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2023.05.22 (Mon)

道の駅における運営上の3つの課題!解決への3つの取り組みと今後の方向性も解説

posted by NTT東日本

地域の名産品やさまざまなイベントが楽しめたり、ドライブ中の休憩として立ち寄ったりと、道の駅を利用する人は多いです。しかし、道の駅の運営において費用面や売り上げなどの課題を抱えて、どのように対策をしたら良いのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

道の駅の制度が始まってから30年近くが経ち、施設の老朽化による維持管理費が1つの課題となっています。しかし高速道路の無料化や人口減少などによって利用者が減り、売り上げが減少していることから、必要な費用の捻出に困っている道の駅は多いです。

そこで、今回の記事では、道の駅の運営上の課題や改善策を解説します。具体的に道の駅がどのような対策をしているのか事例を紹介するので、課題改善に悩んでいる担当者の方は参考にしてください。

1.道の駅とは?概要を解説

色々な地域に道の駅が増えつつありますが、そもそもどのような施設なのか概要を解説します。道の駅の3つの機能についても分かる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。

1-1.道の駅とは

道の駅は、市町村もしくはそれに代わる公的な団体が設置する施設で、道路を利用する人が気軽に立ち寄れ、快適で安全な道路交通を提供することや地域の活性化を目的としています。整備方法は、道路管理者または市町村長が整備する「一体型」と、市町村ですべて整備をする「単独型」の2種類です。

平成2年の中国地域づくり交流会での「道路に駅があっても良いのでは」という意見をきっかけに、道の駅が誕生したといわれています。その後、国土交通省は第11次5か年計画の一環として、道の駅の設置を推奨しました。道の駅には、以下の設備が必要です。

  • ・24時間利用できる駐車場とトイレ
  • ・地域振興施設
  • ・情報提供施設

国土交通省は道の駅を地方経済へ好循環をもたらすツールの1つと考え、重点的に応援する取り組みを行なっています。

1-2.道の駅の機能

道の駅には、以下の3つの機能があります。

  • ・休憩機能
  • ・情報発信機能
  • ・地域の連携機能

道の駅では、24時間利用できる駐車場やトイレを設置し、いつでも道路利用者が休憩できる場を提供しています。情報発信機能とは、道路状況や観光情報・緊急医療情報など利用者や地域の方に向けてさまざまな情報を発信する機能です。観光レクリエーション施設や文化共用施設などを用いて、地域同士が連携した活力ある地域づくりを行なう機能もあり、道の駅を通じた地域活性化が期待されます。

さらに、災害があった際には災害対策の拠点として、臨時避難場所や救援物資の中継場所として防災機能を担います。

2.道の駅が抱える運営上の3つの課題

道の駅は、費用負担や売上減少など運営上の課題を抱えています。この章では、道の駅が抱える課題について解説します。現在、道の駅がどのような悩みを抱えているのか把握し、今後の取り組みに活かしましょう。

2-1.設備投資にかかる費用負担

道の駅の制度が始まってから30年近くが経ち、施設の老朽化が問題になっています。そのため、老朽化による修繕や、さらに機能を拡張に向けた設備投資に多額の費用が必要です。単独型の道の駅は市町村の財政状況の影響を受けやすく、複数設置している地域は特に膨大なコストがかかるため、費用の捻出が難しいです。

一体型の場合は、市町村の財政状況だけではなく、国との調整が必要という固有の課題があります。国の支援に依存した維持管理や整備が続くと、持続的な運営が困難になるという点も指摘されています。道の駅を整備する範囲や費用について、国と地域による充分な話し合いが必要です。

2-2.売り上げの減少

道の駅は高速道路の無料化やバイパスの開通による交通量の減少と、近隣の直売所などとの競合による売り上げの減少が課題となっています。実際に平成29年には、北海道の道の駅の運営会社であるナチュラルフロンティアが負債を抱えて自己破産をしたケースがありました。

人口の減少によって利用者が減っているなか少しでも売り上げを増やすため、イベントの開催やPR活動の強化、オリジナル商品の開発など道の駅ごとにさまざまな工夫が行なわれています。

2-3.出荷者の高齢化

道の駅では農林水産物が販売されていますが、出荷者の高齢化が課題となっています。少子高齢化によって農家や漁師の平均年齢が上がり、農林水産物の出荷量もその分減っています。

出荷者の高齢化に伴う出荷量の減少だけではなく、冬になると極端に野菜の量が少なくなる点についても対策が必要です。季節によって商品が減少すると販売店としての魅力が下がってしまうので、オリジナル商品を作ったり他に代わる商品を仕入れたりと対策が取られています。

3.道の駅の運営改善に向けた3つの取り組み事例



道の駅の運営上の課題を改善するため、さまざまな取り組みが行なわれています。
そこで、この章では、道の駅の運営改善に向けた取り組み事例を3つ紹介します。どのような取り組みをするか検討している担当者の人は、運営改善の参考にしてください。

3-1.共催イベントの開催

複数の道の駅が共同して企画し、共催イベントを開催しています。共催イベントを開催することで道の駅の認知度向上や、地域の活性化につながるでしょう。共催イベントだけではなく、全国道の駅連絡会が中心となって、ネット通販に興味のある道の駅が参加した通販サイトが運営されています。

国内だけではなく海外向けのサイトもあり、加工品や生鮮品などがインターネットから購入できるようになるので、道の駅の売り上げや認知度の向上が可能です。さらに、道の駅が共同して考えたコラボ商品やサービスの誕生も期待できます。

3-2.大学との連携

平成27年度に、道の駅と大学が連携したインターンシップ制度が開始されました。大学と連携し道の駅の運営に関わってもらうことで、学生の企画力やスキルを活かした新しい商品・サービスの誕生、SNSを通じた情報発信による認知度の向上が期待できます。

地域づくりや観光振興を学んでいる生徒や、地域活性化に取り組む大学にとっては最適な実習先になっており、道の駅と双方に大きなメリットがあります。大学との連携によって観光振興や地域づくりを担う人材育成にもつながる、将来を見据えた取り組みの1つです。

3-3.災害の被害にあった農産物の販売

台風などの災害により、傷がつき出荷できなくなった農産物の販売会を開催している道の駅があります。傷がついた農産物は通常の流通経路にのせられないため廃棄になるケースがありますが、道の駅で安い値段で販売することで、売り上げ増加だけではなく食品ロスの低減にもつながります。

実際に平成23年11月に長野県松本市の道の駅で台風21号の被害を受けたリンゴを販売し、用意した商品がすべて完売となりました。災害の被害を受けた農家と、農産物を購入したい利用者をつなぐ場所として道の駅が役立っています。

4.道の駅の運営改善へのポイント3選

道の駅で運営上の課題を解決するためにさまざまな取り組みを行なっていますが、個々での取り組みでは限界があるケースがあります。この章では、道の駅の運営改善のポイントを解説します。運営上の課題を解決するためには、どのような点に注目すべきか理解しましょう。

4-1.付加価値の向上

道の駅は、そのブランドを活かして魅力的で新しい商品やサービスを展開し、付加価値を高めることが大切です。個々で通販サイトを運営するのではなく、全国ブランドを活かして複数の道の駅が連携し商品やサービスを提供する形へと移行しましょう。例えば、月替わりで道の駅から商品を届けるサービスのような新しい商品で付加価値を高めることをおすすめします。

また、道の駅を単なる休憩所ではなく「観光のプランニングや周遊案内」「情報発信などのサービスを行なう観光の中心拠点」へと成長することも重要です。近隣の市町村とも連携を取りながら、観光・地域発展をめざしましょう。

NTT東日本では、スマートストアの実証実験を行なっています。購買データをAIで解析することで、利用者の需要や効果的な陳列などが把握できます。道の駅のスマートストア化に興味がある人は、以下のリンク先をご覧ください。

人口減少社会の到来を見据えた「スマートストア」の実証実験を開始

4-2.公的機能のサポート

近隣の道の駅を連携、機能補完を行い、地域全体で住民の安心・安全を提供することが大切です。以下のような施設を地域内の道の駅で連携しながら設置し、公的機能のサポートを行いましょう。

  • ・診療所や福祉施設
  • ・実習施設
  • ・コワーキングスペース
  • ・災害時の避難場所 など

公的機能のサポートを行うことで、利用者の増加はもちろんのこと地域住民にとっても、道の駅でさまざまなサービスが受けられるメリットがあります。

4-3.データの活用

利用者の人数や時間帯、年齢層などさまざまなデータを見える化すると、課題の改善方法を検討する上で参考にできます。例えば利用者の滞在時間に合ったサービスの提供や、特性から商品の陳列の検討が挙げられます。

利用者に関する情報以外にも、立地や商圏・需要予測などのデータを使いながら、経営課題の解決に取り組みましょう。他の道の駅での成功例があるので、参考にしながら検討するのもおすすめです。

5.道の駅運営の課題解決ならNTT東日本にご相談ください

NTT東日本では、REIWAプロジェクトの一環として、地域の可能性を発見する「実証実験・トライアル」のサービスを開始しています。REIWAプロジェクトとは、地域と共にサービスやソリューションを創り、望んだ未来の形をめざせるようサポートする取り組みです。

「実証実験・トライアル」は、クラウド型カメラモニタリング・録画サービス「ギガらくカメラ」とAIを組み合わせ、道の駅や観光地などを利用する車の特性や、滞在時間などさまざまなデータを解析します。解析されたデータはBIツールで見える化され、課題解決のサポートに役立てることができます。ぜひ興味のある方は、以下のリンクからお問い合わせください。

地域の可能性を見つける〈実証実験・トライアル〉

6.まとめ

道の駅は、道路を利用する人が気軽に立ち寄れ、快適で安全な道路交通を提供することや地域の活性化を目的とした施設です。道の駅は、施設の老朽化により設備投資にかかるコスト増や、人口減少による売り上げの減少といった運営上の課題を抱えています。

これらの運営上の課題を解決するために、道の駅同士で共催イベントを開催したり大学と連携したりとさまざまな取り組みを行なっています。今後も運営上の課題を解決するためには、道の駅の付加価値の向上やデータの活用などを進めていくことが大切です。データの収集や解析、活用をするときのサポートツールに興味がある担当者の方は、ぜひ以下のリンクをご覧ください。

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