信用不安に見舞われたクレディ・スイス・グループ(CS)を、スイス金融最大手のUBSが買収すると発表したのは3月19日の日曜日。欧州の主要銀行の株価を示す「ストックス欧州600銀行株指数」は17日の安値から21日までに5%上昇したものの、再び17日の水準に戻ってしまった(28日時点)。

 発表直後から米国を含む主要国の当局関係者が市場や預金者の不安の「火消し」に動いたが、市場の動揺は続いている。市場心理を悪化させているのが、CSの発行した「AT1債」についてのスイス政府の方針だ。

クレディ・スイスの発行したAT1債の価値はゼロになった(写真=ロイター)
クレディ・スイスの発行したAT1債の価値はゼロになった(写真=ロイター)
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