(写真=吉成 大輔)
(写真=吉成 大輔)

 限界集落といわれる新潟県十日町市莇平(あざみひら)で2003年から、「明後日朝顔」というアートプロジェクトを始めました。莇平で朝顔を咲かせ、収穫した種を茨城へ、さらにそこで収穫された種が九州へ……というように種の履歴を残しながら、活動は全国約30カ所に広がりました。地元の大人たち子供たちが植えた朝顔は、校舎や寺院、美術館などに張られた数メートルのロープに蔓(つる)を伸ばし、花を咲かせています。

 なぜ朝顔栽培がアートなのかと思われるかもしれません。そもそも、アートとは何なのか。絵画を見たり、音楽を聴いたりすると、人の心は「今」ではないどこかの時間や、「ここ」ではないどこかの場所に誘(いざな)われます。つまり、アートには人の心を動かし、イマジネーションを引き出す力があるのです。

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