ロードローラーとは?種類や役割、タイヤローラーとの違いを解説
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ロードローラーとは?種類や役割、タイヤローラーとの違いを解説

2021年9月7日

建設現場でよく見かけるロードローラーは、アスファルトや土壌を押し固め、道路を整備する際に使用します。このロードローラーには様々な種類があり、目的や工事条件に応じて使い分けています。
そこで当記事では「ロードローラーの種類や役割」に着目して、各種の違いについて解説します。さらに必要資格なども紹介しているので、重機操作に携わる仕事を希望する方は最後までご覧ください。

 

ロードローラーとは

ロードローラーとは、建設現場で地面を押し固めるために用いられる建設機械です。車体についている円筒状の回転物で道(road)を均すので、ロードローラー(road roller)と名付けられています。また、呼び名は「ローラー」や、官公庁などの役所では「締固め用機械(しめがためようきかい)」と呼ばれることもあります。どの呼び名も同じ重機を指しているので、合わせて覚えておくとよいでしょう。

このロードローラーは、アスファルトの舗装や土壌整備を行うときに使用されます。道路や基礎の建設、礫やコンクリートなどを押し固める際に使う重機です。
ロードローラーは道路交通法で大型特殊自動車に分類されています。そのため、運転する際には大型特殊免許もしくは小型特殊免許が必要です。
また、実際の現場ではこの他にも締固め用機械運転者の資格保有者以外は作業できませんので、ロードローラーの操作を目指す方は、これらの資格を取得しましょう。

 

ロードローラーの種類と役割

ロードローラーには様々な種類があり、転圧する対象や場所に合わせて使い分けます。以下ではロードローラーの種類と、それぞれの役割について解説します。

タンデム式ロードローラー

タンデム式ロードローラーは、前後に1つずつの車輪を持ったロードローラーです。タンデムローラーやタンデムロードローラーとも呼ばれています。
車体の前後についた巨大なローラー(鉄輪)で、走行しながら地面を圧迫し転圧します。主に道路建設の下層路盤の転圧で使用されることが多い種類です。舗装の表面と路床との間の砕石や砂部分が押し固められるため、より強固な道路を作ることができます。

【タンデム式ロードローラーの特徴】

– 駆動方式は片輪・両輪の2種類
– 動力伝達方式は機械式・油圧式
– 仕上げ面の平坦性が優れている

タンデム式ロードローラーには、駆動方式や電力伝達方式があり、駆動方式は片輪・両輪の2種類で、動力伝達方式は機械式・油圧式の両方があります。そのため現場状況や目的に合わせてフレキシブルに重機選定ができるでしょう。
また、後ほど紹介するマカダム式ロードローラーよりも仕上げ面の平坦性が高い重機となるため、幅広い施工が可能で建設現場でよく使われているタイプです。

 

マカダム式ロードローラー

マカダム式ロードローラーは、前方に1つ、後方に2つ大きく重い車輪(鉄輪)を持ったロードローラーです。マカダムローラーやマカダム式ローラーとも呼ばれています。
走行することで地面に圧力をかけて地面を押し固めます。自重は6~16tと重量があるため、アスファルト舗装や路盤の締め固めを行うときに活躍する種類です。

【マカダム式ロードローラーの特徴】

– 重量のある車輪を有している
– 案内輪(1輪側)と駆動輪(2輪側)からなる2軸3輪型
– 砕石の締固めやアスファルト混合物の初期転圧に適している

マカダム式ロードローラーは、鉄などを使った重さのある車輪を有しています。そのためタンデム式ロードローラーよりも、道路工事初期の転圧に向いている重機です。砕石の締固めやアスファルト混合物の初期転圧などに適しており、建設現場で最も使用されています。

 

タイヤ式ロードローラー(タイヤローラー)

タイヤ式ロードローラーは、左右一列に3~4個配置した空気入りのタイヤを有したロードローラーです。
タイヤ3~4個で構成された車軸が車体の前後に配置されており、そのタイヤを使って転圧やアスファルトの表層仕上げを行います。タンデム式ロードローラーやマカダム式ロードローラーよりも、車体が軽く小回りがきく点がメリットです。

【タイヤ式ロードローラーの3つの特徴】

– 空気入りのゴムタイヤを使用
– 転圧作業の騒音が小さい
– 散水装置が付随

タイヤ式ロードローラーは、空気入りのゴムタイヤを使用しています。そのため取り回しがしやすく、アスファルト塗装の仕上げ工程にもよく使われます。
また、タンデム式ロードローラーやマカダム式ロードローラーと比べて車体が軽いため、転圧作業時の騒音が小さく済む点も特徴のひとつです。しかし、地固めの対象によってはゴムタイヤに対象物が付着することもあるため、タイヤ式ロードローラーには散水装置が備わっています。
重機を操縦する際には、これらの操作方法も把握しておきましょう。

 

ハンドガイド式ロードローラー(振動ローラー)

ハンドガイド式ロードローラーは、振動機能が備わった手押し型の小型ロードローラーです。上記で紹介したロードローラーは、重機内の操縦席から操作をしますが、ハンドガイド式ローラーの場合は手押し型の小型タイプです。そのため、重機の入れない狭い道路などの舗装作業で活躍しています。
重機が小型なので、他の種類と比較するとパワーは劣りますが、鉄輪や機体にバイブレーション装置が備わっているため、しっかり締固めを行うことができます。

【ハンドガイド式ロードローラーの特徴】

– 振動機能が備わった手押し型
– 狭いエリアの作業が可能
– 締め固めに最適

ハンドガイド式ロードローラーは、手押し型のタイプです。大きな車輪を転がして地固めする上記ロードローラーとは、根本的に形が異なります。大規模な舗装作業などには不向きになりますが、一部のメンテナンスや大型重機が入れない狭い道での作業が可能です。
また、ハンドガイド式ロードローラーは振動機能を使いピンポイントで圧をかけることができます。目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。

 

コンバインド式ロードローラー

コンバインド式ロードローラーは、前方と後方のどちらかに鉄輪を備え、もう片方にタイヤを備えているロードローラーです。ローラーとタイヤが持つそれぞれの長所を活かし、アスファルトや路盤、道路の基礎部分など様々な場所の転圧から仕上げまで行う重機です。
また、鉄輪には振動機能がついているため、振動によって高い締固め効果を発揮します。

【コンバインド式ロードローラーの特徴】

– ローラーとタイヤの二種類の車輪を持つ
– 幅広い用途で使用可能
– 振動機能を装備

コンバインド式ロードローラーは、鉄製のローラーとタイヤの車輪を装備したロードローラーです。そのためアスファルト舗装はもちろんのこと、砕石や粘性土など様々な場所で使用できます。
さらに振動機能を装備しているため、強い締固めが可能です。ローラー自体の重さの3~4倍の転圧力を地面に加えることもできます。

 

ロードローラーに必要な資格

ロードローラーを操縦する際には「公道で走行するための資格」と「作業するための資格」が必要になります。
ロードローラーを公道で走行するためには、以下の免許が必須です。
・大型特殊自動車免許
・小型特殊自動車免許(普通自動車免許)


ロードローラーのサイズによって、必要な免許が異なります。長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下、速度15km/h以下は小型特殊自動車免許、それ以上は大型特殊自動車免許が必要です。様々な現場で活躍したい場合はどちらも取得するとよいでしょう。

また、ロードローラーを作業で操縦する場合は、以下の免許が必須です。
・締固め用機械運転者

これは作業中の事故防止のために、労働安全衛生法(第59条第3項)労働安全衛生規則(第36条第10号)安全衛生特別教育規程(第12条)で定められています。
また、事業者はローラー作業をする作業員に対し、この特別教育を受けさせる義務があります。

 

ロードローラーを扱える職種

ロードローラーは建設業界の中でも土木業界で使用が多い重機です。ロードローラーが扱える職種には以下などがあります。
・建設機械オペレーター
・舗装作業員(ロードローラー操縦工)


建設機械オペレーターは、ロードローラーを含む様々な建設機械が操縦できる仕事です。現場の作業に応じてフレキシブルに対応できるため、重宝されています。
また、ロードローラーを使った舗装作業員の仕事もあるので、気になる仕事を探してみるとよいでしょう。
企業によっては、免許取得にかかる費用をサポートしている場合もありますので、ロードローラーの操縦未経験者でも、転職が十分に望めるでしょう。

 

まとめ

ロードローラーは、アスファルトや土壌を押し固め、道路を整備する際に使用する建設重機です。そして操縦する際は、大型特殊免許や締固め用機械運転者といった資格が必要になります。免許取得のサポートを行う企業もあるので、未経験者の方はそのような企業を探すとよいでしょう。

 

 


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