い業務が可能となります。以下では第一種と第二種の違いについて解説します。

第一種電気工事士
第二種の範囲と最大電力500kw未満の工場、ビルなどの工事に従事可能。


第二種電気工事士
一般住宅や店舗などの600V以下で受電する設備の工事に従事可能。

 
第一種電気工事士のほうが扱える電圧の幅が広く、工場やビルなどの大規模な現場にも対応可能なのです。つまり第一種を取得していると業務の幅が広がり、さまざまな案件に出会えます。
その一方で第二種電気工事士は、一般の住居や小規模の店舗に限られます。
そのため電気工事士としてキャリアアップを目指す方は、必ず第一種の免許取得も視野に入れておくことをオススメします。

また第一種と第二種の違いには、他にもあります。
第二種の場合は取得後に資格証が発行されますが、第一種は3年以上の実務経験が必要になります。つまり未経験者が第一種電気工事士の試験に合格しても、実際に免許状が交付されるのは3年後となるのです。
そのためまずは「第二種」の免許を取得して実務経験を積み、第一種を受験した方がよいでしょう。

 

第二種電気工事士の業務内容

上記では電気工事士の概要と、第一種・第二種の違いについて説明しました。そこで以下では「第二種電気工事士の業務内容」について、より詳しく解説します。

作業できる範囲

まず一般用電気工作物における第二種電気工事士の施工可能範囲は、一般住宅や小規模な店舗、事業所等の電圧600V以下で受電する場所の配線や電気設備などです。
第二種電気工事士は「電圧600Vまで」と制限があるため、大規模な工事というより中小規模の工事がメインとなるでしょう。

 

実際の作業例

実際の作業例としては、下記などが挙げられます。
– 屋内に布設された電線類、分電盤内のブレーカ類、壁に取付けられたコンセント類などの屋内配線工事
– 建物の外壁に沿って布設された電線類、外壁に取付けられたコンセント類などの屋側配線設備工事
– 庭などの敷地に布設された架空電線及び地中電線などの屋外配線設備工事

主に屋内の配線や照明、コンセントやエアコンの設置工事などが挙げられます。第二種を取得すると住宅や小規模の店舗、さらに工場などの電気工事を担うことができます。他にもビルの管理業務など、電気関連の管理が多いポジションへ就職も可能です。

 

第二種電気工事士の資格を取得するメリット

第二種電気工事士の資格を取得すると、以下3つのメリットがあります。

転職に有利に働く

「電気工事士」と聞くと、現場の作業員が取得する資格のように考える方も多いのではないでしょうか。しかし電気に携わる企業においては、転職に有利になることも多々あります。
たとえば照明を販売している販売メーカーや実際に卸している代理店の場合、電気工事士免許を有しているとクライアントとのやりとりがスムーズになります。
また電気工事の知識を有していると、ビル管理や施設管理のような役割にも転職しやすいです。

 

ステップアップが見込める

企業によっては、第二種電気工事士の資格を取得することで、給与アップや昇進などさまざまなステップアップが見込めます。
また、資格取得の勉強によって知り得た知見は、実際の業務で大いに役立つはずです。電気の基礎知識を学ぶことで、自分自身の価値も向上するでしょう。
第二種電気工事士の資格取得をきっかけに、さまざまな分野の学習意欲が高まるかも知れません。

 

一生役立つ万能なスキル

私たちの生活で「電気」は密接な関わりがあります。そのため仕事として使用するかどうか以前に、生活する上で重要な知識でもあります。
第二種電気工事士の免許を有していれば、一般住宅規模の工事はご自身で行えます。電気の不具合が起きたときはすばやくチェックでき、修理できるスキルは一生役立つでしょう。
第二種電気工事士は、電気工事初心者の方でも比較的に取得しやすい資格です。ぜひ挑戦してみてください。

 

第二種電気工事士の試験概要

一般財団法人電気技術者試験センターが開催する「第二種電気工事士」は、年に2回行われます。
例年、上期試験は6月〜7月頃、下期試験は10月〜 12月頃に開催しています。全国の指定会場で受験できるので、お近くの会場を探してみましょう。

試験内容

第二種電気工事士の試験は「筆記試験」と「技能試験」の二種類があり、どちらも合格することで資格が取得できます。

【筆記試験】

テストの時間は120分で、問題は全てマークシート方式です。全50問中30問の正解で合格できます。出題内容は以下の通りです。
1)電気に関する基礎理論
2)配電理論及び配線設計
3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
4)電気工事の施工方法
5)一般用電気工作物の検査方法
6)配線図
7)一般用電気工作物の保安に関する法令

最近はテキストの種類も豊富にあるため、独学でも勉強可能です。その場合はテキストで勉強しながら、過去問を解いてテスト形式に慣れることをオススメします。

 

【技能試験】

制限時間は40分で、一般社団法人電気技術者試験センターが毎年1月に発表する「技能試験候補問題13候補」の中から1問出題されます。実際の試験ではセンターが指定した「指定工具」を使い、実際に作業を行います。
時間配分や作業の正確性が問われる試験ですが、問題が事前にわかっているので練習して挑めば問題ありません。技能試験用のテキストがあるので、教材をみながら練習するとよいでしょう。ちなみに指定工具は下記の通りです。
・電工ナイフ
・ペンチ
・圧着ペンチ
・ドライバー(プラス)
・ドライバー(マイナス)
・ウォータポンププライヤ
・スケール

 

合格率

第二種電気工事士の合格率は、筆記試験が60%前後、技能試験が70%前後です。これは他の建設系国家資格と比較しても高い数値で、挑戦しやすい資格であることを意味します。
また、他の建設系国家資格では、受験の際に「実務経験」が必要なケースが多く、未経験者の方はそもそも受験できない場合がほとんどです。しかし第二種電気工事士は、学歴や経験は不問なので、未経験者の方でも挑戦できます。テキストも豊富なので、独学で合格も十分に狙えるでしょう。
独学で試験に挑む場合、勉強期間は2〜3ヶ月を予定しておくことをオススメします。まずはテキストで基本知識を押さえ、その後は過去問を中心にテスト慣れするようにしましょう。

 

まとめ

第二種電気工事士は、電気工事士として現場入りするためには欠かせない国家資格です。また、学歴や経験年数を問わない試験で、他の試験と比較しても合格率が高い特徴がありますので、電気関係に関わる仕事がしたい方は、取得することをオススメします。

 

 


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