内容紹介

「もしツバキ城がなければ、現在の私の建築はない」(藤森照信)。
伊豆は大島・ツバキ城。
建物を植物でチマチマ飾るのではなく、むしろ、大胆素敵に“植物の建築化”をこそめざす。
そう、もっと植物を!もっと屋根を!それこそフジモリ建築の希求。

伊豆大島の造り酒屋ショールーム『ツバキ城』ができるまでのケンチク家フジモリの頭の中を一挙公開。無数のアイデアとその挫折、独自素材の案出、それらの工夫・調達の紆余曲折、そして、花咲くトラブル。現地見学前の初期の思いつきスケッチから、実際の工場の様子・動線の調査過程、建築の主要コンセプト「土マンジュウをドン!+下屋」が案出されるまでを。さらに“身体性を喚起する場”への様々な創案、設計施工プロセスでの現代建築史へのフジモリ的思いの数々を吐露し、「左官仕事あるいは建築の祝祭性(お祭り性)」の自覚へと至る。写真・著者のスケッチ、製図等を多数掲載する。