【私のちいき愛Vol.4】俳優・舘ひろしさん仲間と過ごす時間が「ふるさと」
この夏公開の映画で軍人・山本五十六を演じる俳優の舘ひろしさん。
地元・名古屋でのロケの裏話や、ずっと変わらない「仲間」と「ものづくり」への思いを聞きました。
そんな舘ひろしさんから「ちいき新聞」&「ちいき新聞web」読者にメッセージをいただきました!
まずはこちらをご覧ください♪
※こちらの記事は、「ちいき新聞」(一部エリアを除く)で掲載された記事を再編集してお届けします。
(撮影/小池彩子)
公開 2019/07/03
名古屋弁で仲間と話す時間それこそが「ふるさと」
ラグビー一色の高校時代は、今でも宝物
舘家は名古屋で古いんですよ、本家は岐阜にあって分家して300年くらいかな。
小学生まで真面目な子で、中学でその反動が出ちゃったけど(笑)、高校はラグビー一色でした。
ある日グラウンドを眺めてたら、向こうからゴリラみたいな人が来て、「お前はラグビーをやれ」って(笑)。
それがラグビー部の初代キャプテンでした。
つらかったけれど楽しかった。
2年生の時に2代目キャプテンになって、上に立つ孤独を知り、自分より人のことを慮ることを学びました。
先輩後輩の上下関係とか、それは今に生きています。
毎年1月3日に開かれるラグビー部のOB会は、120〜130人集まるんですよ。
そこでは皆、高校生のまま。
僕も当然、名古屋弁に戻ります。
その帰りに、僕の同級生たちは僕の実家に寄って、おふくろが作るぜんざいを食べるのが恒例行事。
同級生と名古屋弁でずっと話してるのが、ただただ楽しい。
それが「ふるさと」なのかな。
芝居も「ものづくり」の視点から
上京して、千葉工業大学建築科に入学しました。
「ものづくり」が好きなのは、今も変わらないですね。
僕は芝居をしている自分をどこか俯瞰で見ている。
全体の中で自分が一つのパーツになって、皆で作品を作っていくのが好きみたい。
役作りも楽しいですね。
実在の人物の場合は必ず本を1冊、見つけます。
織田信長や大石内蔵助をやったときも、皆のイメージと違う人物像を探して役作りをしました。
今回の山本五十六は、山崎監督から「人たらしの五十六をやってくれ」と言われて、人間的でお茶目な五十六を作っていくのが楽しかったですね。
地元・名古屋でロケ 会議シーンは必見
名古屋市役所でのロケもありました。
去年の猛暑のさなかで、クーラーも無くて大変でしたけれども、ロケの場所としては雰囲気があって「映画を撮ってる」って感じがしましたね。
撮影中に、地元の「梅花堂」の大福を差し入れしたんです。
「鬼まんじゅう」で有名な店ですが、僕はここの大福が大好きで。
でも監督や菅田くんも、リアクションいまいちだったなぁ(笑)。
菅田くんは本当にすてきな素晴らしい俳優さん。
クライマックス、緊迫した中で長ぜりふを言う会議シーンがあるんですが、監修の数学者の方が感動して泣いていたそうですよ。
山崎監督が厳しいからね、カットを割らずに最後までやらせるの。粘る。
その独特の緊張感があるからこそ、いい映画が撮れたんじゃないかな。
あの会議のシーン。僕はあれだけでこの映画を見る価値があると思いますよ。
映画『アルキメデスの大戦』
ⓒ2019「アルキメデスの大戦」製作委員会
ⓒ三田紀房/講談社
『永遠の0』の山崎貴監督が「戦艦大和」をテーマに描く、数学で戦争を止めようとした男の物語。
原作は、「ドラゴン桜」で一世を風靡(ふうび)した三田紀房の同名漫画。
主人公の天才数学者・櫂直(かい ただし)に若手トップの演技派俳優・菅田将暉、櫂を海軍に招き入れるキーパーソン・山本五十六に舘ひろし他、豪華俳優陣の共演が実現。
2019年7月26日(金)全国東宝系にてロードショー。
舘 ひろし(たち・ひろし)
1950年3月31日生まれ。
83年に石原プロモーション入社。
「ラグビーワールドカップ2019日本大会」PRキャプテンとして、自身初のツイッターに挑戦中(@Tachi_RWC2019)。
この夏公開の映画「アルキメデスの大戦」では海軍少将・山本五十六を演じる。