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森繁久彌 『知床旅情』秘話

昭和を代表する俳優で、文化勲章や国民栄誉賞を授与された森繁久彌(1913〜2009)は、シンガーソングライターでもあった。名曲『知床旅情』誕生の瞬間に立ち会ったのは、女優の草笛光子氏だ。

森繁久彌 ©文藝春秋

 初めて共演したのはNHKのラジオ番組で、「歌入りドラマ」と呼ばれていたミュージカルの走りです。私はまだ十代で、松竹歌劇団の研究生でした。森繁さんは収録前にダンスを教えてくださったりして、私をリラックスさせてくれました。

草笛光子氏(草笛氏提供)

『花嫁募集中』(1956年・野村芳太郎監督)という映画での共演をきっかけに、「ダディ」と呼ぶようになりました。ミュージカル仕立てのこの作品で、森繁さんと私はアメリカ帰りの日系人の親娘を演じました。いまもメロディーを覚えていますが、♪ダディ〜と歌い始める曲が気に入って、公私ともに私のダディになったのです。

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