2020年7月に出産した小川彩佳さん。現在シングルマザーとして子育て中ですが、「シングルマザーは大変ね」と言われることもあると言います。(全5回中の3回)

シングルマザーとして思うこと

── 小川さんは3歳のお子さんがいらっしゃいます。ご家族や周りの方と交流を持ちながら過ごされているそうですね。

 

小川さん:そうですね。家族みんなで協力しあっています。子育て中の友人親子と集まって遊ぶことも多いです。

 

── 小川さんは、現在シングルマザーとして子育てをされています。ニュース番組でもシングルマザーについて取り上げる機会もあると思いますが、ご自分がその立場になってみて、シングルマザーについてどんなことを思いますか? 

 

小川さん:その方の背景や置かれている環境によっても違いますし、ひと言でこうだと言うのが難しいのですが…。たしかに夫婦共働きの家庭と比べると、シングルマザーは子育てと仕事の両立がより難しいと思います。とくに、コロナ禍では経済的に苦労されたご家庭もたくさんありましたし、表面的にわかりにくくても、支援を求めている方が多くいらっしゃいます。

 

ただ、そうした背景はありつつも、シングルマザーに限らずいろいろな家族の形があっていいなと以前から思っていました。今は女性ひとりで子どもを産み育てることを選択する方もいますし、家族のあり方が多様化してきたと思っています。

「普通」という枠から外れた人?

打ち合わせ中

──「シングルマザーは大変ね」と言われることはありますか?

 

小川さん:そうですね、言われることもあります。気づかいからの言葉なのだとは思いますが、家族の形が多様化している今、シングルマザーもひとつのあり方だよね、というフラットな受け止めがもっとあってほしいな、と思うこともあります。

 

でも、そういった認識が進むには、あらゆるひとり親家庭が、「ひとり」で抱え込まずに、安心して働き、頼ることができる環境が不可欠です。実際私も、家族や友人、職場、保育園、そしてさまざまなサービスのサポートがあるからこそ、子育てをすることができています。

 

「シングルマザー=大変」というイメージを固定化させず、もっと頼っていいんだよというメッセージや支援の広がりがあってほしいと願います。声かけも「大変だね」よりも「ほんとうに頑張ってるね」「なにか手伝えることがあったら言ってね」など、より前向きなものだと、母親の気持ちはまったく違うのではと思います。

 

── 父親役をされることもありますか? 

 

小川さん:…。とくに意識してないですね。あえていうなら子どもを肩車したり、力仕事ですかね。

 

── 肩車もされるんですね!

 

小川さん:はい(笑)。そういう日もあります。

 

リニューアルしたスタジオにて

── 家族や友達、まわりの人と支えあっていけるといいですね。

 

小川さん:そう思います。ひとり親家庭に限らずですが、厳しい状況にある方が適切なサポートを受け、誰もが自分らしく生きられる社会づくりが、私たちにとって大きな課題だと感じます。

 

PROFILE 小川彩佳さん

東京都出身。フリーアナウンサー。テレビ朝日に入社後、2019年に独立。現在、TBS系報道番組『news23』(9月25日よりリニューアル)のメインキャスターとして活躍。

 

取材・文/間野由利子