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「次は是非勝ってください」と現役代表をバッサリ キャスター内田篤人(33)が低迷するサッカー界で“独り勝ち”できる理由《発信力は松本人志並み!?》

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 オリンピックからW予選までの2カ月あまりで、内田の解説者やキャスターとしての魅力が一気に日本で認知された感がある。今年の4月にスポーツサイトSportsnaviが行った「東京五輪でキャスターをやってほしい元アスリート・男性編」アンケートで内田は6位に入ったが(元サッカー選手としては最上位)、今ならさらに順位を上げているだろう。

 内田がスパイクを脱いだのは2020年8月、32歳の時だった。日本代表として74試合に出場した内田だが、2014年に右膝に交通事故級の大怪我を負い、その影響もありチームに求められるレベルでプレーができないと引退を決意した。

 引退から2カ月後の2020年10月に前述のDAZNの冠番組が始まり、今年4月には報道ステーションの水曜日のスポーツキャスターに就任している。内田のコメンテーターとしての評価は、最初から高かった。

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引退試合で2人の娘を連れてポーズをとる内田篤人 ©GettyImages

「内田さんのあのコメント力。間違いなく、地上波のメジャーな舞台で活躍していく人でしょうね」

 あるテレビ局の関係者は、当初からその力量を見抜いていた。

現役時代から一貫してSNSはやらない

 彼が受けいれられた要因は、大まかに言えば以下の3つだろう。

1.断言できる
2.忖度しない
3.リスペクトがある

1.断言できる

 これは彼の賢さからくる特長だ。

 内田は現役時代から、質問にはっきり答える選手だった。

 最近の若い選手は色々なところに配慮してか、誰からもツッコまれないような発言をすることが多い。そうなってしまう理由はよくわかる。今の時代は、どんな発言でもSNSなどで反対する声が届く。例えば、AとBという2つのチームの試合を見て、Aの戦いぶりを絶賛するだけで、Bのファンから「配慮がない」というツッコミが届く。

 それを避けるために、選手は当たり障りのない発言をするようになる。結果として、何を言いたかったのか明確なメッセージがわからない言葉になってしまう。

 しかし内田は、周囲の反応を恐れなかった。メンタル面の強さもあるが、現役時代から一貫してSNSを一切やっていないこともプラスに働いている。だからこそ、彼はまっすぐ自分の意見を断言できるのだ。

 同時に、表現も巧みだ。「天下一武道会」「エロいサッカー」「コソ練」と直感的な言葉を使ってサッカーや人間の魅力を伝えることができる。

 そのメッセージの明快さゆえに、現役時代から内田はいつも記者に囲まれていた。そして引退して解説者になった今でも、視聴者に愛されている。

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