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「それは1円にもなりませんね」余計なことまで言ってしまう、上手く取りつくろえない…山下智久(38)の“嘘がつけない姿”はなぜグッとくるのか

2024/03/12
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 2024年4月期に山下智久主演ドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ系水曜22時)の放送が決まり、話題になっている。原作は小沢かなによる漫画『BLUE MOMENT ブルーモーメント』で、気象災害から人々を守るために奔走するSDM(特別災害対策本部)の奮闘ぶりを描く。

 共演には『舞子さんちのまかないさん』(Netflix)で初主演を飾った出口夏希をはじめ、放送中の朝ドラ『ブギウギ』(NHK)の“愛助さん”でおなじみの水上恒司など次世代を担う若手エースを揃えているが、最も注目されるのはTBS『インハンド』(2019年)以来、約5年ぶりに民放ドラマの主演を務める山下になるだろう。

約5年ぶりの民放ドラマ主演が決定した山下智久 ©時事通信社

『ブルーモーメント』の放送に先駆け、TVerなどの配信サイトでは、山下のフジテレビ出演作が一気に解禁となった。無料配信は初となる『ランチの女王』(2002年)や、月9主演作『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』(2009年)に『SUMMER NUDE』(2013年)なども見ることができる。

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2009年、当時24歳の山下が主演を務めた『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』(フジテレビ系)。北川景子がヒロインを演じた(FOD番組ページより)

ヒット作を引き寄せる山下のスター性

 他にも山下の出演作といえば、日本テレビ『野ブタ。をプロデュース』(2005年)やTBS『ドラゴン桜』(2005年)、2008年から始まったフジテレビ『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』シリーズなど、いずれも人気作や話題作ばかり。ファンでなくとも漠然と「山Pのドラマはおもしろい」と思っている人が多いのではないだろうか。

 星の数ほど才能あふれる役者がいる中で、彼らが良い作品に出会えるか、その作品が世間に評価されるかは、正直なところ“運”次第である。どれだけ芝居が良くても、作品に恵まれない役者は少なくない。

 一方で、これだけヒット作を“打ちつづける”、または良い作品を“引き寄せる”とでも表すべきだろうか。とにかく山下の打率の高さは、本人の運の良さもさることながら、山下がスターたる所以、俳優としての類稀なる才能をなによりも裏打ちしているものだと思うのだ。

新たな代表作となった『正直不動産』

 そんな山下の新たな代表作となったのが、NHKドラマ『正直不動産』(2022年、2024年)である。旧ジャニーズ事務所独立から2年後、配信ドラマや海外作品を中心に活動していた当時の山下にとっては、約3年ぶりの日本ドラマ主演作だった。今作はNHKでも“異例”といわれた3度の連続再放送があったり、数千のリクエストに応える形でソフト化が実現したりと、いまや局を代表する人気ドラマになりつつある。

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