1918年、松下幸之助氏が創業したパナソニック。家電中心の事業構造から車載や法人向け事業へのシフトを目指すが、思ったような芽は出ていない。それでも変わらなければ、激しい競争の波に飲まれかねない。外部人材の積極登用などで、改革を進めるパナソニックの今を追いながら、同社の今後と日本の大企業の行く末を占う。(写真:AP/アフロ)
シリーズ
中山玲子のパナソニックウオッチ
37回
パナソニック品田社長「賭けだった」 家電の指定価格、日立も追従
パナソニックが2020年度に業界で初導入した、家電価格をメーカー側が決める「指定価格制度」。23年秋には日立製作所も導入を決め、業界に浸透しつつある。同制度を仕掛けたパナソニックの品田正弘社長は、商品力ある強い製品と弱い製品をふるいにかける意味があったと語った。
パナソニック、事業選別の号砲 1.3兆円の自動車部品会社を売却
パナソニックホールディングスが今年度内に自動車部品会社を売却する。売上高は約1兆3000億円と同社が売却する事業の規模として過去最大となる。これまでソニーグループや日立製作所に比べて改革遅れが指摘されてきたが、22年に移行した持ち株会社の体制下で事業入れ替えを本格化する。
パナソニック、車載電池で巨額投資 頼みの技術の“賞味期限”は
パナソニックホールディングス(HD)が北米市場で巨額を投じ、車載電池工場を新たに建設する。社運をかけた勝負を託すのが、高いエネルギー密度を誇る「NCA円筒形」と呼ばれる電池。ライバルが実現できていない独自技術を武器に北米市場で一点突破を狙う。同市場でシェアトップという地位を今後も…
IT改革にはこれが不可欠 プロCIOが語る、巨艦パナソニックのDX
日経ビジネスLIVEでは3月22日、パナソニックホールディングス(HD)の改革を最前線で率いる、玉置肇CIO(最高情報責任者)を講師に招いたウェビナーを開催。「強い『松下電器』は復活するか プロCIOが挑む巨艦パナソニックのDX」をテーマに、玉置氏がDXの取り組みや今後の改革につ…
住宅費補助は14年間 パナソニックエナジー、電池人材獲得へ攻勢
パナソニックエナジーが人材戦略を強化している。2024年度の米国での新工場稼働を控え、今後3年で5000人増やす計画で、国内では採用プロセスの短縮化を進めるほか住宅費補助の期間の大幅延長も決めた。
パナソニックを「イケてる会社にする」 プロCIOが挑むDX
パナソニックホールディングス(HD)のIT(情報技術)システムは大きく傷んでいた。2021年5月に同社に転じ、これまでの2年弱、IT改革を進めてきたのが、プロCIO(最高情報責任者)として知られる玉置肇氏だ。入社直後に驚いたことや経営会議でのやりとりなどDX(デジタルトランスフォ…
「えげつない」ヤマダが変身、パナソニックの家電戦略をのんだワケ
パナソニックホールディングス傘下の家電事業会社、パナソニックが進める指定価格の仕組みは価格決定権が小売りからメーカー側に移る。反発する小売りもある中で、全面的に賛同するのが家電量販最大手のヤマダホールディングス(HD)。連載の最後となる今回は、同社の清村浩一執行役員兼経営企画室長…
パナソニックCIO「DXの遅れは経営陣の怠慢が原因」
パナソニックホールディングス(HD)でIT(情報技術)や人事をつかさどる幹部たちは、会社の問題をどうとらえているのか。HD社長の楠見雄規から伝えられた使命の中身や、組織に今必要なものが何だと思うかを聞いた。
パナソニックHD・楠見社長「手を打たねばいずれ滅ぶ」
総合電機メーカーとして、パナソニックホールディングスを知らぬ者はいない。だが、長らく成長のきっかけをつかみ切れず、もがいてきた。組織を変え、理念を磨き直して道をひらく。
道しるべか呪縛か パナソニック、神様・松下幸之助と終わらぬ対話
パナソニックグループの精神的支柱となってきた創業者、松下幸之助。歴代のトップが、その存在に近づいては離れながら経営に当たった。停滞を脱しようとする中で、振り子は再び幸之助へと振れる。
パナソニック、巨額買収の米ブルーヨンダーと始まった融合
パナソニックホールディングス(HD)が傘下に収めた米ブルーヨンダー。世界的な景気減速の波をかぶる中でも、融合への模索が見える。事業会社トップの樋口泰行にとり、3年かけた買収後の本当の仕事が始まる。
さらば家電の安売り パナソニック、マイナーチェンジ地獄脱す
パナソニックホールディングスが成長なき40年からの脱却を目指す中で、家電を扱う大黒柱の新パナソニックは安売りとの決別へと動いている。開発陣の「マイナーチェンジ地獄」につながっていることを反省し、業界の慣習を自ら壊す。
イーロン・マスクの速さに学べ パナソニック、電池100年目の脱皮
会社が成長するためには、海外市場への投資が欠かせない。伸びる事業として期待できるのがEV(電気自動車)用電池の分野だ。米テスラのイーロン・マスクと向き合い、経営スピードの重要性を学んでいる。
[新連載]パナソニック、思考停止の壁どう壊す トップ楠見の頭の中
電機業界の雄、パナソニックホールディングス。営業利益は1984年度の5757億円を超えないまま、40年近くがたつ。成長できずにあえいできたが、今、変化を起こそうとしている。停滞の殻を破ろうとする巨艦の現状と展望を探る。
パナソニックが家電の販売奨励金削る 価格維持へ一石、業界に波及も
パナソニックは8月1日から冷蔵庫など80品目近い家電製品の出荷価格を順次、引き上げ始めた。値上げを下支えするのが、家電量販店が値下げする原資となってきた販売奨励金の削減だ。小売りから価格の決定権を取り返す試みとして一石を投じた格好で、家電メーカーに同じ動きが広がる可能性がある。
パナソニックがライカとカメラ協業強化、高級路線で焦点は定まるか
パナソニックホールディングスは5月31日、独ライカカメラと戦略的包括協業契約を締結した。ライカのブランド力とパナソニックの動画技術を融合し、高級機種を拡充していく考え。一時は事業整理も検討していた中、巻き返しは可能か。
パナソニック、車載電池事業の上場も テスラ向け「ギガファク」の次
パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長は5月11日、車載電池の事業会社を上場させる可能性に言及した。同社は2023年度に稼働する車載電池の和歌山工場の先に米国工場建設を見据えている。17年に約2000億円を投じた米テスラ向け電池工場「ギガファクトリー」の立ち上げに苦し…
71億ドル買収率いたパナ樋口専務「ハードだけでは生き残れない」
パナソニックは9月17日、米ソフトウエア会社のブルーヨンダーを約71億ドル(約7700億円)で買収した。買収話の口火を切ったのは、25年ぶりに出戻った樋口泰行専務執行役員だ。ブルーヨンダー買収の背景や狙いを聞いた。
大型M&Aのトラウマ払拭へ パナが挑む、脱「上から目線」
過去の大型M&A(合併・買収)では苦い経験をしてきたパナソニック。うまくいかなかった理由の1つは、買収する側ならではの上から目線だ。過去の教訓を生かし、今回買収したブルーヨンダーに対しては、自主性を尊重することを重視する。
米社買収 「これで成長できなければパナソニックはもう駄目だ」
パナソニックは9月17日、米ソフトウエア会社のブルーヨンダーを約71億ドル(約7700億円)で買収した。パナソニックによる大型M&A(合併・買収)は10年ぶり。過去のM&Aは業績拡大につなげられず、トラウマにもなってきた。経営陣の決断の背景に何があったのか。
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